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        <title>MedicalStream</title>
        <link>https://www.mixonline.jp</link>
        <description>ミクスOnlineは、ヘルス・サイエンスの発展に欠かせない要素である医薬品業界の市場情報やヘルス・サイエンスに関わる人々の知識向上につながる情報・サービスを提供する医薬情報サイトです。</description>
        <language>ja-JP</language>
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            <title>ミクスOnline</title>
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            <title><![CDATA[スクープ記事への患者団体の反発がもたらすもの]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=39978</link>
            <description><![CDATA[医療を定義した言葉に、「医療とは医学の社会的適用である」という有名なものがあるが、この言葉の裏には、医療と医学の間には実は大きな距離が存在していることが前提であるという了解がある。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Mon, 29 Nov 2010 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[病院間競争の熾烈化生み出す医療ツーリズム]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=39823</link>
            <description><![CDATA[医師不足を招き、特に郡部の地域医療崩壊の元凶とされてきた新医師臨床研修制度。これによって、特に研修医が集中したのは、都市部の一部の高度先進型公的病院、大手総合型民間病院だとされる。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Thu, 28 Oct 2010 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[混合診療解禁への論議に新たな展開]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=39529</link>
            <description><![CDATA[７月末に開かれた第１回癌研オープンアカデミー「日本のがん医療の未来を考える」で、呼吸器内科専門医の発言が話題を呼んでいる。大阪府立急性期・総合医療センターの谷尾氏が紹介した海外治験の体験談である。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Mon, 30 Aug 2010 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[新薬創出加算とメディカル・ツーリズム]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=39419</link>
            <description><![CDATA[今年度から薬価制度に導入された「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」（以後、新薬創出加算）が、６月半ば頃から、医薬品流通の現場でトラブルとなるケースが増えている。主に民間病院を中心に、新薬創出加算を理由とした薬剤価格の硬直化が進み、病院経営収支に与える影響への心配が表出してきたのが主な要因。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Thu, 29 Jul 2010 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[展開が読みづらくなった「原中日医」の発進]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=38960</link>
            <description><![CDATA[民主党内の対立を持ち込むことも　医薬関係者にはあまり大きな関心は持たれてはいないだろうが、4月8日に厚生労働省が「審査支払機関の在り方に関する検討会」の初会合を開いた。　現在、診療報酬の審査は国民健康保険を所管する国保連合会と、職域保険を所管する診療報酬支払基金の2つの機関で行われている。この2機関を最終的に統合することが、検討会の目的だ。　審査支払機関の統合は、審査の標準化をより進める可能性があり、さらには医療保険の統合一本化への道筋をつける可能性がある。総論的には、診療サイド、支払サイド双方とも反対しにくいテーマだが、各論的には両側に異論が強く出てくる可能性が強い。審査の標準化が進むと、医師の裁量権との兼ね合いが大きなテーマとなり、保険制度の統合化への流れを作ることは、地域保険との一体化による実質増税（社会保険料の引き上げ）の意味を持つ。経済界が引っ張る被用者保険サイドの抵抗感は強い。審査支払機関の一元化とはいえ、その先を考えると重大なテーマであることに間違いはないのである。こうした問題はあるものの、ここではその論点を詳細に紹介するつもりはない。触れておきたいのは、4月段階でこの検討会に日本医師会が入っていないことである。　このテーマは行政刷新会議のいわゆる「事業仕分け」で指摘されたことから、厚労省が検討会を設置した経緯がある。いわば民主党政権交代の落し子のひとつ。4月8日の初会合には、日本歯科医師会、日本薬剤師会の代表は委員として入ったが、日本医師会は入らなかった。厚労省の説明は、「政務三役の指示」とするだけで、医療側の代表が入っていない理由は4月半ば段階では説明されていない。診療報酬の審査支払機関のあり方を審議するのに、医療を行う代表が発言する場がないのはあまりにも不自然であり、ここに日医と現政権との微妙な空気を感じることができる。同検討会は、今後、医療側代表が参画する可能性は大きい。その際、日医をどうするかがひとつの焦点であることは関心を持っておくべきである。◎地方医師会も巻き込んだ路線選択の混乱　その日医だが、4月1日に茨城県医師会長だった原中勝征氏が当選を果たし、新会長に就いた。　今回の日医会長選で関心を持たれていたことは、大きくいって２つに絞られる。ひとつは政権とのスタンス、政治との距離の置き方。もうひとつは、非キャビネット選挙の行方であった。　第一のテーマは2月号の当欄で説明したが、昨夏の衆院選で最初から民主党支持を打ち出し、民主党幹事長室と話ができることをアピールした原中氏と、自民党支持を衆院選まで崩さず、政権交代後も新政権との対応に手間取った唐澤祥人・前会長、「政治に左右されない」を主張し続け、政治的中立との印象が先行した森洋一・京都府医師会長の3人の争いは、この問題に関する限り、かなり明瞭にその立場が分かれた。メディア的には分かりやすい構図であり、実際に会長選そのものはこの対立軸を中心に進んだのは事実だ。現実に、この対立軸が２～3月に行われた地方医師会長選挙でもひとつの流れとなり、これまで無風といわれた地域ブロックにも大きな波風を立たした。例えば、同じ反唐沢でも、原中氏支持か、森氏支持かで割れた大阪府医師会、兵庫県医師会は原中氏支持派が勝った。また唐沢氏支持か、原中氏支持かで割れた青森、宮城、愛知などでは、選挙結果はまちまちで、地方段階でも医師会の考え方が流動的だったことを如実に示した。◎楽観されていた非キャビネット選挙の意味　特に日医会長選挙結果そのものが、そうした混乱を反映している。当選した原中氏の得票は356票中131票。次点の森氏が118票、唐沢氏107票。原中氏の支持は4割に達していない。もし、日医の選挙規約が当選を過半数としていれば、結果は逆転していたと見る人も少なくなく、実態は「民主党幹事長室と距離が近い」というスタンスへの支持は36％しかなかったとみることもできるのである。　この会長選の結果は、今回始めて実現した非キャビネット選挙に濃厚に反映された。非キャビネット選挙とは、従来まで行われてきたキャビネット選挙を否定した選挙のこと。会長選挙に立候補した人が、自分が当選した場合の副会長、常任理事のいわば会務執行役員の名簿を予め明らかにして臨む選挙で、落選した場合、副会長以下の候補者はその時点で立候補を取り下げ、自動的に当選候補のキャビネットがそのまま無投票で選ばれることになる。日医選挙ではこれが慣例化してきた。　今回、このキャビネット選挙を行わないと初めに宣言したのは当選した原中氏だった。その理由は、「落選した候補のキャビネットに含まれていた有能な人材を登用できない」というもので、反論しにくい正論だ。このため、森氏も唐澤氏も選挙戦はこれに同調。ために、いよいよ会長候補そのものの政治的スタンスがクローズアップされるという効果をあげた。ただ、政治的スタンスの明確な違いは、非キャビネット選挙を行った場合、会長とは意見の違う人材を抱え込むリスクを包含する。選挙戦序盤は、どうもこのことが軽視されていたきらいがある。特に原中氏の陣営に、森・唐澤グループの人材力に対する見方が甘い見通しだったことが後半になって明らかになってきた。◎原中会長を誕生させたのは近畿だが　こうして公約どおりに実現した副会長、常任理事の選挙結果は、事実上、森・唐澤氏のグループのほぼ圧勝だった。今回の日医会長選挙が「ねじれ」と称されるのはこのためである。　地方の医師会長選挙が終わりに近づいた頃、森氏や唐澤氏を支持するグループの一部からは、両派の統合を求める動きが活発化した。これを刺激したのは、大阪府医師会長選挙の結果だ。大阪の日医代議員数は東京に次ぐ33人。大阪は代議員の団結力が強く、会長の意見で大票田の33人が一定の候補者支持でまとまる。この選挙で、原中氏支持の候補が、森氏支持の現職会長を破り、大阪の33票が原中氏に流れることがほぼ決まった。仮定すれば大阪の地盤を森氏が制していれば、森氏は日医会長選で圧勝したことも考えられるのである。しかし、大阪が原中氏支持で固まったことで、森・唐澤グループの連合がにわかに現実味を帯び、実際、一部の地方医師会長は3月20日を過ぎても連合の動きを続けていた経緯がある。結局、会長候補の一本化は実現しなかったが、両派が推薦した副会長以下の候補者はほぼ完全に重複、いわばキャビネットでは連合した形ができてしまった。　会長選では反原中氏側の得票は225票。この結果は見事に副会長以下の選挙に反映され、特に原中陣営の推した副会長候補3人は全員が落選した。ことに大阪府医師会は、原中執行部の中枢を担うとみられていた大阪の副会長が実現できず、逆に常任理事は敵対陣営の府医会員が当選してしまい、結局は原中氏当選のエンジンだけで終わってしまった。　路線の違う会長と副会長3人という形になった新生日医執行部だが、日医内部の今後への期待も見解が分かれる。論議を尽くすことで、一体感のある会務執行が行えるようになるのではという期待の一方で、論議が四散して統一的歩調がとれず、対外的には求心力は落ちるという見方も強い。特に関心を集めるのは、民主党との関係だ。原中氏は、幹事長室と話ができることがアピールポイントだが、副会長以下も話ができるという担保はない。現実には政治とカネの問題以後、幹事長室と話ができるから民主党と蜜月であり、それが政治的アドバンテージを得るという状況も変化が起こり始めている。◎どうなるか2年後の勤務評定　副会長以下のグループを支える側には、仙谷由人・国家戦略相と近い人々も多く、民主党内の路線選択でも軋轢を生み出す可能性は小さくはない。場合によっては、党中枢グループと政府中枢グループの対立が、そのまま日医執行部内にも持ち込まれることも想定できる。ことに、社会保障政策の舵取りの中で、財政再建派と財政出動積極側の対立が深まれば、宙ぶらりんとなっている後期高齢者医療制度の行方にも影響は大きい。あまつさえ2年後には診療報酬と介護報酬の同時改定が控えている。この動向は、2年後の原中執行部の勤務評定にもつながる。その意味で、審査支払機関の在り方に関する検討会に日医の代表が入っていないことが何を意味するのか、示唆的ではある。ただ、この件に関しては、厚労省が日医の対応を待っていたと言い訳する可能性も大いにある。しかし、厚労省の新たに作られた検討会メンバーが日医なしで発進した例はない。昨年の中医協からの日医外しの状況と考え合わせると深読みしてしまう方が今のところ自然だろう。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Thu, 29 Apr 2010 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[再診料の駆け引きで浮上]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=38805</link>
            <description><![CDATA[　国民皆保険制度は、日本が世界に誇れる医療制度だといわれてきたが、どうやらそのメッキははがれ始めた。だいたい高齢者を除いて、一般人の窓口負担の3割はすでに社会保険の目的から外れかけている。しかし、1月～2月にかけての2010年度診療報酬改定の論議、駆け引きをみると、財務省主導、財源重視（財源中立）の考え方で進められた印象は否めない。このままいけば、医療政策は相変わらず財源問題を主軸にして医療費抑制がメインテーマにならざるを得ない。民主党の公約、ＯＥＣＤ平均並みの国民医療費は、まさに夢のまた夢で終わりそうだ。　今後も問題は山積している。参院選が終わる頃には、国保財政の問題が噴出することは必定だし、医科大学の新設問題も火種。地域主導の地域医療体制整備も具体化に向けて、論議を誘導しなければならないが、財源の裏打ちがなければ地域も動きようがない。自民党時代に打ち出された「地域医療再生基金」も、1箇所100億円の規模が、新政権になって事業仕分けを経ていくうちに、いつの間にか4分の１の25億円規模になってしまった。◎重たい2点の引き下げ　民主党、政権与党への甘い期待は尻すぼみに終わった。本号が出るときに、日本医師会の会長選挙が行われるが、選挙も後半となった3月半ばに、10年度診療報酬改定における中医協での駆け引きも徐々に明らかになってきた。周知のように、改定財源は急性期入院医療、産科、小児、救急を重点配分に、病院に4000億円、外来に400億円という枠配分を予め決めて論議がスタートした。薬価・材料の引き下げ分を除けば、ネットでの実質改定幅は0.19％（約700億円と推定される）だが、10年ぶりのプラス改定とはいえ、新政権誕生時の期待からは程遠い。　特に、本稿でも何回か指摘したが、今回の改定は日本医師会にとっては非常に重たい改定だ。日医の会員は約16万人だが、うち半数を超える8万5000人は開業医である。今回の急性期医療への4000億円、約３％の引き上げ分はほとんど彼らに回らず、外来の400億円が実質的な取り分だ。今回の焦点は再診料の病診統一だった。メディアは盛んに診療所の71点を引き下げて、病院と統一するとの観測を流したが、結果的には診療所を2点引き下げて69点とし、病院と統一した。そのかわり外来管理加算の5分間ルールを撤廃し、診療明細書加算1点、地域医療貢献加算3点を加えて、要件を満たせば診療所の基本診療料自体は大きく変わらない仕組みを作ったが、その要件に関するハードルも医療機関によって様々に違い、2点の引き下げは政府が想定した以上に開業医グループには厳しい点数と映ったことは間違いない。◎地域医療貢献加算のウェイト高めたかった厚労省　中医協での論議経過を詳しくみると、外来の引き上げ財源枠は400億円。しかし、民主党が公約していた5分間ルールの撤廃を踏まえると、産科や、小児科といった必要な引き上げ財源を確保するためには400億円規模では実質プラス改定を生み出すことはできない。中医協全体としても、この時点で5分間ルール要件緩和は、再診料をそのままでは改定財源は1.5倍～2倍は必要というシミュレーションがあった。このため、再診料71点と外来管理加算52点のトータル123点は変えないが、その配分を変えて要件を厳格化し、実質的に再診料を引き下げるというプランが水面下で提案された。厚生労働省が当初考えたのは、再診料を66点に引き下げて病診を統一し、外来管理加算も44点に引き下げて、地域医療貢献加算を新設して13点として、従来点数と変わらないというプランだ。このアイディアの66点が一人歩きして1月末のメディア報道をにぎわせたという経緯がある。結果は再診料69点、外来管理加算はそのまま、地域医療貢献加算３点で落着した。　問題は、結果的に3点で生き残った地域医療貢献加算の意味だ。診療側と厚労省の水面下の交渉は、最終的に再診料の引き下げ幅と地域医療貢献加算の分配に移った。当然、診療側は現状の71点にプラスアルファとしての地域医療貢献加算の新設を主張し、厚労省は66～67点で再診料を設定、地域医療貢献加算で123点を維持するという考え方を主張。歩み寄る中で69点、地域医療貢献加算をとればプラスアルファも出るという形になったのである。地域医療貢献加算は言ってしまえば診療所が一次救急に対応するために、24時間の診療応需体制を整えるという意味合いがある。今後は運用の中でどのように点数が認められていくかに焦点が移るが、多くの診療所が24時間体制などとれるわけがない。また5分ルールの撤廃で、外来管理加算を再びとる診療所がどの程度出てくるかも関心がもたれる。　これによって厚労省は100億円を超える医療費増を想定しているが、2年後の改定などへの影響を考えて、取りにいく診療所は少ないと観測する向きもあり、今後の中医協の検証部会での論議の焦点になることが予想される。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Mon, 29 Mar 2010 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[輪郭見え始めた医療政策パワーゲーム]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=38644</link>
            <description><![CDATA[再診料論議が次期日医会長選に与える影響　民主党の小沢一郎幹事長の検察との攻防は、国民的関心事であり、国内政治のトップニュースとして連日報じられたのはまだ記憶に新しいところだ。本号が出る頃には、まだ問題がくすぶっていることも十分考えられるが、一応のところは2月初めに小沢氏は不起訴、鳩山由紀夫首相も与党幹事長の職責の継続を支持したことで、幕引きが図られた。　しかし、この小沢氏と検察の攻防については、別の意味も含めてかなりの医療関係者が固唾を呑んで見守っていた。小沢氏が逮捕・起訴ということになれば、与党・民主党の政策の指示基盤がなくなり、ピークに達していた中医協における診療報酬改定審議の動向に大きな影響を与えるとの観測が高い確度で流れていたからである。　小沢氏が表舞台から消えてしまうと、財務省を中心とした官僚主導の政策決定力が強くなり、診療報酬は財務省主導で仕切られるという推測はあながち「噂」のレベルではなかった。本稿では、前号で再診料の扱いが地方医師会の会長選挙の動向に強い影響を与えると指摘したが、1月はこの再診料をめぐって水面下の駆け引きが続き、2月に入ってから中医協審議の最後の段階までもめ続けた。　ある意味、再診料の行方は今後の医療政策のリーダーの座を、診療所から病院へ、あるいは保険者へ、あるいは地域へ移転する象徴的な「政治的変革」を意味するものであった。それが分かるからこそ、再診料は最後の最後まで、政治紛争化した。その水面下（2月からは表面化したが）の駆け引きの最中に、小沢氏と検察の攻防が続いていたのである。再診料の決着がいつまでもつかず、長引いたのは小沢氏の影響力がどうなるかが不透明だったことが、実は第一の要因だ。◎小沢幹事長の検察との攻防も中医協論議迷走の一因　それではなぜ、小沢氏が医療政策、ここでは当面の問題であった中医協論議に強い影響力があったのだろうか。年末年始にかけて、診療報酬改定のキーマンとして注目を集めたのは厚生労働省の足立信也政務官だった。足立氏は、年末から年明けにかけて、「病院の点数を診療所に合わせるようなことを中医協ではしないはず」といった趣旨の発言を繰り返した。これにはいくつかの背景とサインがある。今回の中医協は、次期診療報酬改定にあたって、前回までとは違う要素がいくつかあった。　第一は、中医協の構成メンバーから日本医師会の代表がいなくなったことである。特に診療所を代表する委員は、鈴木邦彦茨城県医師会理事と安達秀樹京都府医師会副会長の2人で、日医での要職は占めていない。安達氏は、日本医師会診療報酬検討委員会の委員長を務めていたが、常任理事でもなく政策機関決定に関与する立場ではない。このことは、安達氏も強調していて、中医協委員就任当時、長妻厚労相が「安達氏は日医での活動をしており、日医を無視したことにはならない」といった趣旨の説明に対抗して、「日医から中医協委員を選ばなかったことは事実。　自分は日医代表ではない」との見解を繰り返していた。これは自分が日医に非協力的な立場をとるという意味ではなく、厚労省が日医から委員を選ばなかったという事実を明確にしておくためだ。安達氏はその後も日医サイドとのパイプ役を務めてはいるが、後述する医師会会長選などでのスタンスは、現日医執行部とはまったく違う路線を支持する立場。姿勢にブレはない。一方、鈴木氏は衆院選で唯一、民主党を支持した茨城県医師会から選ばれた委員。論功行賞的な中医協人事との見方をすれば、現日医執行部を代弁する立場でないことは明らかだ。　もう1つの背景は、安達氏を含めて、今回の中医協審議のスタートに際しては、病院を主流に改定することで一定の合意ができていたことだ。特に医療崩壊の象徴である勤務医の過剰勤務に関する問題の解決は国民的関心事であり、病院のフィーを高めて病院経営に配慮するという視点は基本的に一致していた。　しかし、波乱の要素はその前からくすぶってはいた。理由は事業仕分けの段階を経て、改定率の政府決定が医科平均で0.19％という予想外の低さに終わったことである。このとき、改定率をめぐって厚労省、財務省、民主党の間で駆け引きが行われた。