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中医協・薬価部会 GE置き換え進まない長期品は薬価引き下げへ 長期品切りにアクセル

公開日時 2012/12/06 04:02

次期薬価制度改革に向けた議論をしている厚労省の中医協・薬価専門部会は12月5日、長期収載品の薬価のあり方に関する中間とりまとめを行い、「一定期間を経ても後発品への適切な置き換えが図られていない場合には特例的な引き下げを行う」とする新算定ルールを導入することを決めた。中間とりまとめは、長期収載品に対する新しい薬価算定ルールの検討方針を示したもので、2014年4月の次期改革に向け検討が本格化する13年秋から詳細なルールを詰めることになる。今回、長期収載品の薬価をさらに下げる方針が示されたことで、同省は、新薬の研究開発費は特許期間中に回収し、特許切れ後の長期収載品は後発品(ジェネリック、GE)に置き換えられるべきとの方向へアクセルをさらに踏み込むことになる。

昨年12月の政府予算折衝で、GEの新たな使用促進と併せて「長期収載品の薬価のあり方の検討を進める」と財務と厚労両大臣が合意した。これを受けて中医協で議論してきたもの。長期収載品は医薬品市場の約3割、約3兆円あるとされ、GEが発売されても長期収載品が幅を利かす市場に対し、薬剤費の抑制の観点からメスを入れることになった形。診療報酬改定の財源確保の思惑もうかがえる。

5日の中間とりまとめでは、算定ルールは市場実勢価の反映が原則としつつも、「最初に後発医薬品が出たときの先発医薬品と後発医薬品の薬価の差はどの程度が適正か」は検討が必要だとし、現行の「特例引き下げ」(4~6%)と初GEの算定ルール(先発品薬価の7割)を見直す方針を示した。そして、一定期間の市場競争を経てもなおGEに置き変わらない長期収載品は強制的に薬価を引き下げることをルール化することも示し、長期収載品に対してはGE初参入後、最初の特例による薬価引き下げに加え、市場動向を踏まえた再度引き下げの機会が設けられることになった。

一方で、新薬の研究開発費用の回収を特許期間中に実施する方向を後押しするため「新薬創出加算」の本格導入(ルール化)を検討することも盛り込んだ。ここは、長期収載品の薬価引き下げだけを先行して議論するのではなく、同加算制度の「恒久化」も併せて議論すべきとの業界側の意見を取り入れた。

GE数量シェア目標についても触れ、「GE置き換え可能な市場」(GEのある先発品+GE)を分母にした新算出式で、「当面の目標としては今のフランス等の後発品置き換え率が参考になるとの意見があった」と明記し、おおよそ60%を目安として示した。新算出式によれば、現在は40%程度であり、今後、中医協の意見も参考に正式な次期GE数量シェア目標の検討が政府内部で行われることになる。

今回の中間とりまとめについて厚労省保険局医療課の井本昌克課長補佐は部会終了後、記者団に対し「皆さんの議論を整理して作り上げた。再審査期間中(特許期間中)に(研究開発費を)回収できるものは回収して、次の新薬を生み出してほしい。未承認薬も手当てしてほしい。それで新薬メーカーは生き残ると。一方、薬剤費の高騰を防ぐ意味でも(長期収載品は)後発品に道を譲る。それでも置き換わらず、(長期収載品の)占有率を維持するというのは無理なので、お役御免なので(薬価を)下げましょうということ」と説明した。
 

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