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FDA エベロリムスを腎の血管筋肉腫の適応で承認

公開日時 2012/05/09 04:00

米食品医薬品局(FDA)は4月26日、スイス・ノバルティスの経口mTOR阻害剤Afinitor(エベロリムス)について、結節性硬化症(TSC)に伴う、緊急の切除を必要としない良性腎腫瘍の血管筋脂肪腫の適応で承認した。
TSCは、脳・腎臓ほか主要臓器に良性腫瘍を起こす遺伝性疾患。患者数は米国で4万人程度とされており、同剤は希少疾病薬の指定を受けている。

TSCは一般的に両方の腎臓に正常腎組織を圧迫する多発性腫瘍を発症させ、腫瘍サイズが大きくなるに伴い、腎不全や出血を引き起こす。患者の70~80%は、腎臓での障害を発症するとされている。

Afinitorの有効性・安全性は、118例を対象に、二重盲検プラセボ対照比較試験で検証された。2/3の患者をAfinitor投与群、1/3の患者をプラセボ投与群に割り付けた。主要評価項目は、治療後腫瘍の縮小あるいは消失とした。同剤投与群では、42%の患者が腫瘍の縮小を示し、平均5カ月以上継続した。プラセボ投与群では0%だった。

同剤は、早期の臨床試験で腫瘍縮小を数カ月維持することを示したため、この適応では迅速承認された。

主な副作用は、悪心、嘔吐、皮膚障害、咳、頭痛、下痢、腹痛、関節痛、上気道感染、脚・腕の腫脹など。このほか、同剤を服用した女性患者の15%に試験中に1回以上の無月経期間がみられた。

FDAのRichard Pazdur血液・腫瘍製品部長は、「今回の承認は、極端なアンメット・メディカルニーズを持つ希少疾患治療薬の開発にFDAが適切に関与しているかという事実を強調するものだ」と述べた。その上で、「疾患についての生物学への理解が、より選択的な薬剤の開発につながることを示す1つの実例だ」と科学の進展が希少疾患治療薬の開発を具体化させたとの考えを示した。

同剤は、米国では、進行腎細胞がん、TSCに伴うSEGA(脳室上衣下巨細胞性星状細胞腫)、進行性膵神経内分泌腫瘍の適応を取得している。国内では、2010年4月から根治切除不能・転移性腎細胞がんを適応として販売されている。また、ノバルティス日本法人は、2011年12月には膵神経内分泌腫瘍の治療薬として適応追加を取得した。さらに今年2月にはTSC治療薬としての適応追加および小児用製剤の承認申請を行った。

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