財務省官僚サイドは民主党マニフェストを無視する形で医療費引き下げを主張、これに抗しきれなかった財務省三役と、マニフェスト重視で引き上げを求める与党・小沢幹事長の対立があったとされる。　藤井財務相の辞任は、この攻防が引き金となったとの観測が流れる所以でもある。こうして、診療側委員の母体の弱体化、低い引き上げ幅に伴う改定財源の乏しさ、病院中心の改定の流れという状況が作り出され、先の足立政務官の発言が出てくる。◎完全に政治問題化した再診料　足立政務官の「病院の点数を診療所に合わせることはあり得ない」との発言趣旨は、診療所もそれぞれその機能に応じた点数があってもいいのではないかという意味も含まれていたようだが、そうした幾つかの報道は「再診料は引き下げる」と関係者に翻訳され、特に日医の「中医協への政治的圧力」という批判談話の発表につながった。実質的に、この時点から改定の焦点は「再診料」であることは明瞭になったわけだが、その後の中医協審議は再診料を棚上げしたまま進んでしまった。　0.19％の引き上げをバックグラウンドにすると、引き上げ改定財源は約4800億円だが、急性期医療や、リハ関連の入院関連の引き上げが決まっていく中で、すでに4000億円が消え、さらに救急外来関連で400億円が消え、結局は診療所を中心とする外来の改定財源は400億円という枠が決まってしまった。当初、診療所を中心とする診療側グループは、再診料については、現行71点を維持し、病院の60点をそこに合わせる形で決着することを想定していた。しかしそれでは400億円の枠には収まらない。　このため、診療側は民主党公約に沿って外来管理加算の「5分間ルール」撤廃とのバーターで、いわゆる「お薬受診」（投薬希望だけで外来し診察を受けないこと）に一定の規制をかけることを了承するなどの代替案も提示した。また、診療所に関しては休日・夜間の対応についても機能加算をつける方向も論議された。　しかし、この間、焦点化した再診料については様々な観測記事が流れ始める。関係者によれば、ほとんどが財務省筋のリークということになるが、大多数の報道は診療所再診料を引き下げて病院と統一するというものである。図らずも、この趣旨では足立政務官の発言と軌は1つになる。結局、再診料は公益側裁定という形で、2点引き下げて69点で病診療を統一することで決着したが、実はこうした駆け引きが続く中で、表面化したのが検察との攻防に時間をとられた小沢幹事長の実質的出番がなかったことだ。そして、再診料の落着は4月1日の日医会長選に微妙に影響する。◎民主党内の路線の違いを表面化させる日医会長選　1月21日に、民主党の「適切な医療費を引き上げる議員連盟」は小沢幹事長に対して、再診料引き下げに反対する要望書を出した。この連盟の会長は桜井充参院議員。　桜井氏は中医協委員の選定方法にも疑問を示していた。同氏は小沢氏に近い立場であり、茨城県医師会の原中勝征会長とも近い。原中氏と小沢氏の接近は、次期日医会長選で原中氏を支援することでも理解できるが、桜井氏がこの再診料をめぐって71点維持を主張し続けたことは、次期日医会長への原中氏就任を演出したかったという思惑がみえる。　実は、桜井氏は宮城選出2期目の参院議員で内科医。一方、再診料引き下げで厚労省の舵をとった足立氏は、大分選出1期目の参院議員で外科医。桜井氏には、2期目の自分が政務三役に選ばれなかったという思いもあるようだが、当面、医療政策に関しては桜井、足立両氏の攻防も焦点になるとの見方もある。そうしてみると、マニフェストはあるものの、民主党内では医療政策に関しては水面下で2つの主張の流れがあることが、再診料論議の中でみえてきたのである。事業仕分けから引き続いた医療費への対応は、財務省主導といいつつも、一方では財政出動に慎重な党内グループが存在し、それが財政当局とタッグを組んでいるという構図も浮上する。　そして濃厚にみえてきた日医会長選への小沢グループの影響力は、再診料問題でどのような波紋を描くかも関心を集める。回りまわって、診療報酬改定率ではなく、再診料の落としどころが次の日医会長選を決めるかも知れない。また次期日医会長選が実質的には京都府医師会の森洋一会長と、茨城県医師会の原中会長の争いになりそうなことも、双方の民主党内支援基盤の違いを浮上させるかもしれない。中医協の診療所代表委員も京都と茨城の医師会から出ていることも何かの暗示か。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Thu, 25 Feb 2010 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
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            <title><![CDATA[注目したい医師会の動向]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=38484</link>
            <description><![CDATA[政権との距離で影響受ける医療費　新年も改まった1月の半ば、各地域では医療関係者が集う新春のパーティーが相次いで開かれる。医師会、歯科医師会、薬剤師会など単独で開かれる例もあるが、その他の職種もあわせて、地域の医療団体がすべて集まる宴会もある。また、医療関連の民間事業関係者もそれに参加するケースもある。　例年なら、どこでも似たりよったりだが、まず当該地域の医師会トップが年初の挨拶を語り、次に自治体の首長、国会・地方議員の代表格のあいさつ、乾杯の儀式と続くのが一般的だと思われるが、今年は政権交代後の最初の新年会である。主催者には多くの気苦労があったことは間違いない。特に、頭が痛いのは議員の扱いだ。昨年までなら、政権与党は自民党。まず、自民党関係者のボス格に挨拶をさせて、地域の支配関係を確認するということで宴会は滞りなく進んだものだが、今年は民主党だ。政権は代わり、民意も変わり、地域の力関係も変わったはずだが、団体の世界までその感覚が浸透しているわけではない。自民党関係者は、当然のごとく主賓扱いを期待して出席するし、民主党は政権奪取の勢いのままに、地方の宴席でも主賓扱いを求める。宴会主催者は、昨年までに恒例化した順番とメニューの依存して、通り過ぎるように終わらせたい会合だが、今後のことを考えると、これまでのように民主党を下に置くのもまずい。ことに、中央政界の図は大きく変わったが、地方では保守系勢力が強く、例えば首長や地方議会の多数は、自民党系の保守勢力がいまだに大きな力を持っていることが少なくない。政治の背景が変わったことで、もっとも悩ましいい具体的な現実が、多くの新年会で生まれたことは想像に難くないのである。◎落胆の診療報酬改定0.19％　1月初めの関西地区の医師会の新年会。医師会長が「10年ぶりに診療報酬は引き上げられたというが、実質のプラス改定分はわずか0.19％にすぎない。これでは医療崩壊を止めることはできないし、民主党のマニフェストどおりに、国民医療費をＯＥＣＤ平均なみに引き上げる約束には程遠い」と不満をぶちまけた。これに対して、歯科医師会の会長は、まだまだ十分とはいえないとの前提を置きながらも、「10年ぶりのプラス改定は快挙」だと語ったとされる。この2つの反応は、医師会側が民主党新政権に対して対応を迷走させているのに対し、歯科医師会が一気に民主党政権への傾斜を選択したことが如実に反映されたことを物語っている。　医科が0.19％に対し、歯科は2.09％の引き上げを得た。診療報酬全体ではこの10年間で３％以上の引き下げを受け続けていたが、医科診療報酬はこれを取り戻すためにはまだ1割も追いついていないことになるし、歯科は相応の引き上げを得たことは間違いないのである。民主党への姿勢の変化が、こうも露骨に診療報酬改定に反映されるとは医師会側にも想定がなかったのだろうが、それにしても医師会の政権交代への対応は事業者団体としては速度感が鈍い。後手後手に回っているという印象が強いのである。◎医師会が逃れられない2006年ショック　日本医師会のこうした対応の鈍さ、状況把握のまずさは昨年8月の衆院選挙の前後からかなり目立つものだった。そして、このまずい対応の要因は2006年の小泉政権への対応から端を発している要素が大きい。　衆院選挙で、メディアの関心を集めたのは茨城県。厚労族のドンといわれて、故橋本龍太郎・元首相のなきあとは医療行政では最大の実力者だった丹羽雄哉・元厚労相の茨城県の地元選挙区に、民主党は元厚労省キャリア官僚の女性候補を擁立した。これに対して、茨城県医師会の原中勝征会長は、丹羽氏の一連の医療政策対応を批判して民主党支持に回った。医師会の関係議員としてはもっとも有力なキーパーソンへの反旗だっただけに大きな関心を集めたのは当然だ。結果は、かつて保守王国といわれた茨城県は7選挙区中５選挙区を民主党に奪われた。茨城県医の原中会長は、この一連の経緯について、丹羽氏が小泉改革から端を発した、「聖域なき改革のうちの社会保障費を5年間で1兆1000億円削減（年間2200億円）については、自分も支持した政策だった」と語ったから見切りをつけたと語っているが、真偽は定かではない。昨年の衆院選前には自民党の苦戦はすでに自明だった。その時期に2200億円削減は自分の政策だと語る政治家、それも厚労系の政治家がいたとは少し考えにくい話だからだ。　しかし、このエピソードは、2200億円削減、そのきっかけとなった05年当時の経済財政諮問会議の「骨太の方針」が、医師会に大きなプレッシャーと足枷をはめたことをあらためて思い起こさせる。そしてこのことが反動となって、今回の医師会の鈍さにつながっている。簡単に振り返ると、05年の小泉政権下での医療改革は、諮問会議ペースでの政策プロセスから、混合診療の導入が焦点となり、当時の植松日医執行部は全力でこれを阻止した。強引な手法で郵政改革も実現した小泉政権だが、数少ない「できなかった」政策のひとつが医療保険制度における混合診療の導入だった。しかし、混合診療導入を阻止した植松執行部は、医療費を軸にした社会保障費2200億円削減は阻止できず、結果的に06年改定では3.16％の大幅な診療報酬引き下げを食らってしまう。このとき、日医の組織内国会議員である、武見敬三、西島英利という2人の自民党参院議員は、自民党内での基盤を失いかけたことから、植松執行部に反旗をかかげ06年日医会長選挙では唐沢現執行部の誕生に一役を買った。これが、いわゆる植松氏らのグループが強調する「政治家による公益法人に対する介入」である。　このときの日医会長選挙は、近畿医師会連合（近医連）が一致して再選を求めた植松氏を引きずりおろしたこと、特に自民党議員の意向が強く反映されたことを受けて、唐澤執行部が自民党との関係をより強固にしてしまう作用を生じさせた。このことは、地域間の医師会の根深い不信感も生み、07年の参院選では武見敬三氏への支援が不発に終わり、結果的に武見氏は落選した。近医連や、植松氏を支持するグループ、その後の2200億円問題の展開を問題視する医師会などは、結果的に当時の与党政権への結びつきを強めたことが政府の社会保障政策への冷淡さを助長させたという思いとともに、自民党が唐澤執行部を誕生させたという認識を固着させ、実質的に唐澤執行部も政権交代に際して鈍感な対応に終始したことがそのことを裏付ける形になってしまったとみることができる。◎注目される2月からの地方医師会役員選挙　政権交代後も日医の対応は迷走している。唐沢氏は民主党との関係づくりに積極性がなく、この間、衆院厚生労働委員会の新委員長の日医訪問を「門前払い」したなどの事件も起きている。（この件について日医は手続きの行き違いで、意図したものではなかったとしている）。また、来年の参院選の組織内候補である西島英利氏についても、自民党からの推薦立候補者として支援する姿勢を未だに崩していない。この間、中医協からの日医推薦委員の廃止、診療報酬改定での医科に対する差別的な扱いなど、民主党政権の風当たりが強まっているのは周知の通りである。　こうした中で、4月1日には次期日医会長選挙が行われる。民主党を支持して大物厚労系議員を落選させ、民主党マニフェストづくりにも参加したと公言する原中・茨城県医会長が立候補を表明しているが、唐澤氏も続投意思を表明している。また、近医連がまとまれば京都府の森洋一会長も立候補の可能性がある。民主党とのパイプという観点からは原中氏に支持が集まっても良さそうだが、0.19％の落胆は原中氏支持の動きを弱めている。関心を持っておいたほうがよいのは、2月末から3月初めにかけて行われる都道府県医師会の会長選。今年は５都道県を除く地域で予定されているが、こうした地方の動きも今年は無風ではない。特に、近医連は大阪府、兵庫県、滋賀県で熾烈な戦いが予想されている。大阪は非唐澤・非原中グループと非唐澤・親原中というねじれた構図だし、兵庫も同様だ。西島議員の地元、九州も民主党圧力で一枚岩でもなくなりそうな気配がある。　当面は再診料の扱いがこうした地方役員選挙に微妙な影を落とす。また、民主党マニフェストの医療費ＯＥＣＤ平均並みの実現を民主党の踏み絵にする地域も出てくるだろう。地方独自の流れが本格化すると、日医の政治力への期待も半減していく。自民党とともに日医も凋落していく姿が現実になるとき、医療と医療費の有り様も劇的な変化が生まれる予感を持つべきである。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Thu, 28 Jan 2010 00:00:00 +0900</pubDate>
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        <item>
            <title><![CDATA[新政権の中長期的な戦略]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=38364</link>
            <description><![CDATA[「医療費」の構造改革が始まった　新政権に代わって、最も前政権との違いを実感させたのは例の「事業仕分け」だが、こと診療報酬改定に関しては、財務省の意向が強く反映された印象は拭えない。ある医師会の幹部は、「診療報酬に関しては、財務省はずっと医療団体、とりわけ日本医師会に煮え湯をのまされてきたという被害妄想が強いことがよくわかった」と慨嘆する。このところの改定はすべて実質マイナス改定である。06年改定では3.16％という史上最高の引き下げとなったが、それでも財務省は医療費に対する手綱を緩めたくないという印象が伝わってくる。一説では、中医協委員からの日医外しも財務省のゴリ押しだったという説もある。例えば9月15日に開かれた日医の都道府県会長協議会では、日医幹部は「新政権は医療に対しては温かい気持ちがある。間違っても日医をつぶすわけがない。医療費を削減するようなことはないと思う」と語ったとされるが、翌月には中医協委員を取り上げられた。　衆院選後から、自民党一党支持を変えなかった反省も総括もせずに、甘い期待を語る日医も認識不足がはなはだしいが、財務省の厳しい姿勢はより具体的で輪郭が明瞭になったことは事実。果たして、診療報酬改定はどうなるのか、6.2％引き下げが決まった薬価改定分に上乗せして、「ネットで引き上げ」は実現するのかどうか。この記事が出る頃には一定の結論が出ていそうだが、財務省サイドに民主党が押し切られるような事態になると、医療界は「温かい気持ち」どころではなくなるはずだ。◎現状はばらばらの動きにしかみえないが　当面の問題としての、薬価改定、診療報酬改定は関心をひくことになるだろうが、今後長いスパンでみると、医療費の構造改革は速度を上げてくることが予想される。薬価に関しては、医薬品業界が提案する「薬価維持特例」が、少し形を変えて日の目をみそうな動向だが、こうした提案が採用される状況は、医療費自体の多くの構造改革に着手する前触れとみておくべきである。　12月までの動きの中で、こうした医療費（医療ではなく医療費である）の構造改革を促すのではないか、あるいは将来的な示唆を含むものはいくつか指摘できる。とりあえず、ここでは以下の4点について考えてみよう。①「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」、いわゆる薬価維持特例の導入②事業仕分けにおける「医療用漢方薬」の排除論議③厚労省幹部による診療所増加への警戒発言④後期高齢者医療制度の改廃問題◎薬価維持特例制度の導入は両刃の剣　①のいわゆる薬価維持特例制度の導入だが、医薬品業界は主張が一定の評価を得たとの認識を持ってはいるだろうが、別の視点からみると、医療全般に厳しい評価指標と激しいコストベネフィット査定が導入される予感を持たせる。実際、制度の名称が変更されたことで、製薬業界への画期的な新薬への創出努力と、未承認薬、未適応薬の開発努力義務が明瞭化されている。前者は、メガファーマでもパイプラインが減っている時代に大きな不安が頭をもたげてくる。後者は、相変わらず治験環境の好転が見えない中で、臨床治験のプロトコルを早急に用意できるのかという、待ったなしの課題を突きつけられることになる。現段階では長期収載品の引き下げは一律２％という提案にとどまり、後発医薬品へのあからさまなシフトが起こるとは考えにくいが、中期的には長期収載品は後発医薬品と価格も同等レベルということに落着する可能性が大きい。　また、こうした制度が定着すると、後発医薬品の初収載時薬価も現行の7割が維持できるかどうか。後発医薬品の使用促進をモチーフにした12月のあるシンポジウムでは、促進論者からも、後発医薬品の適正価格は先発品の3割程度が妥当という反応があったとされている。コストベネフィットの観点に立ち、それを厳格に適用していくと、長期収載品と後発医薬品の関係は、そうした論議の軌跡を辿るしかないという観測ができる。◎生活習慣病薬のＯＴＣ化へ弾む漢方薬論議　②の医療用漢方薬の医療保険からの排除論は、きわめて示唆に富む。事業仕分けでは、仕分け人側からＯＴＣとして販売されているものと同じものを、なぜ保険適用とするのかという主張が行われたが、これは将来的にはＯＴＣの範囲を拡大する可能性を秘めている。　医療用漢方薬はエキス製剤が開発されたのを契機に、1976年に当時の武見太郎日医会長の強力な援護で薬価基準収載された経緯がある。冒頭に、財務省の日医憎しのメンタリティに触れたが、事業仕分けでこうした議論が出てくることをみても、30年を経ても財務省には苦々しい思いが残っているのかと勘ぐりたくなる。　漢方薬は確かに医療用と大衆薬の境目が判然としない。一方は自費で購入し、一方は保険で入手できるとなると、漢方薬のユーザーは保険診療に向うことは自明である。大手メディアは、漢方が医療用から外れると、自己負担は3倍になると報じているが、この計算は3割負担を割り返したにすぎない。実際に、オール大衆薬となると、市場がどう動くのかは分かっていないのにである。しかし、漢方の大衆薬への引き戻しは、継続服用が常態化している成人病治療薬への論議を起すことが考えられる。特に、有効性・安全性に関する評価が確立している降圧剤、高脂血症薬、糖尿病薬などについては、ＯＴＣ化議論を加速させるだろう。　実はＯＴＣにしてしまう基盤はできはじめている。すでにスイッチＯＴＣというカテゴリーは確立しているし、ガスターなど切れ味のいい胃薬がＯＴＣとなって久しい。また薬事法の改正で、「１類」という薬剤師の対面販売が義務付けられ、ＯＴＣ薬の区分作業も終わっている。さらに、こうした生活習慣病治療薬をＯＴＣ化すると、患者の受診抑制効果はたいへんに大きい。08年の診療報酬改定で、再診料の外来管理加算に５分間ルールが導入されたが、それを導入した背景にはいわゆる「お薬受診」を問題視する論議が横たわっている。　ただ、こうした制度変革を実施するには、患者のトレーニングも必要となり、拙速な導入には慎重な姿勢が必要なのは当然だ。早急に導入される可能性は低いが、流れは生まれてくる。まず、生活習慣病薬は院外投薬が義務化され、その上で一回の処方せんで継続投薬を受けられるリフィルが制度化され、薬剤師とのコンタクトを常態化させ、患者管理を薬剤師のノウハウとして定着させれば、ＯＴＣ化への土壌は整う。◎フリーアクセス抑制への舵とり　３番目のテーマ、診療所の急速な増加傾向への役所の警戒感は、医師不足の中で開業医が増加していることに対する問題意識もあるが、高齢化が進み、生活習慣病患者が増加する中でフリーアクセスの弊害が起こると心配しているからだ。つまり、開業ラッシュは診療所間の競合状態を生み出し、患者の受診意欲を刺激する。それこそ初診・再診料の増加につながるわけで、前述した漢方薬の問題と逆の効果を生みかねない。これが「自然増」の形で顕著になると、この欄でも何回か指摘した人頭払い方式、あるいは診療所の定額払い方式の導入論議につながってくる。フリーアクセスは否定されることになり、同時に生活習慣病薬のＯＴＣ化が進むと、医療保険の構造自体が大きく変化する。　４番目の問題は短期的にはこれとは逆の問題だ。後期高齢者医療制度は廃止の方向が決まったが、これに連れて、後期高齢者診療料も廃止される。主病をひとつに限定し、月１回、患者１人に１医療機関しか算定（600点）できないこの点数は、75歳以上の高齢者だけが対象とはいえ、診療所にも包括払いが導入された例である。算定施設数は多くはなく、厚労省も民主党マニフェストに沿ってすんなりと廃止に合意したようにみえる。　しかし、この制度は2年間限りで終わったと合点するべきではない。なぜなら、どんな方法をとるにせよ、後期高齢者の医療制度は再び再設計されることは必定だからであり、その場合には、後期高齢者診療料のようなアイディアは必ず首をもたげてくるはずだからである。要は、12月までに行われた様々な動きを総合し、つなげていくと、フリーアクセスの制限、包括払い方式への全面的な移行に舵が切られ始めていることを観測しなければならないということである。医療費の構造改革が本格化する前夜が現在である。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Sun, 27 Dec 2009 00:00:00 +0900</pubDate>
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            <title><![CDATA[圧力強まりそうな開業医市場]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=38097</link>
            <description><![CDATA[市場管理を伴う医療費アップ　11月には次期診療報酬改定論議が本格化する。新政権になって、むろん初めての診療報酬改定であり、社会保障政策重視の全体的な流れをみせている民主党政権だけに、診療側の期待は強くにじみ始めている。すでに10月半ば段階で長妻昭厚労相は改定財源として3000億円の予算確保に言及しており、期待通りにプラス改定となる可能性は高い。特にマニフェストで医療費をＯＥＣＤ平均並みにという考え方が示されているわけだから、公約がそのまま実現されれば、短期的には幅のあるプラス改定も想定できるかもしれない。しかし問題はその配分と、それに伴う構造管理体制の強化だ。かぎ握る中医協人事　この稿が出るときには決着が図られているかもしれないが、10月半ば段階で中医協人事は決まっていなかった。新政権下で、どのような医療費配分論議を行うかが焦点となるだけに、その人事の行方が基本的に配分の方向の大方を決めてしまう。10月6日、長妻厚労相は中医協人事について、「政党支持には無関係に決めたいが、鳩山内閣の政策をどう考えるかがポイント」と語っており、暗に日本医師会をけん制する発言を示している。問題は、中医協で医療側の主導権を誰が握るかである。小泉内閣前までは、診療側委員は歯科、調剤を除いて日本医師会推薦委員で占められてきた。中医協は、日医対保険者という構図で進められ、基本的には医療費政策の診療側政策担当者は日医だった。これが、小泉内閣からは病院側委員は病院団体代表からの推薦で選ばれるようになり、中医協は病院対開業医という構図も作ることになった。結論を急げば、こうしたやり方は病院の意見を反映することはできても、診療側の結束力を弱め、基本的には保険者というより行政側の主導権を大きくした感が否めない。鳩山内閣下では、中医協構成はさらに日医の勢力が弱まる公算が大きい。病院市場の拡大は織り込み済み　その意味で、今後の診療報酬改定の動きを非常に簡単に整理すると、①改定財源は3000億円をキーに確保され、2200億円の削減シーリングも消えるので、一定のプラス改定を織り込んだ論議が進む②医師不足解消をテーマに、病院医療費への厚い配分論議が避けられない③一方で、生活習慣病を軸に開業医にはプライマリケア医、総合医、家庭医への本格的な態勢整備圧力が強まる－といった流れを頭に入れておく必要がある。医療費引き上げ財源としては、薬価改定の動向も注目されるが、病院全体の配分が厚くなれば病院市場の改定分吸収材料は増え、病院側の大きな引き下げ圧力は生まれにくくなる。ただ、行政側がどのような鉈の振るい方をするのかは不透明だ。問題は、開業医市場の方で、すでに医薬分業の進捗でかなりの診療所が医薬品離れをしている中で、行政の狙いは生活習慣病の薬剤使用にフォーカスされてくる可能性がある。端的にいえば、診療所レベルで生活習慣病から重症化する患者を食い止めるディフェンス力が弱いと、診療所の存在意義が問われることになる。診療所も費用対効果測定を厳しく求められるのだ。つまり、ここ数年のうちに団塊世代がすべて高齢者となり、生活習慣病対策を本格化しないと、プラスになる病院医療費が短期間のうちに大きな財政圧迫要因となることが目に見えている。そのためには、軽症段階で診療所自体にある程度のノルマを課し、そのための規制力を強め、病院との棲み分けを明確にするという政策が打ち出される可能性が強い。ノルマとしてはどんなことが考えれられるか。生活習慣病を対象に、一定の指標作りの論議が進むことになるだろうが、透析移行患者の動向分析などがその例として挙げられる。そのツールとしては、特定健診・特定保健指導、レセプトオンラインシステムへの確実な参加、そしてその両者のデータの突合が、診療所の能力・評価判定の根拠となってくる。規制は、そうした能力の弱い診療所などを、地域でどのように評価付けし、新たな役割を付与するか、言い換えれば医療費を食う機能を、どのように取り上げるかということになる。保険指導に見る行政の管理強化　こうして考えていくと、中医協の日医主導力の低下は、前記のような政策遂行を確実に進めて、固めていく効果を与えることが考えられるのである。8月末の衆院選後から、地域の医師会にはもやもやした不安感が底流を流れている。政権与党支持というスタンスで、日医は自民党支持を変えなかったが、結果は周知のとおりだ。民主党支持を打ち出した茨城県医師会がメディアの注目を集めたが、選挙後に日医に地殻変動を起すようなエネルギーには結びついていない。一部に、日医は総選挙の総括をしていないなどの批判も出ているが、それも大きな声とはなっていない。しかし、どうなるのかという不安感は強く、何をしていいのかわからないといったところが本音のところのようだ。そうした中で、確実に行政の圧力は強まっている。中でも目立っているのが、保険指導の強化だ。保険指導には個別指導と集団的個別指導があるが、2009年度になってから厚労省は、指導大綱に基づく指導方針を厳格に運用する姿勢が強化され始めている。指導はこれまで、各都道府県の社会保険事務局にまかされてきた。しかし、今年度から社会保険事務局が廃されると、指導は地域ブロックの厚生局単位で一元的に行われるようになった。それまでは、地域医師会と都道府県社会保険事務局で非公式に合意されたいわゆるローカルルールで運用されるケースが多かった。例えば集団的個別指導は、高点数上位８％が対象となることが指導の原則だが、大阪府では４％で運用されてきた経緯がある。これが、府県には関わりはなく、８％で運用されるようになった。当然、大阪府医師会は猛反発を示したが、それでは４％に戻るかというとそうはならない。担当する近畿厚生局は、上位点数シェアの切り方の決定は、厚労省本省の政策だとして、中央での対応を求める姿勢で一貫している。プレッシャー強まる後発医薬品使用　個別指導は、対象医療機関だけの問題ではなく、その指導内容も医師会の反発を招くものとなり始めている。特に際立つのが、後発医薬品の使用状況が小さい医療機関への一律的な指導である。後発医薬品の使用は、昨年の診療報酬改定時に、療養担当規則にも盛り込まれたが、当時は療担に入っていても「努力義務」であり、診療報酬請求審査には大きな影響はないという楽観的な見方が大勢だったが、個別指導での一貫的な後発医薬品使用の指摘は、徐々に情報として医師会傘下の医療機関に波及しはじめている。後発品使用は、審査で対応を評価するという姿勢を厚労省がとり始めているわけで、診療所をはじめとする医療機関には、今後相当に大きなプレッシャーになることは間違いない。また新年度からの指導内容で目立つことに、昨年導入された外来管理加算のいわゆる5分間ルールの厳守、夜間早朝加算の厳格運用など、近時に導入された診療報酬ルールに対しても厳格に対応する意向が示され始めていることも指摘できる。こうした厚労省の姿勢は、医療費をOECD平均にまで引き上げるという民主党のマニフェストを首肯しながらも、医療費管理に関しては、より厳格に対応していくという姿勢を示し始めているというふうにみた方がよい。もうひとつの開業医市場をめぐる今後の大きなインパクトは、人頭払い制度を見据えた医療体制の再構築である。これは、診療報酬の支払い方式を開業医でも包括払いにするためには当然論議となってくる問題だ。その外堀を埋めるために、家庭医という考え方が大きく浮上し始めている。すでに、プライマリケアを担当する関連３学会が合同することを決めたが、こうした学会の動向は、開業医を欧米型のゼネラル・フィジシャン（ＧＰ）として位置づける政策サイドの考え方を取り込んだとみるべきである。病院市場は拡大する。しかし開業医市場は確実に管理型市場として縮小を余儀なくされる。一方で、患者管理も進み、病院の機能類型も再構築されていくことになる。今の体制のままで、ＯＥＣＤ並みの医療費シェアが実現されるわけではない。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Fri, 30 Oct 2009 00:00:00 +0900</pubDate>
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            <title><![CDATA[具体性はみえない医療保険政策]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=37961</link>
            <description><![CDATA[目標管理優先か民主党の医療政策　政権交代が実現した。当初からある程度の予測はされていたとはいえ、これほどの民主党の大勝利、自民党の大敗北という結果はやはり驚くべきものだろう。歴史上でも例がないという評論も目立つが、果たして民主党のマニフェストがどう実施されていくのか、関心はそこに集まっていかざるをえない。　医療政策に関しては、社会保障政策の充実を訴えてきただけに、国民的関心も年金と同レベルで関心は強い。だが、意外に民主党公約も国民ニーズも統一感がなく、ばらつきが大きい。メディア的に取り上げられるのは、後期高齢者医療制度の撤廃だが、それも後期高齢者を中心とした「年齢で保険制度を分けるのはよくない」といった多分に心情的でウェットな主張が大半を占めている。すでに、後期高齢者医療制度を運営する各地の広域連合は、同制度が定着し始めたことを背景に困惑の表明や撤廃に反対する声も強くなっている。当然のことながら、撤廃した後の対応策は何も具体化していないし、老人医療保健制度に戻すとしても、再びの混乱を憂慮する気分も小さくはないのである。タイムスケジュール提示で透明感　すでに、社会保障政策だけでなく、各政策にわたって民主党マニフェストの実現は長期的に見守るべきだという論評も力を得始めた。それだけ、これまでの自民党政権下で醸成されてきた制度構築に関する官僚支配の体系がすぐに崩れて、民主党が主張する政治主導の機能が早急に働き始めるという認識は世論にはないようだ。　ここで民主党の立場になって考えてみると、医療を含む社会保障政策の転換は、この国の社会経済動向と密接にかかわり、何か象徴的な政策で派手な転換を行って国民世論をリードするという戦略は立てにくいとみられる。後期高齢者医療制度は廃止する、国民医療費は先進国並みに引き上げるといっても、それほど実は大きなパフォーマンスにはなりにくい。とりあえずの政策財源を中心に、国の財政力がどのようなものか、国民がかなり分かっているからである。地道に国民世論を見方につけ、民主党が長期にわたって政権を維持する戦略があるとすれば、今回の選挙用マニフェストの実現は、あと3年ほしい、あと5年ほしい、あと10年ほしいといった立体的な戦略プランの提示から進められるはずである。その意味では細川政権のときのような短命的な新政権戦略はとれないし、とらないとみた方がよい。そしてその戦略を後押しするのが、民主党のマニフェストを長い目で見ようとする国民意識だが、「見守ってはくれる」が「個別の医療ニーズは時間を浪費できない」というギャップのある国民感情にどう配慮していくかが、民主党政権の今後の医療政策舵取りの要件となってくる。新型インフルエンザ対策が目下の課題　そうなると、医療政策に関しては、3年、5年、10年といった、短期、中期、長期にわたる政策の優先付けが、世論をみながら進んでいくことになりそうだ。また、そうしなければ民主党政策の透明感は生まれないし、官僚主導から政治主導への実感は生まれてこない。むろん、その過程で多少の批判は生まれるだろうが、大きなアキレス腱に発展するようなテーマは、少なくとも医療政策ではないと見通すことができよう。しかし、特に重要なのは短期的なテーマだ。　第一は、インフルエンザ対策である。対策の中身については、この稿を進めている段階ではかなり流動的であり、また政権交代実務の引継ぎ途上のため解説はできない。だが、集団感染抑止対策、抗インフルエンザ薬の備蓄と供給対策、インフルエンザワクチンの生産、供給、提供システムなどについては、政治主導でトップダウン機能が最も求められると同時に国民に透明感と分かりやすい戦略の説明が求められることになる。ことにワクチンの供給、その優先配分の仕方は大きな指導力が問われることになる。すでに9月半ばの段階でも、ワクチンの輸入供給をめぐって論議は分かれている。　短期的テーマの第二は自殺対策だ。年間3万人を超える自殺者数は先進国中では飛びぬけて多い。新型インフルエンザで、仮に死者が3万人出る、あるいは出るかもしれないというシミュレーションが出てきたら国民への衝撃は大きいはずだが、自殺者数に関してはあまり急ぐべき課題との世論は生まれていない。しかし、公衆衛生上の観点からみれば、自殺数の減少は早急に取り組むべき課題であることに変わりはない。自殺の原因は疾病、経済的問題、人間関係など多様だが、「予防」対策が大きな効果をあげる「疾患」との位置づけがなされる状況に入っている。政治主導でこの対策を打ち出すことは、旧来の官僚主導政策で出せなかった民主党のイメージ戦略として有用だという視点をもつこともできる。政策は、「うつ」対策、高齢者対策、経済対策の総合的なリンケージが求められるが、特に「うつ」患者の早期発見体制が大きなテーマとなることは必須だ。また、うつ対策としての薬物療法を軸に精神保健対策の新たな支柱づくりが進められる根拠ともなりえる。縦割り行政解消アピールできる医療ＩＴ戦略　中期的対策としては、前号でも触れたがＩＴ活用を軸にした地域医療体制の新たな構築がテーマとなってくる。その意味では、地域の電子カルテ化、レセプトオンラインシステムの推進、健診データの集積に向けた標準化と疾病対策との連携、介護システムとの有機的連携などを、一体的な観点から検討を進めることになる。　このテーマは、２つの副次的効果も期待される。ひとつは、これまでの省庁縦割り行政をあらため、政治主導で一体的、総合的な戦略構築を行える可能性が生まれることである。ＩＴ産業は経産省、総務省が握り、保健衛生での活用戦略は厚労省、具体的な戦略研究は文科省といったこれまでの縄張り争いを一元化しないと、戦略の統合は難しい。また、医療政策の主導権が地域に移転していくことを視野に入れるなら、知事会や市町村会など地方を含めた戦略本部の設置などもメニューとして具体化してくるだろう。　副次的効果のもうひとつは、ＩＴ産業への刺激。医療の連携を基本にしたＩＴ化は、個人情報保護、つまりセキュリティに分厚い配慮をしたハード、ソフト、ネットワークシステムの開発が必須になる。将来の医療費の効率性を約束すれば、医療分野はＩＴ市場の巨大なマーケットになる。医師不足対策で規制緩和が浮上か　中期的対策のもうひとつの大きなテーマは医師不足対策。民主党マニフェストは医師数を現行の1.5倍まで引き上げるとしているが、単に養成数を増やす政策では20年スパンの長期戦略でしかない。ここ5年のうちに医師不足を解消していくとすれば1.5倍はあまり現実的な約束とはいえないのである。このため、医師不足対策は、単純に医師数を増やすことだけでなく、医師を補助する医療担当者の活用に必然的に目が向けられてくる。　一定の実績を積んだ看護師の業務範囲の拡大、薬剤師の活用と業務範囲の拡大などは現実的な政策課題となってくる。勤務医のハードワーク解消に向けての短期・中期的な戦略としては、医療現場の業務分担を見直すしかないが、これには当然、医療担当者の論議が避けて通れない。一般的には、医師の業務のコメディカルへの分割は、医師自身が反対すると思われがちだが、問題の根底は医療訴訟だ。医療事故対策、あるいは医療安全体制の確立といった論議が中身のあるものになってくれば、コメディカル側にも業務分担への意欲は醸成される。ナース・プラクティショナーの導入論議に日本看護協会が積極的に参入しないのは、訴訟リスクを避けたいという動機が背景にある。問題の根を解消していくためには、医療事故への対応見直しが大きなテーマになってくる。　さて、医療政策の最大のテーマは医療費政策だ。この稿でも、なぜ触れないのか疑問に思われるかもしれないが、医療保険制度を基本とする医療政策の根幹に関しては新政権の対応はまだよくみえない。民主党の基本姿勢が不透明なせいもあるが、医療側の主導権をどこが担うのかが混沌としてきた。日本医師会がどのように民主党とスタンスをとるのかも見えないし、それが大きな要素となるのかも不透明である。本格的な次期診療報酬改定論議が始まるまで、注視をしていく必要があるとしか現時点ではいえないのである。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Tue, 29 Sep 2009 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[弾みがついた社会保障カードが何をもたらすか]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=37811</link>
            <description><![CDATA[問い直しが行われる個人情報保護 　今年の夏は実質的な梅雨明けが長引き、農作物、特にコメの作柄もあまりよくはないらしいが、気候の予想は科学技術がこれだけ発達しても難しい。国の10年後、15年後の展望などというものは、科学より民心の動きで変わるものだからなおさら難しい。この稿が目に触れる時には衆院総選挙の結果も出ているはずだが、その結果を予想しながら原稿を書くことも難しい。しかし、選挙前に各党が公表したマニフェストをみると、なぜか争点は「現状の改善」が中心で、10年後、15年後にはあまり関心が払われていない。長期予想を放棄し、また長期予想では票にならないことが端的に表れた選挙だったということもできるが、社会保障政策は科学の観点から多少の予想も試みることができる。実は、2006年の小泉改革の原点である「骨太の方針2006」以後の、政府の各種政策の動きをみると、少なくとも15年後くらいには、日本の社会保障政策、医療政策はかなりシンプルな構造になっていることが予測できる状況になっている。その意味では、小泉改革は多少の綻びを縫う政策が展開されても、水面下に流れる将来構想は生き延びる可能性が高い。前向きも後ろ向きもＩＴが背景に　8月の最初に、一部報道で千葉県と千葉県医師会が地域連携パスの作成で開発を急ぐ方針が明らかにされた。連携パスは大たい骨骨折をはじめとして試行的なパスが診療報酬で評価され、政府も連携パス作成を後押ししている。千葉の場合は政府が進める地域医療の重要政策である４疾病５事業のうち、４疾病を対象に開発されるようだが、千葉の取組みは行政と医師会の一体性で地域連携パスを作るという方向性が示されたわけで、こうした動きが行政主導で進むことを予感させる。この国はよくも悪くも、行政が予算をとって政策のリードをしなければ事業は前に向かない。　また同じ8月の始め、大阪では高点数レセプトの医療機関の教育的指導を行う集団的個別指導をめぐって、医師会と厚労省の地方出先医機関が衝突していることも明らかになっている。集団的個別指導は、いわば高めに診療報酬を請求する医療機関へのイエローカード的な性格を持っており、制度自体、医師会にとっては早くやめさせたい制度だ。　一見すると、この2つの話は無縁のようにみえるが、実はＩＴ化の流れを背景にしている点では、地下を流れる水脈は同じところから発している。　地域連携パスは、地域の医療機関が同じ医療情報を共有することなしでは成立しない。むろん行われる医療の標準化も重要なポイントだが、情報ツールとしては地域でＩＴのハードもソフトもほぼ同水準で装備しないと、結局は定着しないというのが大方の見方だ。現状では、紙（診療情報提供書）でのパス連携が基本に語られているが、曲がりなりにも地域連携パスが成功している地域は、ＩＴシステムの一部共有化が進んでいるのが共通点である。一方、集団的個別指導は、厚労省出先機関のレセプト情報データ収集分析のミスが原因で起こったと説明されている。背景にあるレセプトオンライン義務化問題が、医師会の反応をデリケートにさせているのは当然である。社会保障カード化と電子私書箱　連携パスの開発、レセプトの管理医療への応用は、地域医療の中でＩＴ技術、特に地域でのＩＴインフラの標準化、ネットワーク化がすでに深く根を下ろしていることを示している。このように、医療に関するＩＴの浸透とネットワーク化の進捗が次に何を期待させているかは、「骨太の方針2006」の翌年から始まった政府の動きを統一的に眺めていくとよくわかる。その中では、社会問題化した年金記録の名寄せ問題も、ちゃっかりと課題解決のための方便に使われている。　医療を中心にすえたＩＴ化の本質的論議は、骨太方針の翌年から本格化した。07年9月に始まった厚労省の「社会保障カードのあり方に関する検討会」は08年1月にその必要性を認める一定の方向を導いた。また内閣府が07年10月に始めた「電子私書箱による社会保障サービス等のＩＴ化に関する検討会」も08年3月に、社会保障を含む情報の個人管理を主軸に、給付と負担の個人管理原則の方向性を示唆する論議を終えている。また、経産省は、06年以降、医療政策を含むサービス産業支援事業プロジェクトで、地域のＩＴネットワークと個人情報管理のあり方で実証実験を含む、地域モデル事業などを進めてきた。経産省事業では、今秋から４～６地域で個人情報のネットワーク化とその管理の新しいモデル実証実験も始められることが伝えられている。選択は個人への流れ　こうした動きのうち、社会保障カードは年金、医療情報の集約化を狙ったものであり、むろん国民総背番号制につながるテーマだ。また電子私書箱はその情報を個人管理させ、個人の身体、生活、財務の管理を自己責任で行わせる考え方が潜んでいる。当然のことながら、年金・医療の保障も個人での選択に門戸を拡大し、公的保険か私的保険の選択もその後の課題として浮上する。そして経産省の一連のプロジェクトはそうやって集約された個人情報をどのように地域で活用するかという実証を示すものである。なお、日本医師会は社会保障カード化は現時点では管理医療につながる危険性が大きいとして反対の姿勢を崩していない。　こうして考えると、例えばレセプトオンラインの義務化は医療機関のＩＴ機能の標準化と集約される診療情報の一元管理と管理的活用に標的があることが推測でき、特定健診・特定保健指導は個人の健康情報の一元管理につながる。特定健診はＩＴを使うことが原則化されていることがその標的の確かさを裏付ける。　ようやくおぼろげながら、レセプトオンラインの問題は、社会保障カード化や電子私書箱化への流れの一里塚ではないのかという問題意識が医療側にも芽生え始めている。当初、ＩＴ化に対応できない弱小診療所の排除につながるとしてきた医療側の反対根拠が、個人情報問題に転化し始めているのがその象徴だ。　経産省のプロジェクトでは、集約する地域の個人健康情報について、母子手帳、乳幼児検診、学校検診、感染症罹患記録、疾病記録（診療録）、成人検診、特定健診に至るまでレコードし、それを保険者、医療機関、行政、個人が共有するとしている。また、パスが機能するためには、遺伝子情報もそこに組み込むべきだという意見も台頭し始めている。特に切れ味のいい医薬品の開発を促すためにも、受療する側の情報多元化が必要とする臨床医も出てきた。すでに、生物学的製剤治療が標準化し始めたリウマチ医療では、患者の遺伝子情報のバンク化を進める動きも出始め、レスポンダー、ノンレスポンダーの抽出で効率的な医療提供ができるとの主張も勢いをつけ始めている。むろん、個人情報管理は個々が行い、情報の閲覧と活用は許諾がないとできないシステムになることは当然だが、現時点でのセキュリティ技術で漏洩が完全にシャットアウトされるかどうかは論議のわかれるところだ。大衆の目線からみれば、金融機関や通販会社などでたびたび起こる情報流出の事件などをみると、かなりまだ強い抵抗があるのは事実だ。ＩＴ環境整備が進める制度一元化　社会保障カード化や電子私書箱が現実化するには、指摘したように多くの通過点での論議と反対が起こることは必至だ。しかし、ＩＴ環境の整備という点では、その標準化やネットワーク化はすでに相当に進んでしまったし、政府の将来を見据えた視線も07年以降の各種の検討会、実証事業で定まり始めている。　今後を見るうえで大事なことは、こうした動きが加速する中で、社会保障制度の統合一元化に弾みがつくことを予測しておくことである。すでに年金の一元化論議は萌芽がみえる。レセプトオンライン化は被用者保険と地域保険（国保）の分離をうるさがる議論を生み出すことは必至だ。大阪の集団的個別指導のトラブル要因はすでに、そのことを厚労省側が理由にあげている。制度の一元化へのステップは、国民の社会保障制度のあり方への関心を共通の土俵に上げる。そこで本質的な負担と給付の論議を始めたいというのが政府の狙いだ。社会保障のＩＴ環境の整備は消費税引き上げ論議の本格化環境整備でもある。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Mon, 31 Aug 2009 00:00:00 +0900</pubDate>
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        <item>
            <title><![CDATA[課題は山積しながら既得権は逃げていく]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=37682</link>
            <description><![CDATA[「総選挙後」に苦悩する医師会　ボクシングを見たことのある人はご存知だろうが、戦う選手にはセコンドという名の介添え役が2人ついている。1人は戦いのコーチ役、つまり作戦監督で、もう一人はトレーナーで、傷の手当てや選手の身体面の状況に気を配る役割を担う。このスポーツを単なる殴り合いにしか見ない人は選手しか見ないが、少しボクシングを高度なスポーツとして認識できる観客は、セコンドの能力を含めた「ゲーム」として試合を味わう。セコンドは米国などでは独立性の強い仕事で、その能力に応じた待遇によって選手を選ぶ。前にケアした選手の敵側選手のセコンドになることだってある。勝ったほうにつきたい　政治の世界で、与党と野党を選手とみれば、セコンド役はさしずめその支持基盤ということになろうが、自民党・与党の大きな支持基盤として機能してきた医療関係団体の針路があいまいになり始めている。医療界で与党・自民党を支えてきた最大の勢力はいうまでもなく日本医師会だが、衆院総選挙の直近、つまり大きなタイトルマッチが目前に近づいているのに、与党側セコンドとしての戦略やケア方針が決まらない。それどころか、どちらのボクサーのセコンドを務めようか、リングの外でふらふらと迷っている印象すら伝わる。一応、各種の政治的イベントでは自民党を軸にした与党をゲストとして招くという、セコンドとしての所属は与党側というスタンスは崩していないが、実は強力なノウハウを持って堂々と自民党のセコンドに立つ覇気も、勇気も、実力も失いかけている。気分は、次のタイトルマッチでは評論家としてリングサイドで試合を眺め、勝った方のセコンドになろうということに傾いている。　総理大臣の麻生太郎氏は、衆院選初出馬のとき、叔父の故武見太郎・元日医会長の強力な支援を受けた。選挙区の福岡県では、選挙カーが進む沿道を白衣（医師、看護師）が埋め尽くしたといわれるほどだ。　麻生首相に限らず、医師会をバックにするとその集票能力は桁違いといわれた時代がある。それが、前回の武見敬三氏を推した参院選では日医の直接候補を落選させるところまで凋落した。日医が自民党のセコンドを続けるかどうかを迷い始めた今、自民党政権も落城寸前に追い込まれ、その領袖が麻生首相というのも皮肉なめぐり合わせである。迷いを露呈　日医が与党との駆け引きで一歩下がった、あるいは迷いを露呈した象徴的な問題がレセプトオンライン請求義務化への対応問題だ。日医は5月29日の段階で竹嶋康弘副会長名の文書で郡市区医師会あてに、レセプトオンライン請求完全義務化の厚労省方針に対する「対応指針」を通告した。日医活動としては極めて異例な対応だ。周知の通りレセプトオンライン請求の問題については、来年4月からの完全実施の方向を目指す厚労省、政府の規制改革会議と、零細で高齢のＩＴ対応の難しい診療所の切捨てにつながるとして、レセプトオンラインに対応できる医療機関だけが、「手挙げ」でシステムに参加する方式を取るべきだとする医師会の主張がぶつかりあってきた。特に診療所や歯科診療所の反発は強く、神奈川県や大阪府では、訴訟団を結成しての集団提訴も起されている。　5月29日の指針は、こうした医師会の方針を実質的にかなり大きく転換させる内容を持ち、完全義務化もやむなしと受け取れる内容だ。むろん少数の対応ができない医療機関に対するサポートや、機器更新のサポート、実施時期の延期なども盛り込まれてはいるが、「義務化」を阻止するという考え方からは遠のいたことは事実だ。　ここではレセプトオンライン請求完全義務化の問題は措いて、この竹嶋副会長の通知文書が持つ意味を考えてみよう。異例な対応だが、何が異例か。第一は、なぜ会長名ではなく副会長名か。第二は、都道府県医師会ではなく郡市区医師会に直接通告されたこと、第三は、都道府県医師会をスルーしながら公式通告の扱いではなく内部文書の形をとったことだ。第一の問題については、これは完全な内部文書であり、指示事項でもなく経過報告に近いものだったので、会長名にしたという理由が憶測されている。しかし、分かりやすくいえば、この通告が経過報告だったにしても、現在の交渉の相手方が現政府であり、総選挙で政権交代となれば、また新たな対応が必要となる。そのときに「竹嶋文書」は、日医の公式指示ではないといういい訳ができる。新政権に対し、新たな対案提示の余地を残しておこうということだ。こうした手法を使わざるを得なかったこと自体、日医が政治勢力の中で力を失っていることを示してしまうという計算が働いていない。　第二、第三の理由、背景もそうしたことの組み合わせにつきる。日医は内々に、戸惑う都道府県医師会に対して、「都道府県医師会サイドから、郡市区医師会からの明確な対応を示せという質問にどう答えたらいいのかという問い合わせが増えてきた。このため、日医から直接、郡市区医師会に通告した」という説明が行われているときく。しかし、都道府県医師会にしても、「手挙げ」を前提に行動をとってきたところが大半であり、その方向の実質的転換を直接、郡市区に行われたことには不信も募る。会員間の意見相違も明らかに　この問題について日医は、関係政府筋、与党関係者に対してロビー活動を展開してきたといわれる。レセプトオンライン請求完全義務化はいわば、小泉改革の置き土産的なニュアンスもあり、背景にある2200億円問題とも絡んで、この問題は政府の財政方針にも関わる重要案件との位置づけは政府部内にも大きい。舛添要一厚労相が、完全義務化の緩和案を公表したとき、規制改革会議が不快感を示し、義務化の堅持を厚労省に再確認させたことはそのことを裏付けている。日医関係者は、「結局は解散総選挙の結果次第。対応指針を5月に出したのは、現時点では現与党が敗北するかもしれないという下敷きをおいて、政権交代が行われても、レセプトオンラインに関する問題解決はそれほど容易ではないこと、仮に現与党が存続しても、ロビー活動をしてきたというアリバイが残り、あとは選挙後政府の対応次第だ、というエクスキューズができる」という。　しかし、この対応指針は、都道府県を中心にレセプトオンライン請求完全義務化に関しては会員間に意見の隔たりが大きいことを露呈させ始めているフシもある。もともと、レセプトオンライン請求については、レセコン導入を早期に始め、院内ＩＴ化に対応してきた医療機関からは、請求事務簡素化の観点から審査支払機関との一体となったシステム運営が求められてきた背景があり、日医もオルカシステムの開発などを通じてＩＴ化を進めてきた背景がある。一部の会員には、レセプトオンライン請求完全義務化の反対運動は実質的には意味がなく、対応できない医療機関に対するサポートを強化すればいいとして、路線転換を求める意見も根強い。反対派の根拠には、診療情報の集積化が管理医療につながるとの問題も指摘されるが、推進側は政府は管理医療化に向けてはどんなデータでも用意するに決まっていると反論する。このように、対応指針は医師会内部の意見対立を引き出してしまった感も否定できない。実は、レセプトオンラインの問題だけではなく、こうした会員間の意見集約に苦労するだろうとみられるテーマは少なくない。実質的な認可権限もなくなっていく　今後、大きな論議テーマとなりそうな課題に公益法人改革の問題がある。日医をはじめとする医療団体の多くは社団法人となっているが、これが数年中には公益社団法人か、一般社団法人のどちらかを選択しなければならない。税制面からは当然、公益社団を目指したいところだが、現行の政府指針ではハードルが高く、当面は一般社団でいくしかないとの意見もきかれる。しかし、日医も都道府県医師会も、他の医療団体も行政に代わって地域医療政策の幾つかの実質的な監督や関与権限を持っている例が多い。例えば、母体保護法指定医や、スポーツ医などは、実際には地域医師会の推薦や認定を受けるという仕組みになっている。法人化の選択次第ではこうしたある種の既得権が消える可能性が生まれている。一方でナースプラクティショナーなどの新たな医療職種の認知問題も続発する気配があり、医師会には危機的な要素が山積しているのだ。総選挙後にどちらのセコンドに回っても、これまでのような待遇が用意されているとは、とても考えにくい。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Fri, 31 Jul 2009 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
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            <title><![CDATA[立場強める保険者グループ 日本版マネージドケア時代見越した戦略と警戒]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=44</link>
            <description><![CDATA[　民主党の代表交代が5月半ばに急転直下決まった。小沢元代表が居座れば、来るべき総選挙で政権交代の可能性は薄いとみられていただけに、民主党が「勝つかもしれない」に情勢が変わりはじめているが、一部の医療関係者には医療制度の歴史的転換が近づいているという警戒感や疑心暗鬼も拡大させている。中医協｢支払い側｣スタンスの政策　民主党に対して、日本医師会など医療団体、関係者が警戒を持つのは、単に、「選挙に強い影響を持つ大団体は政権与党ではない政党を支持しない」という、いわゆる旧来型の単純な理屈からではない。民主党は周知のように、旧社会党、民社党などの勢力を飲み込んで成立した過程を持っている。そこで、なぜそうした来歴を持つ民主党に対する警戒感が強いかを分かりやすく考えるためには、医療費の実質的な決定・審議の場である中央社会保険医療協議会（中医協）を想起すればよい。　中医協は、医療費の「支払い側」、医療費を診療報酬として受け取る「診療側」、第三者の立場から両側の調停的立場をとる「公益側」の三者構成である。診療側はかつて、日医、日本歯科医師会、日本薬剤師会の三師会が推薦する委員で占められていたが、現在は場面によっては日医と対峙する病院団体推薦委員も入っている。公益側は、医療経済の専門家である学者や法曹関係者などのいわゆる学識経験者で占められるが、かつてはメディア関係者が入っていたこともある。　問題は支払い側だ。この委員の構成は、経営者団体、労働団体、医療保険者団体で構成される。高度経済成長が続いていた時代までは、医療は社会保障分野という意識が強かったこともあり、支払い側のリーダーシップは労働団体が持っているのが常だった。経済政策では敵対関係にある経営者団体と労働団体は中医協では呉越同舟だ。さらに保険者団体は、医療保険が事業主（経営者）と被保険者である雇用労働者の保険料負担で設営されるため、経営者と労働者の共通の利益を求める団体である。このため、支払い側の間ではあまり意見の開きが少ないという時代が続いてきた。その意味では、政府関係機関の審議会としては、実は珍しい構成ともいえるのである。労働団体の影響下にある保険者　その中医協で、支払い側リーダーシップを長年受け持ってきた労働団体は、旧社会党は総評、旧民社党が同盟という形で強力な政党支持母体でもあった。現在は連合に統一されているが、労働者支持政党が民主党に集約される中で、実質的には中医協での発言権は保険者団体が強める傾向を示してきた。しかし、依然として中医協支払い側として、民主党支持母体の労働団体の影響力は小さいわけではない。保険者団体も当然、労働団体側主張と歩調を合わせることになり、その主張は民主党も無視するわけにはいかない。　中医協での支払い側スタンスは、いうまでもなく医療費の効率的な使用を求めるということになる。つまり医療費は抑制という形で主張の骨格は揺るがないのである。このことは、日医はじめ医療費のパイを増やしたい医療団体と決定的な対立の構図を作る。民主党が政権をとれば、医療政策は中医協でいえば支払い側ペースで進められ、従来の制度維持すら難しくなるという警戒が医療団体に横溢するのは極めて自然の流れなのである。GE企業への戦略にも投影　国内のジェネリック医薬品（ＧＥ）メーカーのリーダーカンパニーを自認する沢井製薬は、先に09年度から3ヶ年の中期経営計画を発表しているが、その中で「ブランド力」強化の方策として、「健保組合等との関係強化」を明らかにしている。　同社幹部は、この発表資料に加えて、健保組合等との関係強化は、「今後、保険者機能が強化されるとの見通しを持った戦略」と説明したと伝えられている。　同社が、「保険者機能の強化」をどのようなレベルで捉えているかは不透明だが、今後の医療政策決定プロセスの中で、保険者の権能が強まるという見通しを持っていることを明らかにしたのはかなり注目される戦略である。　むろん、医療費の抑制効果を狙うには、ＧＥは強い道具であり、現実に大健保組合の一部や地方の国保などではＧＥ使用を求める運動を被保険者に向けて展開しているところもある。ＧＥ企業の戦略は、こうした流れを矮小に捉えた保険者へのブランド浸透戦略という印象を持つかもしれない。実際、そういうレベルでの戦略だと説明されるのがオチだと思えるが、現実には保険者機能が強化される状況を迎えたとき、そうした小さな対応だけで終わるわけがないことは自明だ。　行き着く先は、医療保険制度全体の基調である「出来高払い」方式の終焉であり、本格的な包括払い方式への医療費支払い方式の「大変革」だ。いわゆる「マルメ」が支払い方式の基本になれば、薬価差益はほとんど意味を失う。出来高では意味があった薬価差益だが、包括払いでは薬剤を使用すればするほどコスト増要因となり、差益の存在意義はなくなるのである。そのため、薬剤はなるべく低コストのものを、必要最小限しか使わないという薬物治療が標準化される可能性が強い。ＧＥの存在意義は、社会全体で認知される時代になる。そのための保険者機能の強化への準備という戦略は、意味を持ち注目されるのである。ソフト路線に舵を切ったとしても　最近の中医協をはじめ、医療政策の審議の場で保険者の発言力は極めて大きくなっている。　数年前には、国保保険者サイドから、いわゆる人頭払い方式の検討提案が示され、医療団体の厳しい反発を招いたことは記憶に新しいが、経済状況が逼塞するなかで、より効率的な医療費の分配を求める動きはさらに加速する。そうした中で、民主党政権の誕生は、こと医療政策に関しては中医協支払い側、現在では発言権を増した保険者への配慮を強めるだろうという観測が生まれてくる。　ただ、民主党も昨年あたりから、政権奪取の際にはそうした激しい医療制度改革を行うというスタンスは弱める方向で舵を切り始めている。政権が現実のものとなったときに医療団体との対立構図をそのまま持ち込みたくないという意識もあるが、何より医師会をはじめとする医療団体の支持も取り付けて、目下の総選挙を勝ちたいという意識が透けている。特に、現在の日医執行部に反旗を翻している茨城県医師会などが民主党支持を打ち出していることがその舵を切る背景にもなっている。　しかし民主党が政権を得たときに、医療団体の主張を丸呑みすることも考えにくい。そうした姿勢をとることは、もともとの強力な支持母体である労働団体の認識とはずれを生み、保険者グループとの齟齬を生み出す。ノーマルに考えれば、保険者機能の強化は加速するはずであり、それとともに各種の医療政策の変更が行われる。　前述したように、保険者機能の強化は前提として、現在は入院や慢性期に適用されている包括払い方式への全面的な医療費支払い方式の変更を必要とするだろう。その上で、医療費審査の直接的な介入、ＧＥ使用などの具体的な強制選択、混合診療の導入、薬価政策での参照価格制的な制度導入など、「これまで保険者がやりたかった」ことの制度導入への弾みがつくことを予測させる。レセプトオンラインシステムの義務化は、そうした保険者機能の強化を推進する装置の役目を果たすかもしれないし、直接審査への道筋をつける一歩であるという見方さえできる。　また、保険者個々に目を移せば、特定健診・特定保健指導への対応が今年以降、本格化することが予想される。この成績いかんで、高齢者医療費拠出への加算、減算が行われる予定で、保険者自身が生活習慣病の予防策という観点から地域や職域の保健医療の設計に濃厚に関わらざるを得なくなる。被保険者情報の集積と活用が保険者のノウハウとして構築される効用が生まれるはずで、それは必然的に保険者機能の一層の強化を求める動きに連なってくるはずだ。保険者がやりたいことは何か。米国で進んだマネージドケアというテキストがある。これを日本型で再構築するとみれば、方向性を探るヒントが見えてくるのである。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Sun, 31 May 2009 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[医師不足解消策としての職種機能拡大]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=12793</link>
            <description><![CDATA[職種の養成課程システム化、機会増大を通じて大きなうねりに　3月の半ばに、大分県の大学と病院から出されていた「ナースプラクティショナー（ＮＰ）」の一定の医療行為を認める特区申請について、厚生労働省は看護師のみでの医行為はできないとして「認められない」との結論を示した。医師以外の医療関係職種による医療行為は、医師会を中心に反対の声は強く、こうしたチャレンジがすんなりと認められる可能性は低いが、今後の展開を考えると医師以外の医療職種の業務範囲拡大は、それら職種の養成課程のシステム化、機会の増大を通じて大きなうねりとなることが予感される。背景には切羽詰った感もある医師不足が根底にある。高学歴化、専門化するコメディカル　最近行われた地域ブロックレベルの医師会会合でのこと。医師不足の要因が語られる中で、「最近の医療は1人の患者に複数の医師が治療にあたる。こうした病院医療の流れが医師不足を加速化しているのではないか」という意見が出た。医師不足については、その要因が医師需給を絞りすぎたという時代的要因に見る見方もあれば、女性医師の増加、立ち去り型サボタージュという言葉に代表される開業ラッシュにみる向きもある。原因と結果という観点からみれば同じ視点で語ることは無理な話だが、なぜ医師が臨床の場で減っているのか、正確な原因分析とそれに基づく対応策はまだ練られていないという印象が強い。　先の医師会会合での指摘は1つの見方だが、高齢化で患者数そのものが増えている中で、診る医師が複数になったという視点はいろんな問題を含んでいるようにみえる。医師数は実際には増加しているのは周知のことだが、基礎研究に従事する医師も減っており、研究機能の喪失を危惧する大学の一部には、研究に従事する医師を高待遇する大学も出始めている。つまり、それだけ臨床の現場に出る医師は非常に増えているということになるが、なぜか医師の不足感は解消されない。　指摘に含まれている問題の中で、「複数の医師の1患者への関与」を解消していく方法として、医療職種連携が今後は大きなテーマとなる様相を示し始めている。複数の医師の関与を、1人の医師とそれを取り巻く医療チームで分担していくという考え方だ。チーム医療という考え方や、スキルミックスというアイディアはすでに使い古された言葉のような受け止め方があるが、実は医療現場ではそれほど浸透しているものではない。例えばチーム医療はこれまで、「患者さんの利益のために」という理想論や精神論で引っ張られてきた要素があるが、それを評価する仕組み、あるいはそれを促進するインセンティブの役割としての装置は準備が立ち遅れている。しかし、最近の状況をみるとＮＰの特区構想に象徴されるように、スキルミックスを医療行為の生産的手段として活用するという考え方が急速に進み始めている。その背景には、コメディカル養成の「高品質化」が急速に進みはじめている環境がある。許容できない「ミニドクター」の認知　ＮＰは「高度専門看護師」と訳されているようだが、大分県立看護大学が2008年度から大学院修士課程に養成コースを設置。現在複数の看護師がＮＰを目指しているとされる。特区構想は、この大学院生が初期診療などを研修するため、医師の指導の下に臨床実習すること、そのための指定医療機関を作り、そこで一定の医療活動を行うことを認めよというものである。要点としては、医師不足病院や、無医村のような医療施設不足の地域で、各種文書作成の代行、発熱、嘔吐、下痢といった初期軽医療、生活償還病などの慢性期病患者の継続診療を行おうというものだ。すでに国立病院機構でモデル事業として高度臨床実践看護師養成が行われており、これは病院型ＮＰと呼ばれるが、大分県立看護大学の構想は地域型ＮＰの養成に力点をおいたものとなっている。　海外ではＮＰはすでに制度化されている国も多い。イギリス、米国、韓国などがその代表的な存在として報告例が多いが、米国ではすでにＮＰ資格を持つ人は10万人を超えており、日本人でそうしたキャリアを積んでいる人もあって、その体験記や職務レポートはネットでもかなり見ることができる。　特区申請に関する3月の厚労省見解は、チーム医療の実践や各職種が専門性を発揮する観点から、他の職種でもその職種業務以外での活動が行えるスキルミックスについては検討中とした上で、特区の申請内容は医師の医学的判断と技術で行わなければ危害が想定される医行為が含まれているとして、看護師のみで実施することは認められないと結論している。　一方、日医は、医師と他の医療従事者の役割分担見直しに関して、責任の所在を明確にしないままに、医師不足に名を借りた医行為に踏み込んだ役割分担の論調を先行させるべきではないという。そして、医師養成数の増加とこれに伴う教育の質の担保が最優先されるべき課題だとの認識を強調している。その上でＮＰに関しては、「医療の本質である安全と質の確保に逆行することになりかねず容認できない」との立場を明確にしている。日医としては、医師の業務の代行によっていわば「ミニドクター」は出現することには拒否感が強いことを鮮明にしているといえる。ＮＳＴなどの地域展開が課題　ＮＰについては、日本看護協会もどのようなスタンスで養成を進めていくか、旗幟は鮮明にしていない。看護職の専門性追求、キャリアアップの観点からみれば、あまり否定的になる要素はないといえるが、医師会のミニドクター構想批判には正面から対峙したくはないという姿勢も見え隠れする。看護協会の基本的スタンスは、医師が「診る」で、看護師が「看る」という振り分けで職能確立を目指した経緯があり、ＮＰの推進には「看る」側からのアプローチという理論武装が今後必要になってくる。電子カルテに看護記録が搭載されることが要件化されることはその第一歩になるかもしれない。　ただ、厚労省のいうスキルミックスの考え方は、医療の現場では一部適用に移されている状況はみえる。厳密にスキルミックスといえるかどうかは別にして、ＮＳＴやＰＣＴといったチーム医療における診療報酬上の評価が浸透し始めているのがそのベクトル上にあるといえるし、そうしたスキルのレビューを通じて、在宅や外来医療にどのように展開していくかが今後の課題となり、論議の深まりも期待できる。主導権争いが起こる可能性も　しかし、医師不足を背景にした多職種活用の考え方は「連携」が基礎とならないと、業務の独占性を崩したり、医療のカテゴリーを曖昧化する危険も大きいといえる。医師と看護師の場合は、「診る」と「看る」で一定の論理の確立もみえてくるが、例えば医師と薬剤師の場合は、処方と判断、選択という部分での区分があいまいになる可能性は高い。後発医薬品の使用促進には「代替調剤」の容認が不可欠とされるが、代替の判断を行う薬剤師のスキルが医師と同等まで進んでいる、あるいは同程度とするには、６年制が始まって浅いこともあり、見方は様々だ。また薬剤師は、入院の現場ではＰＣＴの一員ということも要件になった。これにも医師の側からは表立った反発は出ていないが、疼痛治療そのものの考え方が違うことをどう克服するかなどのスタディはまだ出てきていない。　こうした問題をみてくると、医師の業務の支援を通じて医師不足によって起こるいくつかの問題を解決することを正論化する一方で、医師の診療決定権にどのような影響を与えていいのかどうかという議論をまず先にしておく必要があり、そうした議論がＮＰ問題を中心に09年度以降に活発化することが予測できる。　現状のままで、各職種が自らの位置づけだけからの発想で、「医師不足」を梃子に、ばらばらにスキルアップ策を考えていくと、いつかは診療現場で主導権争いが起こるような危惧が消えない。薬物治療も、疾患ごと、病期ステージごとに、医師、看護師、薬剤師の判断が入り乱れると、供給サイドの混乱は非常に大きなものになる。専門性を高めることはそこに統一感と一体感がなければ、船頭多くして山に登ってしまう船を作り出すかもしれない。医師不足問題が、医師以外の職種の業務拡大にどのような影響を与えていくかには、強い関心をもっておく必要がありそうだ。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Thu, 30 Apr 2009 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[総合戦略構築が始まった感染症対策]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=66</link>
            <description><![CDATA[ワクチン開発からジェネリックまでの裾野　グローバル規模での経済環境の悪化は出口が見えにくい状況にあるが、現代の経済危機は医療の世界では感染症への懸念、関心の高さを呼び込むようだ。20世紀前半は、経済危機は戦争という処方せんで凌いできたという歴史を単純に思いつくことができるが、現代では社会防衛、安全保障という観点での感染症の戦略構築が新たな経済対策のひとつとして浮上しかけている。新型インフルエンザへの危機感は、パンデミックという言葉を生み出しているように、人口の爆発的増加と経済力の均一化は、地球を小さくし、感染症の途方もない速度での世界への伝播予測を現実感のあるものにしているからだ。　このところ、臨床現場の医師たちにも感染症への関心は急速に高まる傾向がある。各種のプライマリケア医を対象にした感染症に関するセミナーや勉強会への出席者が急増していることがそれを物語っている。臨床医たちに広がっている不安は、インフルエンザは当然のことだが、例えば麻疹の若い人たちの感染は他人事ではなくなってきているし、治療薬の登場と死亡者の激減で過去のものになりかけていたＨＩＶも再び世界的に感染規模が拡大してきている。肝炎についても、原発性肝がんの要因となっている状況から、医師たちの間での関心の強さは10年前とは比較にならない。　こうした感染症全体への対策の必然は今後、大きな政策課題となることが推定されている。対処は保健衛生的発想から離れて、前述したように社会防衛、国際的な安全保障の宿題になるとの予測が水面下で広がっており、各国に衛生行政の範疇ではなく、国家防衛的な戦略と装備の必要を自覚させ始めている。日本でもここ数年の間には感染症に対する国家的規模での危機管理政策が必要になりそうで、医療関連市場にもその影響は大きく現れることになりそうだ。特に、医薬品を中心とした産業には、ある意味で20世紀前半にみられた兵器産業と同質のニーズが生まれてくる可能性が高い。感染症拡大速度を示したHIV　ＨＩＶは多剤併用療法（ＨＡＡＲＴ）の確立で、今や「急性疾患から慢性疾患となった」という楽観的な考え方が支配的になっている。つまり感染しても死亡率は、この感染症が初めて報告されてから30年ほどの間に劇的に低減した。このため、ＨＡＡＲＴを施していれば死なないということで、疾病そのものへの楽観がこの感染症を軽視する方向に導いている。しかし、日本でも感染者、患者数は増加の一途をたどっているし、米国でも年間６万人近いという新たな感染者の報告が行われている。　ＨＩＶは20世紀後半の感染症の伝播速度をもっとも端的にあらわしている。最初に報告されたのは1980年代初頭だが、そのルーツはアフリカ内陸部だとされている。その伝播の状況をみると、人類の進化を凝縮したような図を専門家は必ず描く。アフリカから中東を経て欧州に至ったルート、それが米国大陸に伸びて最初の感染が確認された。　一方で、中東から南アジアを経て東南アジア、中国に達したＨＩＶがあることも今や常識となっており、中国には欧州・アメリカ大陸ルートの型と、アジアルート型が現在では混在しているといわれる。20世紀後半の人口増と人々の往来の凄まじい速度は、あっという間に地球を東西から征服した形だ。これまでは感染が少ないとみられていたオセアニア地区でも現在は、年間の感染者の伸び率は2ケタ台だとされている。　ＨＡＡＲＴの恩恵にあずかっているのは実は欧米先進国だけといってもよい。アフリカ中央部の諸国では、ＨＩＶ感染者は人口の3割を占める地域があると報告されているが、そこにはまだＨＡＡＲＴの浸透は十分ではなく、成壮年期のエイズ発症から死亡に至る。　このため生産年齢人口が細り、国の健康な人口ピラミッドを作れない地域が出てきている。パンデミックの推論は多岐にわたるが　新型インフルエンザウィルスによる世界的な大流行をパンデミック・インフルエンザというが、このパンデミックという言葉は、やや誤解を受けたまま社会に流通してはいる。インフルエンザのパンデミックは1968年に流行した香港型が有名だが、これは季節型インフルエンザで死亡者数はそれほど多くはなかった。　特に日本では流行規模は、国際比較上ではそれほど大きくはなく、それだけに臨床現場での記憶も消えかかっている。　しかし、Ｈ１Ｎ５型といういわゆる強毒性の鳥インフルエンザがヒト間での感染が始まると、季節型ではないということもあって、その流行規模は香港型の比ではないというのが定説だ。またその感染速度も非常に速いと予測されている。特にＨ５Ｎ１に対する危機感は、一部の専門家が示した感染すると致死率は６割に達するという予測が根拠となっているが、多くの専門家はこの説には同意していない。しかし、かかった場合の症状は一般的なインフルエンザより重いということでは一致している。　1968年の香港型によるパンデミックがあまり人々の記憶に残っていないのは、当時は高齢化率が高くなく、社会全体の世代が若かったからだという見方もある。しかし、気をつけなければならないのは、これまで報告されたインドネシアなどでのＨ５Ｎ１型のケースでの感染死亡者が若年者に多いことだ。むろん高齢者の死亡例も報告はあるが、死者の割合は圧倒的に若年者に多い。また同年代でも同居している家族間で感染がない事例も多く、遺伝子多型の研究が必要との指摘も行われている。しかし、インドネシアのケースでは致死率は高い。新型インフルエンザによるパンデミックはそれほど怖くはないという根拠もまたないし、それを強調するのも非科学的だ。戦略の価値を示したウィルス性肝炎対策　国内ではもっとも感染者が多いとみられているのがウィルス性肝炎だ。感染者数はＢ型肝炎で150万人、Ｃ型肝炎で200万人と推定されている。ウィルス性肝炎は原発性肝がんの大きな要因といわれており、国は07年度からがん対策の観点から検査体制の強化を進めている。07年度には保健所での無料検査を開始したほか、08年度には委託医療機関での検査体制の充実もはかっている。さらに、Ｂ肝、Ｃ肝へのインターフェロン治療に関する医療費助成制度も発進させている。　ウィルス肝炎対策で関心をもっておきたいのは、このような広範囲の感染症対策が検査→治療という体系を形成すれば、政策としてきわめて価値が高いという判断が生まれていることである。感染者を早期に発見し、早期治療の体制が整えば医療費上のメリットも高く、そのことが感染自体を抑制して社会防衛上の価値は大きい。一方で、対策が後手にまわったことで、若い人たちの間にしばしば局地的な流行を作っている麻疹は、臨床現場を困惑させている。国はようやく中学生、高校生のワクチン接種の取り組みを本格化させたが、成年になってからの麻疹の症状は意外に重く、まだ、安心できるレベルには達していない。麻疹から国は何かを学ぶはずである。危機管理としての政策統合の必要　インターフェロン治療の医療費助成もそうだが、感染症対策に対する国の政策は「規模を小さく、症状を軽く抑える」という方向にシフトが始まっている。こうした方向をさらに加速させるのはパンデミック対策になる。インフルエンザの抗ウィルス薬に対する備蓄の積極性は、感染症対策が医療経済的にも、あるいは治安を含めた社会防衛対策としても必然性が高いという価値観を政策側に生んでいることを意味している。ここ数年のうちに感染症対策は、こうした社会科学的なエビデンスを確立して、危機管理としての政策的構造を伴うことは確実だ。具体的には、総合的な感染症対策の立法準備、国際的対策も視野に入れた統合組織の編成なども検討が始まるだろう。　一方で、医薬品市場に要請されるのは、抗ウィルス薬、診断マーカー、ワクチンなどの積極的な開発だ。抗ウィルス薬の備蓄機運の高まりは、この領域のビジネスチャンスが大きいことを気づかせた。ワクチン開発にも、ワクチン専業メーカーだけの専売特許という従来型のスタンスから、医薬品企業全体にその期待が高まる。　また国際的視野からは、ＨＡＡＲＴのジェネリック開発も大きなテーマだ。途上国のＨＩＶ対策に支援的な開発を促すことは、翻って自国の安全保障につながることは、小さくなった地球の状況を考えれば当然の戦略なのである。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Tue, 31 Mar 2009 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
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            <title><![CDATA[自治体病院の選択が市場メカニズムを変える]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=95</link>
            <description><![CDATA[地域医療市場惑わす公立病院改革　自治体病院の選択が市場メカニズムを変える　2007年12月に発表された公立病院改革ガイドラインが、地方自治体の財政悪化の顕在化とともに、急速に対応が現実のものとなる自治体が増えてきた。自治体病院の存立は多くが地方における地域医療の中核をなすものであり、地域住民はもとより、地域の医療構造・市場への微妙なバランスを作っている。今の動きは、単なる病院Ｍ＆Ａの一環のようにみえる場合もあり、経営者や経営母体が変わるだけという印象が強いかもしれないが、ガイドライン対応次第では、病院自体が消滅するケース、縮小するケース、機能の大幅な変更を伴うケースがほとんどであり、地域の患者の流動性、また診療傾向の濃淡を変えてしまう可能性も大きいのである。経営悪化に弾みをつけた医師不足　公立病院改革ガイドラインは、07年６月に成立した自治体財政健全化法に基づき、自治体財政の赤字の大きな要因となっている、自治体病院の健全経営化策の方向を示すものとして策定された。　周知のように自治体財政健全化法の制定の引き金となったのは、北海道・夕張市の財政破綻。夕張のケースも市立病院の構造的な赤字体質が大きく足を引っ張っていたが、現在総務省が把握している危険信号のついた自治体約160のうち３分の１を占める53自治体が、赤字の主因が病院運営だと指摘されている。その上で新医師臨床研修制度の導入で顕在化した医師不足が自治体病院にも波及し、医師不足→診療報酬収入の減少→経営悪化という悪循環に陥り、経営悪化が進行している自治体病院はガイドライン以降も増え続けていることが推測されている。　公立病院改革ガイドラインでは、改革プランを実行しなければならないケースの様々な前提要因や指数、収支計画などの標準的指標を示しているが、ここではその詳細な説明は省く。要は一定の水準をクリアできない自治体病院は経営形態を変更するよう求めているのが、ガイドラインの主目的である。　経営形態の変更については、選択肢として４つの手法を示しており、自治体はこれを教科書に、その中から１つを選ぶというのが流れとなっている。　第１は地方公営企業法の全部適用（全適）。これは病院事業に対し、病院事業管理者に全ての権限を付与しより自立的な経営を促す。ただし、設立者が自治体の長であることに変わりはなく、実際には自治体側の関与を受けやすく経営の自由度という観点からは思い切った成果は得られにくい、と指摘されている。　第２は、非公務員型の地方独立行政法人化、いわゆる独法化である。予算、財務、契約、職員定数、人事など全てで自立的・弾力的な運用が可能だが、自治体からの独立性に関しては人事の押し付け、天下り先としての存在などで、特に職員の意識改革効果は低いとの指摘もある。　第３は、指定管理者制度の導入だ。同制度は既に07年以前から地方自治法上は公的施設の管理は民間に委託するなど、規制緩和が行われてはいる。民間経営手法の導入としては最も改革プロセスが簡単で効果も高い、といわれている。日赤など公的病院や、民間病院、大学病院などに経営を委託するという考え方であり、「公設民営」という見方をすれば理解が早い。　一方、その指定管理者制度よりも思い切った手法が第４の「民間譲渡」である。自治体にとっては財政的側面から民間譲渡がもっとも効果があることは当然だが、譲渡金額はむろん、譲渡後の地域医療のあり方について、住民や患者に不安を与えないことの担保、地域医師会との関係確保など譲渡契約に至るには様々なハードルがある。指定管理者制度と民間上との選択の流れ　最近では全適を採用する流れは少なく、独法化も職員の意識改革効果に疑問符がついている状況から見送られるケースが多い。残るのは指定管理者制度と民間譲渡だが、ガイドラインの早期適用を促すという点では、指定管理者制度を導入する自治体が増えている状況だ。指定管理者制度は、経営が自治体から民間を含めた他法人に代わるが、病院そのものは残ることが前提になっている。　さしあたって当該地域から病院がなくなってしまうという不安は地域にはない。一方、民間譲渡は、自治体に一切の財政負担は残らず、自治体の医療行政の大きな足かせが外れるというメリットは大きい。しかし、譲渡先の民間病院が、自治体病院が提供し続けていた医療機能を継続する保証はない。経営改善が図れない場合は閉院も簡単に行えるということになる。経営優先で地域医療は揺れる　こうした公立病院改革ガイドラインという存在が、07年に出現して以降、自治体病院の多くが指定管理者制度の導入に踏み切っているほか、一部では民間譲渡の決定も表れ始めている。　指定管理者制度は事実上、病院の民営化だ。このため、診療報酬を軸とする医療制度改革の動向しだいで、病院の対応は変化を余儀なくされる。民間譲渡はその延長線上にあり、自治体病院の改革ガイドラインは事実上、「民営化」を本筋に展開が続いていくという理解をしておいたほうがよいのである。　最近のトピックスでは、千葉県銚子市が銚子市立病院を閉院する方向を打ち出し、これに反対する住民グループが市長リコール運動を起し、リコール投票が認められる展開だということが報じられている。　このケースの報道を断片的にみると、構造的な赤字経営状態だった市立病院の存続を約した市長が、その公約を反故にし閉院方針を打ち出したことで政争化した経緯があると説明されている。しかし、当該の市長はガイドラインに基づいて指定管理者なり、民間譲渡を模索し、病院を残す方途に苦しんだことも事実だったようだ。銚子病院はある私大の医師派遣などで支援を受けていた。昨今の医師不足で、この大学が医師派遣を引き上げ、事態は急速に悪化した。指定管理者から譲渡を打診された千葉県内の大手民間病院も、経営状態が悪すぎるとして、銚子市のオファーを断ったという報道も伝わっている。こうしてみると、自治体病院の「民営化」選択も既に旬の時期は過ぎているという印象すら伝わってくる。民営化にブレーキ求める声も出始め・・・　地域の政争に至ったケースでは、佐賀県の武雄市の例がある。武雄市は昨年、135床の武雄市民病院を福岡県の民間病院に譲渡する決定を行った。これをめぐって医師会や、市民グループから反対運動が起こり、結局は昨年12月に市長が辞職し病院問題だけを争点にした選挙が行われるという事態になった。選挙は結局、現職市長が勝ち、病院の民間譲渡は本決まりとなったが、地元では県外の民間病院進出に強いアレルギーが残っている。それまで市立病院に医師を派遣してきた地元大学は実質派遣を中止したし、その大学の影響力の強い地域医師会には連携体制の維持に対する不安は払拭されていない。地元大学の医師派遣への影響に関しては、富山県の氷見市民病院でも、指定管理者が隣県の私立医大に変わったことで、富山大学との関係が怪しくなった。　武雄市の例は、佐賀県知事、武雄市長がともに総務省出身で、自治体財政健全化法に関する認識が強かったことが、一気に民間譲渡まで進めたとする指摘もある。地元では、ガイドライン選択の全国モデルケースを目指したという分析もあるようだが、そうだとすれば、総務省の最後の目標は自治体病院の民営化でしかない。　こうした動きは、そもそも医療費削減策、医師不足などの要因が循環的に自治体病院財政を悪化させたのであり、実際の要因は国であって、自治体直営の病院が地域医療の要となる必要は小さくはないという主張の頭をもたげさせ始めている。また、指定管理者制度のような実質的な民営化や民間譲渡の先には、実はむき出しの経営優先策が地域住民と患者を待ち構えているという指摘もある。病院経営が、急性期医療体制に向わなければ改善できないという状況下では、不採算医療の切捨て、DPC採用、患者１人当たり診療単価の引き上げという「経営努力」は必須となる。地域への雇用への影響を不安視する声もあるほか、地方では「病院を持つ金は要らなくなったが、国保財政はとたんに苦しくなった」という状況が生まれてくる可能性も大きい。自治体病院の改革ガイドラインを背景にした民営化の流れは、当該地域の医療費構造に強いインパクトを与えること、それが医療資源の流通にも大きな影響を与えることに理解が必要なのである。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Sat, 28 Feb 2009 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[火種増大するレセプトオンラインシステム]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=119</link>
            <description><![CDATA[８％の診療所が廃院も視野　一部の400床以上の病院ではすでに始まっているレセプトのオンライン請求システムが、中小病院、診療所を含めて、2010年４月から義務化に向けた本格的な体制づくりに入る。基本的には現在、レセコンで請求している診療所は10年４月からオンライン請求が義務づけられる。レセコンを使わず手書きの紙レセプトで請求している医療機関も、原則的に11年４月から実施されるスケジュールが決まっており、いわば完全義務化までは残りは２年というタイミングとなってきた（ただし、紙レセプト請求月100件以下、年間1200件以下の医療機関は13年３月までの猶予期間が設けられている）。　レセコンの普及率と診療の電子化の状況からみて、400床以上の病院などでは影響は少なく、オンライン請求は時代の流れに沿ったものといえるが、IT化投資が遅れている診療所の一部にはこの問題は深刻な影響を与えている。昨年７月に日本医師会が発表したオンライン請求義務化への対応に関するアンケート調査では、回答医療機関の8.6％が「対応できないため廃院を考えている」との考えを明らかにしている。廃院を考えるのは大半が診療所であり、そのうちの６割近くは70歳以上の高齢医師が開業する診療所である。高齢化でIT化への意欲が低いこと、診療継続に対する意欲も低いことは容易に類推できるが、地域によっては地域医療体制がこうした高齢医師によって支えられているところは少なくない。日医調査では地域別データは示されていないが、過疎地などでの診療所は「廃院」を考えるウエイトはもっと高いことが想定される。オンライン請求の義務化が診療所の医師確保にも強い影響をもたらすという日医などの反対は、こうした危機感に拠っている。　昨年10月の日医代議員会で、日医執行部は「オンライン請求の完全義務化は、地域医療の崩壊につながる重大な問題」との認識をあらためて確認、「完全義務化は撤廃し、（オンライン請求は）あくまで手挙げ方式で進める」との主張を引き続き継続する方針を明らかにした。また、手挙げ方式の主張が不調に終わり、スケジュールがそのまま進行していくケースを想定して、代行入力への財政支援、猶予対象となる医療機関のレセプト年間1200件以下の要件緩和、代行請求業務の改善などをはかる考えも示した。　レセプトオンライン請求の完全義務化は、対応できない診療所の廃院を促す可能性が大きいという問題と同時に、オンライン請求の費用対効果が医療機関サイドに見えにくいことが医療側の不信を増幅している。単純にいえば、オンライン請求義務化に対応するためIT関連のインフラ整備や人材の確保は医療機関の負担であるにもかかわらず、その効果は審査支払機関や保険者にしか見えないことがある。医療費を抑制する根拠データの集積に使われるという漠然とした不信感に加え、オンライン請求による医療請求事務量節減のリターンが診療報酬上でどう評価されるのかも不透明だ。これまでの政府側説明では、オンライン請求の完全実施によって、診療報酬の支払い期間が短縮されるなどのメリットが示されているが、その具体性・実体性については不透明なままだ。一連の小泉改革の流れへの反発も　レセプトオンラインシステムの考え方が最初に登場したのは05年10月。厚労省が発表した「医療制度構造改革試案」で、「医療保険事務全体の効率化を図るため、医療保険機関、審査支払機関、保険者というレセプトの流れが、オンラインを含め一貫してペーパーレスで行われる仕組みづくりを目指す」と記載されたことからスタートした。その後、同年12月の政府・与党医療改革協議会が出した「医療制度改革大綱」で、「レセプトについては06年度からオンライン化を進め、11年度当初から原則としてすべてのレセプトがオンラインで提出されるものとする。その際、データ分析が可能となるよう取り組む」ことが決定され、義務化の流れがこのとき明確に示された。　その後、政府のIT新改革戦略などでもこの方向性が明確化され、06年３月の「規制改革・民間開放推進３か年計画」の閣議決定で、オンライン請求義務化が相当な強制力を持って11年から実施される方針が決まった。強制力としては、「法令によって既定し、オンライン請求以外によるレセプト提出については、請求を受け付けない、追加費用を徴収する、支払い期日を遅くすることなどを適用する」としており、受け取り方によっては紙レセプトによる請求では診療報酬を払わないという意思表示すら行われているのである。これを受ける形で06年４月に診療報酬請求省令の一部改正が行われ、11年４月以降のオンライン請求限定、月間レセプト100件以下の場合の猶予期間設定などが法制化された。　また07年６月、骨太の方針2007を受ける形で示された閣議決定「規制改革推進３か年計画」では、あらためてオンライン請求完全実施が明記され、政府の強い導入貫徹意欲が強調された。それまでの一連の流れの中では、代行請求に関するシステム検討、医療機関へのインフラ支援策などが具体化しなければ、政府の示すスケジュールのずれ込みは必至との見方もあったが、医療サイドへのインパクトとしては、この07年の閣議決定が非常に大きなものとなった。今に至っても、このときの方針から政府側の対応にはブレがない。オンライン請求できなければ支払わない　日医をはじめ、医療側が指摘するレセプトオンライン請求の義務化に関する問題点を整理すると、①医療関連のデータをほぼすべて行政や保険者が一元管理する途が開かれるため、診療内容の規制を強め、給付の中身を抑制する手法開発が容易になる②特に診療報酬の包括化が進展し、医師の裁量権が狭められる③オンライン請求に対応できない医療機関には何らかのペナルティがかけられる可能性が高くなる。特に支払いの遅延や拒否が現実化すると地域医療運営にも支障を来たしかねない④情報のセキュリティに関する保護措置への言及、対処についての論議が十分ではない⑤医療機関のインフラ整備に関する負担問題への対応、支援の内容が十分に示されていない─を挙げることができる。　日医はこれまで、こうした問題点を指摘しつつ、手挙げ方式を認めながら移行すること、IT化に対応できない医療機関への配慮を具体化するよう求めているほか、前述の少数該当要件（1200件）を３倍程度に緩和することなどを要請している。あり得るか政府の「政治的譲歩」　レセプトオンライン請求の義務化問題がここにきて大きな火種となりそうな気配があるのは、まず社会保障費の伸びの抑制として示されてきた2200億円の問題が国民世論の後押しもあって、消えそうな情勢にあることが挙げられる。それに加えて、医師不足問題を端緒にした医療崩壊の問題に関連し、診療所を中心にしたプライマリーケアでの医師不足問題も招来しかねないことをアピールして、進展している医療抑制政策にブレーキをかける政策的戦略として有力なツールになるとの医療側の判断が働いている。前述したように、８％を超える診療所がこの問題を契機として廃院を視野に入れていることは、日医の戦略以上に、過疎地を中心とした地域医療の確保という観点からは重大な問題を包含していることは間違いない。医療側主張に一定の根拠があり、小泉政権時代の改革路線そのものに批判が集まっている状況下では、レセプトオンライン請求の義務化は今後、政治問題化する可能性は高まっている。　昨年11月には、民主党の参院議員がこの問題に関する質問趣意書を提出、政府が答弁書をまとめているが、この段階では政府側の対応に特別の変化はない。質問はまさに性急な義務化は地域医療の崩壊を促進させるとのスタンスで行われているが、政府は十分な準備期間を設定したこと、レセコンを持たない医療機関には猶予期間を設けること、代行請求を認めること、さらに09年度予算で26億円の支援整備予算を計上していることなどを挙げて、スケジュールどおりの体制作りに無理はないと反論している。この答弁書でも実態としてはレセコンの普及率はかなり高いことが強調されているが、日医はレセコンで請求されないレセプト件数は全体の2.9％程度であり、この程度の「例外」すら認めない政府側の頑な姿勢にも批判を強めている。　この問題は、メリットがあるのは「支払い側」、デメリットは「診療側」で、デメリットのある側が整備負担するという矛盾もはらむ。今後の中医協などでの双方の戦略構築でも、大きなハードルとして論議の行方に関心がもたれる。特に政府側の「政治的譲歩」がどのような形で表現されるのかにも関心が集まる。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Sat, 31 Jan 2009 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[2009年は本格的財政論議待ったなし]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=12407</link>
            <description><![CDATA[消費税引き上げに舵を切る年に　この原稿を書いているのは2008年12月の初めである。現時点では、政局も医療関連の各制度の行方も、どんな状況の下に年が明けているのか予想がつかない。各世論調査で麻生太郎首相の支持率が急速に下がる中で、与党の中からも公然と大連立をテーマにした選挙管理内閣の組閣、早期解散の声が出始めていることは、政権末期というより政権構造の再編に向けた前夜という印象すらする。介護報酬３％引き上げは決まったが　08年秋から12月初めにかけて、医療関連のトピックスは山のようにある。現状でこれを整理して語るのは、引越し先も決まらないのに荷物をまとめ始めるのに似ている。引越し先が現状の家より広いのか狭いのか、都心部になるのか地方になるのか、家賃は上がるのか下がるのか、治安はいいのか悪いのか。　それでも乱雑なままに、いくつかの動きをメモしてみよう。まず早々に決着がついたとみなすことができるのが介護報酬だ。政府が08年10月末にまとめた追加経済対策で3.0％の引き上げが打ち出された。これによって3.0％引き上げが既定事実化したようにみえるが、実際には介護報酬引き上げは介護職員の待遇改善を基本目的に９月頃から既定路線化していた。　しかしこの3.0％は、介護職員の人件費を２万円程度引き上げることが根拠となっているが、実際職員の賃金引き上げに相当するのかどうかという論議が不足していることに加えて、全体のサービスを眺めた上での改定率として妥当かどうかも問われている。特に追加経済対策という政府主導で決められ、社会保障審議会・介護給付費分科会の頭越しに論議が進んだ経緯に関しても批判が大きく、簡単に収まるとも思えない。吹き飛んだ？　２２００億円削減目標　一定の道筋が立ったという意味では、論議の余地があるとはいえ、まだ介護報酬は先行きの見通しは立ちやすい。しかし、09年度予算のシーリングや、例の社会保障費自然増2200億円の抑制問題も悩ましい展開になっている。財政制度等審議会（財務省）は11月末に09年度予算編成に関する建議を中川昭一財務相に提出しているが、11年度までの基礎的財政収支の黒字化目標に関して、従来の「目標を堅持する」から「取り組みを怠ってはならない」にトーンダウンさせた。06年度の「骨太の方針」に盛り込まれた、2200億円削減は継続するとしたものの、何が何でも守らなければならないという印象は薄れた。その前の追加経済対策が医療を含めた「生活」に重点が当てられた以上、実際には2200億円削減のシバリは吹き飛んだという与党内グループもある。　この2200億円分の補填について、有力視されていた雇用保険財源にも暗雲が漂う。リーマン・ブラザーズの破綻以来、国際的な金融不安の中で、国内雇用情勢も一挙に悪化に向かっている。そうした中で、労働者のセーフティネットともいえる雇用保険制度はその拡大を図る論議が今後巻き起こることは当然の流れ。雇用保険財源を2200億円のカタに使うなどという発想が賛成を得られるわけがない。舛添要一厚労相も、少なくとも12月初め時点では強い否定意見を語っている。　その半面で急浮上しているのはタバコ税の引き上げ問題だが、税収見込みに関する考えに両論があること、生産農家や企業擁護の観点から反対の声も少なくなく、展開は流動的。　医療問題に関しては、単に医療費問題だけでなく、医師不足を根本要因とする地域医療の破綻も課題となっていることは周知のとおりで、これに関しては11月以降、麻生首相のいくつかの「失言」が輪をかけてしまった印象が強い。医療に関する本質的な理解が欠如していることを露呈してしまった宰相に対しては、少なくとも医療関係者の信頼が戻ることはない。「健康な人間が何で払ってやらなければならないんだ」という失言は、医療保険制度の根幹を理解していない点で致命的である。当面の課題は消費税しかない　こうした状況を踏まえた上で、09年以降、医療をめぐる政策論議は財源負担を中心にきわめて実態的で厳しくなることが予想される。政局、政治体制をめぐる混乱を乗り越え、新たに発進する体制は、医療費を含めた社会保障政策論議を避けることはできないし、また国民におもねった対症療法的な政策提起にも厳しい評価しか得られなくなる。定額給付金に対する厳しい世論は、国民が新たな財政の仕組みづくりを根本から考え直すべきだとのモチベーションを生み始めていることを実感させる。　当面、最初の論議となるのは消費税でしかありえない。表は主要OECD諸国の医療費対GDP比率の順位、数値が公表されている国の現状の高齢化率と2030年の65歳以上の高齢化率、現在の国民負担率と社会保障負担、消費税率を示したものだ。一見して分かるのは、20％を超える日本の高齢化率はすでに世界最先端だが、その割に対GDP国民医療費はOECD諸国中で21番目という低さである。日本医師会なども盛んに宣伝しているが、少ない医療費で高水準の医療を提供し、平均寿命の世界一を達成しているという主張の有力な根拠だ。　しかし、考え方を変えれば、医療費にカネをかけなくてもやってこれた、医療費に関してはここまでぎりぎりの節約をしてきたということができる。国民負担率をみると、日本は米国よりウエートが高いが、欧州先進国と比べると低い。米国の場合は企業の社会保障負担が大きく、実質負担は自由主義経済の下で世界でもっとも高いはずである。実際、世界の医薬品売上高は北米で約５割の市場をとるという実態はそれを裏付ける。躊躇すべき時期は去った　消費税の動向をみると、欧州の先進国ではすでに大多数の国が消費税率10％を大きく超えていることがわかる。デンマーク、スウェーデン、ノルウェーといった北欧諸国は24〜25％、イギリス、フランス、ドイツ、オランダ、イタリア、アイルランドといった国々も20％内外の水準に達している。５％という水準は日本と米国程度で、消費税と国民負担率は一定のパラレルな関係にあることもみてとれる。　また、消費税に関してみれば、デンマークを除いて、食品には一般消費税率の３分の１から半分程度という弱者救済的な政策がとられている。消費税の弱点である逆進性を少しでもカバーしようという動きがみえる。消費税導入論議が本格化すれば、この逆進性に対する影響評価が日本でも大きな政策課題になると思われるが、まだ論議そのものがその水準に達していない。　与党税調等では、消費税を福祉目的税化した場合、単年度社会保障財源12.8兆円が必要になるが、現状でも消費税国庫収入は総税収13.8兆円のうち地方分を除く7.5兆円と試算されている。必要な不足分5.3兆円を調達し、その後の高齢化に伴う自然増を考え合わせると徐々に３〜５％ずつの引き上げを実施し、15年度頃までに消費税15％程度は必要という推論が出されているときく。　早くこうした論議を社会化する必要に迫られている。政局の混乱が長期化すれば、その分先を見据えた政策論議は遠のき、医療についてはいたずらに混乱と疲弊のみが拡大する09年になることも覚悟すべきかもしれない。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Wed, 31 Dec 2008 00:00:00 +0900</pubDate>
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            <title><![CDATA[再燃してきた「5分ルール」問題]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=12432</link>
            <description><![CDATA[宙に浮き始めた１０００億円が４００億円を取り戻すか…　2008年４月の診療報酬改定で、「意義付け」の見直しが行われた外来管理加算に対する再見直し要求が強まる気配だ。昨秋の中医協での診療報酬改定論議で、診療所再診料の引き下げが焦点となったのは周知の通りだが、この論議の経緯からみて、再診料据え置きの身代わりである「外来管理加算５分ルール」の導入は、日本医師会最大の妥協の産物だっただけに、日医の巻き返しの象徴として浮上しかけている。改定かルール廃止かの論議に　外来管理加算の問題については、このコラム４月号で解説しているので、意義付けの具体的見直しの内容は説明を省く。ここではその後浮上してきた外来管理加算の５分ルール導入に関して、いくつかの課題意識、論議の焦点を整理してみる。　第１は４月の診療報酬改定以後の診療所経営に与えた影響だ。経営問題は、実際的な医業収益への影響もあるし、外来受診の質確保に本当に効果があったかどうかの検証の問題も含まれる。個々の診療所の対応が二分する状況も生まれている。　第２は、前述の問題とも関連するが、今回の外来管理加算見直しに際して点数算定の合理化の一方で、「丁寧な診察」を求めた矛盾の問題。診療報酬で初めてといってよい「時間のシバリ」を前提にした評価体系導入の整合性も絡んでくる。　第３は、そもそもこの見直し自体が、診療所から病院へ医療費財源を移転する400億円を捻出するための妥協の産物だったことである。日医は再診料の引き下げを阻止することに成功はしたが、結果的に外来管理加算の見直しをしぶしぶ受け入れることで、４月改定が決着した。ところが政局の動きと重なって、奇妙な事態が起こりかけている。保険者との「痛み分け」的な決着だった財源負担のあり方が、日医の一方的な「負担」の形になりかけている。　中医協は、来年から薬価算定方式見直しの本格的な論議入りを予定している。その前にどうやら外来管理加算が2010年春の改定を待たず、改定か撤廃の論議に入るかもしれない。その意味では、第１と第２の問題は本質的に日医側の従来主張を敷衍するものだが、政治的衝突の契機としては第３の課題が大きい。マイナス改定インパクト強めた外来管理加算　４月改定の医業経営への影響、とりわけ診療所への改定影響は医療費自然増の要素を除くと実際にマイナス改定となったことは否めない。改定自体、医療費ベースではプラスだったが、薬価、医療材料の引き下げを含めると実質は0.82％のマイナス改定だった。　医師不足を要因とする病院経営に厚めに改定することで合意したとはいえ、このしわ寄せは診療所に偏るとの見通しがあったのは確かだが、最近の日医の主張はマイナス改定影響の主な要因が外来管理加算にあるとの見解を強めている。現実には、日医執行部は診療報酬改定内容が発表された当時、この外来管理加算の妥協で会員から厳しい批判を浴びた。懸案であった再診料引き下げを阻止したにもかかわらず、後述する「時間制限」というテーマを受け入れたことは、日医全体の政治力の低下を印象付けたともいえた。　日医は８月に４〜６月分を対象にした「08年度緊急レセプト調査」を公表しているが、これによると総点数で病院は0.68％の増収を確保し、診療所は1.85％減収となっている。自然増を織り込むと病院、診療所ともにマイナス改定といえるが、この主な要因は外来の減少である。外来患者数は病院3.01％減、診療所2.64％減。病院の減り方が大きくみえるが、診療報酬そのものが病院の外来逓減化策が維持されていることを考えれば、診療所の影響の方が実質的だ。　実際、同期の厚労省の医療費速報であるMEDIASでは、医科入院は2.0％増に対し、入院外は0.2％増にとどまっている。歯科は3.4％増、調剤6.2％増と比べても伸び率の低さは際立ち、現実には外来管理加算を算定できないことが影響していると類推できる。　特に調剤が伸びているのは、病院の院外処方せんが伸びていること、院外に処方せんを出していない診療所が、いわゆる「お薬受診」患者に対して、５分間ルールを適用できていないという推定を成り立たせる。加速している外来の受診抑制　こうした状況分析は、地方医師会でも徐々に表面化し始めている。札幌市医師会は、外来管理加算ではなく、医療費に対する患者の警戒心が高じて受診抑制が起きているとの観点から、アンケート調査による４〜７月の外来受診延べ日数の前年比をデータとしてまとめている。それによると、病院の外来日数は平均で3.4％減、１病院１ヵ月当たりの外来患者数は114.5人の減となった。　一方、有床診療所は3.7％減、77.1人の減。無床診療所は2.1％減、26.0人減となっている。病院の方が影響は大きいようにみえるが、収益の点からみれば診療所の減のほうがインパクトは大きい。実際、無床診療所はマイナスをカウントした施設が全体の60％に達し、その60％だけの平均をみると外来日数減の幅は8.6％に広がっている。これから読み取れることは、外来診療自体が受診抑制時代に入り、その受診抑制下で外来管理加算を算定できない診療所が多く存在しているということだ。　外来受診抑制は、札幌市医師会の調査でも夜間急病センター患者が10％程度減っていることがわかっているほか、関西地区の小児科救急外来の患者数も減少が著しく、全体に大きな流れを作っている。　余談になるが、こうした抑制のバネとしては、高齢者の医療費負担の警戒に加えて、小児科に象徴されるように医師不足に関するメディア報道が、その一因をいわゆる「コンビニ受診」の弊害に求める「アナウンス効果」だという分析も有力になりつつある。このメディア報道の「ブレ」も今後の医療市場を観測する上で軽視はできなくなっている。誘導される「お薬受診」　地方医師会を中心にして、こうした実態的な収益への影響が明るみになると同時に、外来管理加算５分ルールに対する反発は再燃した。反発の焦点はむろん「５分ルールの時間による意義付けは早期に廃止すべきだ」という主張に集約される。その論拠も示しておこう。　中医協の診療報酬改定結果検証部会で日医サイドは、外来管理加算に関していわゆる「お薬受診」対応問題、医師の責任問題という２点の課題を提示している。前者に関しては「お薬受診は、外来管理加算（５分ルール）によって負担が増えることを懸念した患者が、診察を回避する行動を誘導されて増大する」というもの。また後者は、「結果的に外来管理加算を採用するか、しないか、両方の診療報酬が成立することになり、医師の診療責任があいまい」という趣旨であり、いずれも導入にあたって中医協論議が不十分だったという指摘だ。　もともと医療の質を時間で評価することは、どのような意味での技術フィーなのかもあいまいな話で、これを突き詰めるとまた再診料の課題に戻る可能性もある。政管健保支援特例法の行方が焦点　ただ、日医には現状では外来管理加算の意義付けを見直すことは緊急の要件になりつつある。地方の不満がくすぶっているということもあるが、この導入が妥協の産物だったということが、日医の見直し論を勢いづかせる状況だ。その背景にあるのが、健保連の1000億円負担問題。　前述したように再診料の引き下げで膠着した中医協論議、いわゆる400億円移転財源問題が、公益側委員の裁定で外来管理加算の意義付け（５分ルール）で合意された経緯は周知のことだ。このとき、当時の政管健保の国庫負担削減問題に関して、健保組合などが1000億円を負担することが決まり、支払い側がこれを根拠に診療側も「血を流すべきだ」という主張が行われていた。健保組合が政管健保を支援するのだから、医師会は病院を支援するために、応分の負担をすべきだという論理だ。　ところが、解散含みで迅速国会運営に前向きだった民主党が、解散なしが支配的となった現状で姿勢が変わり、政管健保支援の特例法成立が困難となってきた。法が成立しなければ健保組合の1000億円負担は消滅する。日医には前倒しで外来管理加算５分ルール廃止を主張する根拠が生まれたのである。　ただ、この問題、ここまで述べてきたように現状の外来受診抑制の直接的な要因とはいえない側面もある。現状で５分ルールが消えて、診療所経営に大きなプラスが生まれるとの検証もできていない。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Sun, 30 Nov 2008 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[シナリオができた家庭医、総合医の制度化]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=12453</link>
            <description><![CDATA[日医の「認定制度」協議会が意味するもの　世界的な金融経済の混乱と、政局の不透明感が混在していて、社会保障政策の行方が見通しづらい。舛添要一厚労相が９月末に独自の後期高齢者改定案を示すなど、政局を意識した暴走気味の政策提示も図られているが、政権が移るかもしれない状況を抱えるなかでは、もとより説得力のあるものとは言いがたい。　このページでも触れてきたが、今年から来年への最大のテーマは「介護報酬改定」である。介護者の処遇改善と人材確保のためには、大幅な介護報酬引き上げは必至だが、そのための財源確保には大幅な介護保険料の引き上げ、消費税の引き上げが避けられない政治課題。選挙が控えている現状では、短期的で最大のテーマも本格論議には気分が重い。　そういうこともあり、当面の課題については次回以降に譲り、今回は2010年以降に浮上してきそうな「家庭医」の問題を取り上げてみよう。市場構造を変えるGP制度の導入　昨年８月、日本プライマリケア学会、日本家庭医療学会、日本総合診療医学会という診療所を中心とした一般医の集まる３学会が、合併の方針を打ち出した。医学系の学会は本来、学術専門団体ではあるが、この３学会の合併動向は、家庭医、総合診療医というものの認定制現実化へ診療所の新しい流れを反映した、政策的なものと映じる。先行きにあるのは、いわゆるジェネラル・フィジシャン（GP）の制度化であるし、英国型のきわめて管理的な「人頭払い方式」移行への一里塚かもしれないし、そのシステムを否定するための開業医の防衛反応でもある。　ただ、流れとしては1980年代後半における「家庭医構想」に強硬に反対した、日本医師会の姿勢の変化をみることができる。どちらかといえば、「防衛反応」ともいうべき変化だが、それだけ診療所開業医に対する今後の医療制度改革の圧力は以前とは比較にならない。潜行している感のあるGP制度改革は、医療をとりまく市場にもやがて大きなインパクトを与えることは必至だ。　GPに対する制度改革圧力が強まる背景には、医師不足、医療費の再配分、国民皆保険制度の再構築という大まかに括れば３つの要素がある。ワークシェアリングはすでに進行　医師不足の一因として、「立ち去り型サボタージュ」の言葉に象徴される、病院勤務医が多忙な職場に嫌気がさして、開業してしまうことが挙げられている。実際に開業医の数はこのところ増え続けている。すべて成功するわけではないだろうが、意外にも診療所の破綻はまだ少ない。開業医市場はまだゆとりがあるとみえるかもしれないが、ある意味では市場の中でワークシェアリングが進行していることも推測される。　私大医学部では、現在入学する学生の６割以上の親が医師であり、その大半が診療所開業医である。大学で後期研修までやって、その後、親の診療所を継承するというパターンを考えやすいが、現況はそのパターンに集中しているわけではない。子が新規に開業するケースも増えている。それでも患者はシェアしているという傾向があり、それは１を分割して半々になるというより、１が1.5になるという相乗効果を上げている。　単純にそうしたケースばかりとはいえないが、開業医市場でのシェアリングに変化が起きているのは事実だ。このことが、総合医、家庭医といった考え方へのアレルギーを薄めていることが指摘できる。開業医は高級外車に乗り、地域の名士であった時代ではなくなり、またそれを希求する開業診療所医は確実に、大幅に減っている。示唆を与える後期高齢者療養費　医師不足を端緒とする認定制の動きは医師側から起こっているところが最近のトピックスだが、医療費の配分と国民皆保険制度の再構築については為政者側からの視点。ここで詳細に説明する必要はないだろう。　毎年、１兆円ずつ増える医療費と、その一部を削減目標とするいわゆる2200億円問題は、政府の腰が砕けかけているとはいえ、現状ではまだ生き残っている政策課題である。医療保険制度も、舛添厚労相が私案を発表しているとはいえ、後期高齢者医療制度の見直しを軸に、09年以降も真剣な論議が必要な問題だ。　家庭医、総合医に直結する問題としては、４月から始まった後期高齢者医療制度の中にある「後期高齢者療養費」が、そのもっとも関連する大きな問題だ。１患者で１医療機関しか算定できないこの制度は、総合医の認定でその浸透と成熟が図られるとみられている。　簡単にいえば、家庭医、総合医の認定制を受け入れることは、こうした制度の受容を促すものであり、フリーアクセスの一部否定につながり、きわめて管理的な医療保険制度運営につながっていくのである。10月３日に開かれた日医協議会のタイトロープ　こうした制度導入は、前述したように80年代の終わり頃には日医がまったく相手にしないテーマであった。家庭医構想に関する検討会が開かれたこともあるが、日医の検討会参画のスタンスはこうした政策の芽を摘み取るためであった。　しかし、10月３日、日医は都道府県医師会の協議会という形をとって、「地域医療、保健、福祉を担う幅広い能力を有する医師認定制度」との長い名称をテーマにした検討を開始した。これに出席した唐澤祥人会長はあいさつで、日医が20年前から始めた生涯教育制度が70％の受講率を誇るのにもかかわらず、国民の一定の支持や認識が得られていないのは認定制度ではないからではないかとの所信を示し、「日医が国民に理解されるシステムとカリキュラムを構築しい」と提案したとされる。要約すれば、日医生涯教育制度を認定制に切り替えたいという提案だ。　20年前の生涯教育制度の開始も、家庭医制度を目論む厚生省（当事）のけん制策として始めたという経緯がある。　日医がもっとも恐れるのは、開業診療所医のGP制度導入による、「医師の格付け」が定着すること。米国ではGPと病院勤務医を軸とする専門医では収入の落差が大きい。日本では、こうした「格差付け」のインセンティブはこれまでなく、日医の母体である開業医組織の高収入体制を維持してきた。政府にはこうしたプライマリケア医療費の高さに問題意識があるが、これを改革するには欧米型を手本にGPと専門医の役割分担を明確化する必要がある。　このため、繰り返し家庭医、総合医制度のアイディアが出てくるわけだが、それまでナンセンスの一言で片付けてきた日医側にとっても、前述したように増え続ける開業診療所医に高収入への欲求が下がっているという新たな要素が大きくなってきたという環境変化がある。日医内部には疑心暗鬼が大きいが　３学会のひとつ、日本家庭医療学会は、こうした動向について「本学会は、次世代の家庭医を育成するための家庭医療後期研修プログラムの設立とその認定作業を行ってきた。後期研修プログラムの設立、認定にあたっては、これまで関連する３学会が合同会議を開催して、共に協議を進めてきた。これはプログラムを終了する人の認定を将来共同して行うことを想定し、わが国では遅れている家庭医、プライマリ･ケア医、総合（診療）医など広くジェネラリストの育成に関する諸問題に対して、力を合わせてこれを進めようという各学会の重なる思いから始まった」としている。　さらに「国の医療制度としても総合科の存在が取りざたされるようになり、並行して日本医師会も総合（診療）医（仮称）の認定に関しての取り組みが開始されることになった」と合併する理由を語っている。　ただ、10月３日の日医協議会では、厚労省の総合科構想には反対であること、検討は「かかりつけ医」の資質向上が目的であることが繰り返し確認されており、日医が一気に家庭医、総合医制度の導入に政策を切り替えたという印象は排除している。また、懸念材料として「フリーアクセスの制限、人頭割り、定額制、総枠規制」につながらないよう配慮することも繰り返し確認されている。非公式ではあるが、日医のこうした検討開始にも半数以上の都道府県医師会が反対ないしは留保の姿勢を示しているという状況も伝わっている。　しかし、それでもこの協議会がスタートしたことは、GP制度導入に弾みがついたとの印象は免れない。開業医市場の縮小化政策は具体化に向かったとみるべきである。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Fri, 31 Oct 2008 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[医療費増へ舵は切られる]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=12473</link>
            <description><![CDATA[消費税論議不発でも財源論議は活発化へ　本号発行時点では、おそらく自民党の新たな総裁も決まっているだろうし、衆院の解散総選挙に向けた政局の動きが加速していることであろう。自民党の次期政権争いでは珍しく経済政策がキーワードとなり、いわゆる経済成長と規制改革を両輪とする上げ潮派、公共事業の支出増で景気浮揚を第一とする財政出動派、消費税引き上げを視野に減税を否定する財政再建派などの論戦が活発化した。　焦点は消費税であり、社会保障政策財源の確保策であるが、いずれにしても世論の流れからすると「聖域なき構造改革」、いわゆる小泉改革路線とは決別する政策選択は必至のように思える。　むろん小泉改革を支持し、その路線を推進してきた上げ潮派が何人も総裁選に名乗りを上げるなど、これを支持するグループが消滅しているわけではないが、2007年以降のメディアの論調の劇的な変化もあって、社会保障政策は再び「聖域」となりつつある。現時点（９月半ば）では政権の行方や総選挙への動向も不透明だが、今回は２つのキーワードから今後の医療政策の展開をながめてみる。社会保険料の構造論議の始まり　社会保険料のあり方をどうすべきかという、社会保障政策論や医療経済学的なアプローチをここで論じるつもりはないが、今後の消費税論議の高まりの中で、社会保険料のあり方に関する論議は必ず大きなテーマになることを了解しておきたい。　社会保険料の問題に関しては、①個別負担か世帯負担か②公費（税金）とのシェアをどうするか③職域と地域との保険のあり方─が重要な課題である。特に①の個別負担か世帯負担かの問題は、これまで表面化しなかったテーマで分かりづらさもあるだろうが、今後の日本の社会保障政策、あるいは「国民負担」をめぐる問題として必ず浮上する。　というのも、政府はすでにこの問題に手を付けているのである。後期高齢者医療制度が実施に移されて以後の、特に後期高齢者の戸惑いには年金から徴収される保険料が引き上げられたことに加えて、いわゆる伴侶、パートナーからの保険料徴収が義務付けられていることがある。　現在、一般の健康保険は世帯主が加入している保険で、その家族は被扶養者として認定され、個別の保険料負担の義務はない。しかし、後期高齢者医療制度では、保険料は個別支払いが原則化された。実際に保険料を支払う高齢者に戸惑いと割高感が広がったのは自然のなりゆきだった。　戦後から、日本の社会保険料の制度は「家族」がベースになってきた。このため、国民の大多数は「社会保険料は世帯主が払うもの」との常識を潜在的に有している。このような保険料政策は、基本的に家族自体が若く、あまり疾病にかからないという年齢・疾病構造を前提にしているフシがある。　実は、こうした家族単位での社会保険料負担制度をとる国は珍しいほうで、この日本固有の「常識」が医療保険制度を年齢構造や疾病構造の変化に対応できにくくしている要因のひとつだ。例をあげれば介護がそうだ。介護保険導入時には、家族介護の「常識」は日本の美風だとして、当時の自民党有力者や文化人から介護保険は他人任せの介護の風潮を形成するという、多数の意見があった。　現在でも、家族介護を第一にし、施設への依存を嫌う風潮が残っているが、そういう考え方を補強してきたのが実は、家族を単位にした社会保険料であり、妻を扶養者とする所得税システムなのである。　この社会保険料方式については、古くから論議がなかったわけではない。特に医療保険については、疾病にかかった人が被保険者本人だろうが被扶養者だろうが、提供される医療の現物（診療サービスそのもの）に格差があるわけではない。本人だったら受けられる手術と、被扶養者だから受けられる手術の間に線引きはない。このため、医療保険における保険料は国民が同等・個別に負担するのが当然という考え方は根強くあったのであり、医師会の一部からも主張されたことがある。　つい最近まで、被保険者本人と被扶養者の窓口負担には格差が設けられていたが、この方式はそうした保険原則を守るための便宜的な手法でもあったのである。後期高齢者制度における保険料負担の考え方は、社会保険料そのものを見直す先導的な役割だったとみていい。　さらに、保険料支払い方式の見直しには、「低所得者の保険料負担を抑える代わりに、高所得者の保険料負担を引き上げる」という財政効果の狙いもある。低所得世帯の「家族」はやはり低所得者だが、高所得者の家族は高所得の分配を受けているという考え方が生まれてくる。標的は大企業とその労働者　社会保険料のもうひとつの問題は職域（健保）と地域（国保）の保険だ。これは都市と地方という経済基盤の格差拡大も根底に潜んでいるが、医療保険財源の調達では消費税を地域保険に厚めに充当しつつ、社会保険料は職域の負担を増やすことで対応するという考え方だ。　現段階では、こうしたストレートな表現での政策提言が、財界や労働界で行われているわけではないが、福田内閣は４月の社会保障国民会議で非正規雇用の社会保険加入促進を提言し、社会保険加入者全体の底上げに産業界が寄与するよう促している。　また、グローバルにみると、日本の企業の社会保障費用負担は非常に低いのが現実だ。よく米国の自動車産業が日本の自動車産業に負けた理由として、国内企業の社会保険料、特に医療保険費用の負担が低いことが指摘されるが、この問題もクローズアップされる可能性が高くなっている。その上にこの連載でも一度触れたが、企業の社会保険負担の割合は年々下がっている。非正規雇用の増加など、小泉改革は企業の社会保険料負担でも大きな利益を産業界に与えている。　医療制度改革問題が次の重要な政治的課題になることが確実な中で、この問題は必ず焦点となる。2200億円の削減策は08年度の「骨太の改革」でも生き残ったが、次の総選挙を境にして「潮目」は変わる。経済財政諮問会議が力を失って社会保障国民会議が重視されてくる。　こうした流れの変化には、当然、産業界からも反発が出ることが予想される。すでに大手運輸会社が社会保険負担の圧迫を理由に健保組合を解散すると報道されているが、これは産業界の一種の「牽制球」だ。　しかし、政管健保への移行が増えれば、政管健保の保険料率大幅引き上げが政治的課題となる。組合健保との料率格差が問題にならないわけがない。政管の料率引き上げでは、企業と労働側の分担率も政治課題化するはずだ。医療問題は、大企業とその労働組合に直接的なアゲインストとなることは間違いない。国民合意のツール「医師確保」　社会保険料の問題に加えて、ここで指摘しておきたいもうひとつのキーワードは医師不足だ。舛添要一厚生労働大臣は、来年度からの医学部入学定員を戦後最盛期の8400人程度まで拡大することを公約している。10年間で1.5倍という医師数の拡大を目指しているが、その実現性は今後にみるとして、その費用をどうするのかが今後の大きな課題となる。　医学部定員の問題は、80年代と90年代に医師需給をテーマとした厚生省検討会の提言を受ける形で、7500人程度に抑制する政府決定が行われた経緯がある。80年代は医師過剰が医師の権益擁護を主とした動機で進められたのに対して、90年代は医療費抑制の動機が強い。約20年間の政策が救急、産科、小児科といった診療科に大きなしわ寄せとなったことはいうまでもない。　社会的要請からも医師数の問題は、国民にたいへん分かりやすいテーマで、この解決策の提示は支持を得ることは間違いない。養成の費用捻出も問題だが、医師が増えれば医療費の抑制は一段と難しい政策課題となることが、現在では十分に論議されていない。このことはテーマの分かりやすさを通じて、「医療費を増やす」ことへの国民合意を得る大きなキーワードとなるはずである。　　社会保険料の問題が焦点となるのも、増える医療費をどう負担していくかという課題とシンクロしている。消費税がとりあえずの政策課題になり、消費税論議が熟しきらなくても、医療費を増やすことでは国民合意が得られるタイミングがきているという理解が必要だ。　合意を得るキーワードが「医師確保」であり、支える財源確保対策のキーワードが「社会保険料」である。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Tue, 30 Sep 2008 00:00:00 +0900</pubDate>
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            <title><![CDATA[資金力背景の病院再編始まる]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=12495</link>
            <description><![CDATA[刺激を与える公立病院改革ガイドライン　東海道新幹線の新大阪駅近くになると、減速した電車の窓から「淀川キリスト教病院」がみえる。民間の総病床数約600床の病院だが、大阪北部地区では地域の信頼がもっとも厚い中核病院である。年間1000件を超える分娩件数、国内ではいち早くホスピスを開設したことなどでも知られ、医療機能の幅広さと質の高さには定評がある。　この淀川キリスト教病院が８月の初めに、指定格付機関の日本格付研究所（JCR）から病院としてはこれまで最高の「シングルＡフラット」の格付けを得た。　民間企業の資金調達力のモノサシとなる「格付」評価を受けた民間医療機関はこれまでに10病院程度だが、淀川キリスト教病院の格付が明らかになったことで、資金調達力に一定の自信がある民間病院の格付評価を求める動きが加速するのではないかとみられている。背景には、地域の病院再編の動きが今秋以降に急速に表面化する可能性が高まっていることがある。引き金となっているのが「社会医療法人制度の創設」と「公立病院改革ガイドライン」だ。社会医療法人制度創設の思惑　社会医療法人制度は昨年４月の医療法改正で創設されたもので、認定要件はより公益性を重視する一方で、救急や周産期医療といった不採算性の強い医療提供を行うことを目的に、収益事業の実施や社会医療法人債の発行が容認される。　特に公立病院に課されている「医療計画に記載された救急医療等確保事業」である、救急医療、周産期医療、小児医療、へき地医療、災害時医療に関して「公立病院等との新たな役割分担・連携の構築」を行うことが求められている。　社会医療法人制度の創設で、一定の親族支配体制を否定するかわりに、収益事業や法人債の発行などによって、事業の業績評価に応じた資金調達の柔軟性を認めるものだ。　こうした中で明るみになった今回の格付けだが、病院の評価手法については医療機能評価やISOがあるが、両者は医療の質に対する評価が優先されるのに対し、「格付」は事業の先行き見通し、ずばりいえば債務の支払い能力、つまり「金を借りたが返済していく能力と展望があるか」を診断されたものである。今回、淀川キリスト教病院が受けた「シングルＡフラット」は、「債務履行の確実性は高い」「見通しは安定的」という評価に要約される。　JCRがこれまでに公表した医療機関格付の一覧を表にしたが、2006年に格付けされた福島県会津若松市の竹田綜合病院は「シングルＡマイナス」。評価は「安定的」だが、淀川キリスト教病院との比較では若干、課題要素が多いという判断が介在していることが分かる。　格付機関によると、実際に「Ａ」はかなり高い評価結果で、相当大きな長期資金の調達が可能になるのではないかとみられている。特に金融機関が複数で融資団を組む、いわゆる「シンジケートローン」の借り入れにも途が開かれる。リスクを分散するシンジケートを組めることは、低利の資金調達という優位性も得ることができる。もうひとつの選択―公立病院改革GL　民間医療機関の格付評価を受ける機運が高まっているのは、社会医療法人の制度化によって、より柔軟な病院経営を志向する考え方が強まっていることがあるのは当然だ。収益性事業の構築と債権の発行という資金調達力を生かせる経営戦略の導入は、魅力的には違いない。ただ、制度導入へのハードルは高く、地域医療協議会の合意に基づく都道府県知事の承認プロセスは、地域医師会などの合意を得る必要を示すもので、簡単ではない。現段階で導入が決まっているのは北海道のカレスグループだけだ。また、淀川キリスト教病院も法人形態は宗教法人で、米国型のミッション系病院だけに現状では利益重視型の社会医療法人への切り替えはまず考えにくい。　しかし、格付評価を受けたことは、法人形態がどうであれ、評価に耐えられた財務内容、医療機能、経営の透明度があるということであり、同病院が何らかの地域医療戦略を構築しているのは間違いない。　資金力の強い病院が、社会医療法人を志向するかどうかは別として、地域医療再編の主役の座をうかがっているもうひとつの有力な動機が「公立病院改革ガイドライン」だ。避けられない自治体病院の民営化　公立病院改革ガイドライン（GL）は、2007年の骨太の方針に沿って総務省が策定し、2008年度内に各自治体病院がGLに沿って「改革プラン」を策定することがほぼ義務づけられている。このGLは簡単にいえば、自治体病院の赤字分について地方債の発行を認めて、その元利償還払いの一部を地方交付税で措置するため、自治体病院側にも不採算医療の見直し、再編と集約化、地域民間医療機関とのネットワーク化、経営形態の見直しを、自治体財政部局との協議を通じてプラン化することを求めている。分かりやすくいうと、これまでの赤字分について一定の面倒はみるが、そのためには経営形態の転換を進めよということだ。　このため、これまで自治体病院が担ってきた救急、新生児、小児医療といった採算性が低く、また医師不足問題が直撃しているような診療機能の思い切った見直し計画を提示する必要に迫られてくる。　プランの策定は自治体病院運営担当者に今、強いプレッシャーを与えている。最大の問題は経営形態の見直しだ。自治体病院は現在、全体で970病院あるが、そのうち約250病院が地方公営企業法の全部適用（全適）を採用している。残りのほとんどは一部適用だ。全適は、病院管理者（つまり院長）の権限が強く、人事権や経営管理で院長の裁量自由度が高いこともあって、今世紀に入って全適の採用で経営を好転させた地方自治体病院が相次いだことからブームになったことがある。　しかし、不採算診療のカットや職員組合との軋轢を起こしやすく、運営そのものが順調な歩みをとれたところは一部にとどまる。民間大病院への集約時代へ　昨年12月に総務省が示したGLでは経営形態の見直しに関して、全適、地方独立行政法人化、指定管理者制度、民間譲渡の４つのメニューを提示、プランでは実態的にこの中から選択することになる。ただ、離島やへき地といった自治体病院では採算性より医療確保が重視されるため、こうした自治体病院では地域でのネットワーク、連携は視野に置きつつも地方特別交付税で財政措置することが決まっており、こうした適用病院のカテゴリーについては７月から始まった総務省の新たな検討会でその方向性が決まる予定だ。　このため経営形態の見直しを迫られるのは、民間病院やその他公的病院等が周辺にあり、集約化や連携ネットワークで診療機能の改革が行いやすいところが標的となる。このうち全適はすでに250病院が採用しているが、実効性は確かめられているわけではない。そうなると経営形態見直しのベクトルは独法化以下の、限りなく「民営化」の方向性に流れることは自明だ。　非公務員型の独法化は、年功序列で人件費硬直の要因となっている看護師はじめコメディカルの採用流動性も視野にある。また指定管理者制度は、付属病院ネットを拡大したい大学病院のビジネスチャンスを広げるし、民間譲渡はそれこそ資金力のある民間病院が受け皿となる。淀川キリスト教病院の格付評価公表は、自治体病院再編の動向に対する戦略的対応が背景だ。地域の病院再編は、資金力をバックにしたドラスティックな動きが予想される。当然のことながら、民間大病院への集約は医療関連ビジネス市場にも強いインパクトを与える。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Sun, 31 Aug 2008 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[09年度概算要求基準で決まる路線]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=12516</link>
            <description><![CDATA[重くのしかかる総選挙の影　「骨太の方針2008」が、６月27日に閣議決定された。経済財政諮問会議が同23日にまとめた原案を決定したものだが、福田首相にとっては初めての「骨太の方針」であり、医療を中心とする社会保障費用削減に対する抵抗圧力が日増しに強くなる状況下で、どのような原案が示されるか注目されていた。　焦点が当たっていたのはいうまでもなく2200億円の社会保障歳出削減目標の設定だ。閣議決定された「骨太の方針2008」では、国家予算のプライマリーバランス（基礎的な財政収支）の黒字化目標を崩さず、歳出の「最大限の削減」を目指す方向が堅持された。「最大限の削減」が意味するところは、先月号でも詳しく触れたが、具体的には2200億円の削減目標は維持するとの姿勢が保たれたことを意味する。　おさらいの意味で、2200億円がどういう経緯で出てきたものかを簡単に述べておくと、小泉内閣時代に政府方針としてのスローガン「構造改革」の具体化の中で、米国流の新自由主義的な考え方を持つ財界人や経済学者で組織された「経済財政諮問会議」（総理大臣の諮問機関）がプライマリーバランス黒字化の目標を掲げ、とくに歳出抑制については具体的な数字を掲げて削減目標を達成することを求めたものだ。方向が決定されたのはいわゆる郵政総選挙で圧勝した小泉政権の頂点、2006年である。　社会保障費については07年度から11年度までの５年間で、１兆1000億円の削減目標が示された。それを５年間で均等割したものが2200億円。つまり07年度予算編成から社会保障費を予算設計する厚生労働省は、この2200億円削減というシーリングの下で編成作業をすることを余儀なくされたわけだ。小泉改革路線を維持するか捨てるか　「骨太の方針2008」は前述したように、「最大限の歳出削減」の方針を堅持した。これがどのような具体的な数値目標（シーリング）となるかは、７月末か８月初めに閣議決定される予定の09年度予算概算要求基準で明らかになる。「最大限」は2200億円の維持を意味すると受け取るのが常識的だが、今年は風向きが違う。　自民党内部の2200億円限界説が力を持ち始めたのは先月号で詳しく述べたが、この圧力は６月から７月にかけても勢いを保ったままだ。要因には後期高齢者医療制度を象徴とする医療問題への国民の関心の強さがある。どんなに引っ張っても来年には確実に衆院選挙が行われる。　こうした空気を読んで、メディアを中心に今年の概算要求基準では、社会保障費2200億円削減目標は取り下げられるのではないかという観測が強まり始めている。本号が発行される頃に、ちょうどこのテーマは沸点を迎えているはずである。　2200億円が３年度目にして、数値目標としては葬られることは、いわゆる小泉改革路線が軌道修正される意味を持つ。７月の予算概算要求基準の動向から目を離すべきではないのである。引き出したくない消費税論議　メディアサイドの「観測」は、実は一定ではない。６月23日の経済財政諮問会議の「骨太の方針2008」原案では、「最大限の歳出削減」は09年度予算編成に向けた総論として示しつつ、医師不足対策や救急医療を重点課題と位置付け、従来の社会保障の抑制目標から外して、「社会保障の新たな歳出は、他分野の歳出削減で捻出」としている。また、原案を得た後の大田弘子経済財政担当相は、記者会見で「医療の本来の機能を損なってまで財政が健全化されれば良いということはない」とのコメントを示したと報じられている。　「骨太の方針2008」をめぐる解釈で、小泉元首相時代に声高に叫ばれた「構造改革に聖域はない」というスローガンが、現職閣僚の間からも消えかかっているとみるメディアの論調もあれば、医療を聖域とみる路線転換はありえるとしながらも、それは消費税引き上げ論議の離陸を示唆するものだとの論調もみえる。　しかし、問題の根は深い。09年度も2200億円削減を維持する場合、厚労省は雇用保険財源と後発医薬品使用促進でそれをまかなう方針を明らかにしているが、実際、09年度もこのシーリングが踏襲されるなら、具体策としてはそれほど有効な策は見当たらない。薬価制度に参照価格制か、それに類似した政策を持ち込むしか手がないように思えるが、このテーマはたぶん今秋以降に浮上する。　根が深いとしたのは、2200億円という具体的数値目標を避けたとしても、相変わらず社会保障費抑制の基本路線に根本的な修正を加えられることは予想しづらいからだ。09年度シーリングで2200億円が消えたとしても、表現上の軌道修正と受け取っておくべきである。それほど急速な高齢化の中での社会保障費用の圧力は大きすぎる。与党議員には悪夢の「骨太の方針」継続　しかし、目下のところこの軌道修正を後押ししているのは来年の衆院選挙だ。危機感を強める自民党の中からは経済財政諮問会議への反発が急速に高まってきている。５月末には自民党の厚生労働部会、社会保障制度調査会といったいわゆる厚労族が合同で会合を開いて「2200億円撤廃決議」を行った。「骨太の方針2008」の原案提示後の６月末には、与党政調合同会議で、原案文書を撤回するよう求める意見が大勢を占めた。　与党側にも言い分はある。最近の社会保障費は予測されていた自然増約9000億円が7000億円程度に縮小するとみられている。自然増分2000億円が削減される効果が示された以上、2200億円の目標設定は必要がないというのがその言い分だ。小泉改革はその実効が明らかになる前に、総選挙で支持されたが、改革の中身が国民生活に痛みとなって現れてきたとき、参院選挙で与党は惨敗した。ねじれ国会の惨状をみるとき、そして来年の総選挙を展望すれば、与党議員にとっては「骨太の方針2008」の既定方針踏襲はまさに悪夢だ。後期高齢者医療制度の悪評をカバーするには、医師不足対策など国民の目にみえる医療保障政策で取り戻すしかない。まさにジレンマに沈む福田首相　根が深い問題は、仮に７月末か８月初めには示される概算要求基準で2200億円が外れた場合、当面「削減」という呪縛から逃れられたとしても、消費税論議という難題の浮上を必ず促してしまうことだ。福田首相は総選挙に勝たなければならない。2200億円削減を引っ込めて支持をつなぎとめようとしても、消費税に火をつけてしまっては元も子もない。　また2200億円の問題についても、党内論議が撤廃で一致しているわけではない。小泉チルドレンを含めて、与党内の大きな勢力は小泉改革支持派である。プライマリーバランス１兆1000億円の目標が３年目で潰えるとなると、福田首相の党内の求心力は確実に低下する。首相の概算要求基準での指揮ぶりで、福田内閣の存亡を占うこともできる。　医療課題については、最近の舛添要一厚労相の発言ぶりもウオッチが必要だ。舛添氏は厚労省担当記者、いわゆる番記者のぶら下がり取材で「仮に2000億円の予算が必要だとすれば、1000億円は改革で捻出し1000億円は（新規の）予算として国民に負担をしてもらう」という持論を繰り返している。シーリングとは一言も言ってないが、要は07、08年度で削減した2200億円の削減目標を当面は1000億円とし、必要な予算1000億円は増税か別財源を回せと主張していると受け取れる。増税は限りなく小幅での消費税引き上げ、あるいはタバコ税引き上げ、別財源は道路財源が視野にあるとみていい。学習しない政治家もあぶりだす　それにしても選挙というのは、あらためてインパクトのある政治システムであることを思い知らされる。大阪府では現在、財政改革を進める橋下徹知事が、1100億円の単年度歳出削減政策（橋下PT案）を掲げて議会での予算審議に臨んでいる途上にある。団体補助金は一律カットという厳しい政策で、大阪府医師会などは５億円の補助事業を打ち切られるという事態に進展している。　小泉改革を彷彿とさせるものがあるが、補助金カットに抵抗して地元選出国会議員や府議会議員の与党サイドの政治家に支援を仰いでも、現在はこれらの議員の腰が引けて陳情活動などが行えないと嘆く団体関係者がほとんどだ。　関西のメディアは橋下批判をしない。小泉批判も総選挙まではなかった。しかし社会保障政策は確実にこの政治システムに敏感に反応する最大の装置となった。09年度概算要求基準はその装置のどこにスイッチを入れるだろうか。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Thu, 31 Jul 2008 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[曲がり角の「2200億円」削減策]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=12535</link>
            <description><![CDATA[「政」「官」「医」が綱引き、財源論争の決着は　５月から６月の初めにかけて、医療費をめぐる関係者間の駆け引きが急速に活発化してきた。ひとつは、「社会保障費の自然増に対する年2200億円の国庫負担削減目標」に関する政府与党内での対立表面化を含めた、論議の噴出。もうひとつは、４月の診療報酬改定で診療所再診料の引き下げが行われなかったことに対する財政制度等審議会（財制審＝財務大臣の諮問機関）の反発。　政府直轄関連ではこのほかに、１月に設置された社会保障国民会議や経済財政諮問会議も含めて、医療制度改革に関する論議が混然となって進められている。一方で中医協では、４月の診療報酬改定に関する検証作業もスタートした。焦点は外来管理加算のいわゆる５分ルール問題と後期高齢者診療料だが、こうした再検証論議の行方もかつてなくリアリティのある課題として浮上している。　背景には後期高齢者医療問題を弾みとして、医療に対する爆発的ともいえる関心の強さを示すものだが、今回は各種の審議会や検討会でのテーマから、2200億円問題と病診格差についての動向を整理してみる。与党内でも深まる対立　経済財政諮問会議の「骨太の方針2008」が６月中には示されているはずだ。社会保障関連で注目されているのは、いわゆる2200億円シーリングが今回も継続されるのか、継続されるとすればどのような財政削減策でまかなうかの点である。　2200億円をめぐる攻防は５月末になって、政府与党内の対立が表面化した。５月25日に行われた近畿地区の医師会ブロック会議で特別講演した尾辻秀久・元厚生労働大臣は明確に2200億円シーリングの廃止を求め、週刊誌紙上でも経済財政諮問会議を厳しく批判し、５月26日以降は国会を舞台に記者会見などを通じて廃止を主張し続けた。　また、近畿の医師会会合では、自民党の伊吹文明幹事長も「2200億円削減は限界」と語ったことが明らかになっている。同週には、自民党厚生労働部会が社会保障費削減に反対する決議を行ったほか、カトレア会など与党の医系議員の間からも廃止を求めるアピールが示された。　一方、政府与党の福田康夫首相に近いサイドからはこうした「雑音」に苛立ちを隠せない発言も目立った。自民党の谷垣禎一政調会長は５月29日の財界との懇談で、「プライマリーバランス（基礎的な財政収支）の黒字化目標をはずすわけにはいかない」として、2200億円削減策の継続を主張したし、中川秀直元幹事長も「骨太の方針を基本から変えるというなら衆院解散は必要だということ」だとして、問題の流れ方によっては“政局”に発展するとの考えをちらつかせている。また、福田首相自身も６月初めの欧州外遊中に削減廃止は「慎重な対応が必要」として、否定的なコメントを示している。後発品使用促進で600億円？　削減方針を死守したいのは財務省だ。５月初めには、早々と「雇用保険の国庫負担廃止」の検討を打ち出して、09年度分の2200億円捻出根拠を示そうとした。雇用保険財源は、08年度末には５兆円近くに達し、失業手当給付額の３年分に相当するものが準備残高として存在している。国は年間1600億円を負担しているが、これをなくすことで、とりあえず2200億円の７割のめどをつけたということをアピールしたいのだろう。そして、残りの600億円を捻出するというのが「後発医薬品の使用促進」だ。率直に言って、後発品使用促進で600億円は現状では「絵に描いた餅」にしか映らない。　08年度の2200億円の内訳をおさらいすると、政管健保の国庫負担分の肩代わり策として、健保組合750億円、共済組合250億円、国保組合が38億円負担すること、薬価等で960億円、後発品使用促進で220億円、生活保護母子加算見直し50億円、退職者医療制度からの237億円とされている。これから2200億円を引いた分が４月の診療報酬改定0.38％アップの財源となったことは周知のとおりである。　後発品使用促進での220億円は今回、その政策の一環として処方せん様式の変更が行われたほか、療養担当規則で後発品使用の努力規定が盛り込まれた。これをさらに600億円ということになると、相当に厳しい使用促進策が打ち出されることは当然だ。アムロジピンの後発品市場参入という要素はあるが、医薬品市場へのドラスティックな政策圧力がかかることは予測しておいた方がいい。国保では保険者の裁量を優越させ、医師の裁量権を無視して強制的に後発品を使用する策も検討されている。　また、政管健保肩代わりも実はねじれ国会のあおりを受けて特例法の成立見通しがついていない。こうした各種のネガティブな要素がある中で、2200億円削減策が維持されるのかどうか、されたとしても実効は確保できるのか、正念場が近づいている。09年度には介護報酬改定が予定されている。介護労働力の不足問題から介護報酬は引き上げ改定が必至だが、自己負担額も１割から２割に引き上げられることが濃厚だ。そうなると高齢者への負担しわ寄せとして、またまた社会的批判の的となる可能性が強い。結局、2200億円問題は消費税引き上げの導火線を作る役割が見えてくるのである。財務省と直接対決迫られる日医　医師会を中心として医療提供サイドには、2200億円削減策の廃止が与党内からも求められる展開は、もちろん追い風だ。後期高齢者制度に対する風当たりの強さが主張を後押ししているが、今回の診療報酬改定で診療所再診料の引き下げが見送られたことについては、財務省からは厳しい反発が出ている。2200億円の追い風の陰で、特に診療所を中心とする医師の報酬には削減策を求める政策準備が始まろうとしている。日本医師会には強烈な逆風が吹きつける展開が予測されるのだ。　財制審は５月半ばの財政構造改革部会で、財務省が提出した「医療制度の現状と課題」の資料を基に論議を行っている。財制審の西室泰三会長は日刊紙のインタビューに、「中医協は利害関係者の集まりの中で審議されている」と中医協を批判、基本的な制度政策設計は財制審レベルでの論議が必要とのスタンスを強調した。以前にも指摘したが、診療所再診料の引き下げは、財務省サイドにとっては厚労省との「お約束」だったフシがある。中医協でのいわゆる「逆転劇」は、日医を中心とする医療側との対決を中医協には任せられないという財制審―財務省の強い意思を固めさせるものとなったようだ。　財務省の「医療制度の現状と課題」では、病院と診療所の格差を掲げたデータ（表１、２）などを示して、診療所報酬の抑制を暗に求め、日医との対決姿勢を鮮明にしている。財務省が財制審にこの資料を提出したのは５月13日。日医は１週間後の同20日には、反論文書を発表している。　表１について日医は、「病院は入院、診療所は外来という機能分化の下で診療所再診料は高く評価されてきた」との基本的主張を示した上で、入院では有床診療所は入院時医学管理加算が算定できないなど、「単純な個々の点数の比較で病院、診療所の対立構造に持ち込むべきではない」と財務省の姿勢を厳しく批判。表２の「医師の給与」についても、「開業医の収支差額は設備投資を行う以前のものであって、勤務医や法人開業医の年収とは意味が異なる。経営責任、地域医療の維持責任を負っており、リスクは高い」と反論している。　基本的に日医の反論は、これまでいろんな場面で語られてきた主張を繰り返しているにすぎないが、５月の一連の財制審を舞台にしたやりとりは、今後の医療費政策の舵取りに関する主導権争いが複雑化することを予感させる。財務省が正面から出てきたことは、日医に最大のプレッシャーとなっているはずだ。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Mon, 30 Jun 2008 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[特定健診制度の無理な仕組み]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=12556</link>
            <description><![CDATA[　前号では特定健診・特定保健指導がスタートする地点にありながら、受診者や受診の実際についてシミュレーションがまったく行われていないこと、基本的に制度の運用者としての任を負わなければならない医療機関の体制整備、意識付けがほとんど行われていないこと、もしかしたら地域にあふれ出すかもしれない「受診勧奨患者」への対応がほとんど想定されていないことなどを指摘した。後期高齢者医療制度は、保険料の年金からの天引きと、負担の複雑さがメディアの関心を呼んで、皮肉なことに多くの国民が（医療機関も含まれるかもしれないが）、その実情を知ることになった。　実は、後期高齢者医療制度と同様の混乱が特定健診・特定保健指導でも起こる可能性が高い。国民は特定健診・特定保健指導の制度を十分に知っているのだろうか。「メタボ健診」という言葉が先行し、出っ張った腹をつまんで大変なことになりますよ、というサプリメントのテレビCMを見て、「メタボリックシンドローム」という言葉を知ったのが関の山ではないのか。特定健診・特定保健指導は、結局のところこうした健康食品市場を潤すことで終わってしまうのではないかという予想は、どうやらリアリティを持ち始めている。動き鈍い医療機関と卸　特定健診・特定保健指導という制度は、公的医療保険制度の縮小策、医療市場の「自由化」の基本的で象徴的な第一歩である。ところがそのために、これまで医療保険しか考えられなかった医療機関のきわめて鈍い対応を生んでいる。医療機関の関心が低ければ、市場に参入しようとして意気込んでいた民間資本の参入意欲も低下するという皮肉な結果を生んでいるのだ。　一例を挙げれば、特定健診・特定保健指導のアウトソーシング先として有力な群とみられていた医薬品卸の表立った動きがみられていない。卸は、産業構造的には医薬品産業のデポだったが、自立経営を志向するためには、医療機関の経営代行的な役割、つまり医薬品製造企業と対峙する役割への脱皮を求める意見はこれまでも繰り返し語られてきた。そのため、医業経営への積極的な参画を可能にするツールである特定健診・特定保健指導で、その機能への取り組みが具体的に踏み出されるのではないかとみられていた。むろん、同制度は運行を始めたばかりであり、今後はそうした動きが顕在化する可能性がないわけではないが。浸透しなかった生活習慣病管理料　４月の診療報酬改定で、診療所・中小病院を対象とした外来包括診療報酬点数である「生活習慣病管理料」が引き下げられた。主に糖尿病など、特定健診・特定保健指導の対象となる「患者」に対する点数で、医学管理・検査・投薬・注射が包括化されている。1996年に運動療法指導管理料として算定されたのが始まりだ。02年には1333点というかなり大きな点数が設定されているが、06年には1173点、そして08年には923点に下げられた。　この生活習慣病管理料は高点数の割に採用する医療機関は少なかった。なぜかといえば、療養計画書を作成すること、運動療法の経験豊富な医師や看護師、管理栄養士による指導などが必要だったこと、この点数を採用しなくても出来高払いで算定はできた（点数はやや低かったが）こと、などがあげられる。要するに趣旨を理解して、無理してこの点数を取りにいくほどの魅力がなかったのだ。厚生労働省は今回の点数引き下げについて、高点数だったことからハードルが高すぎて、採用医療機関が少なかったとしているが、生活習慣病患者の自然増、そして特定健診制度によって患者がさらに増加し、この点数に目をつける医療機関の拡大を警戒したことは明らかだ。　しかし、この点数を採用してきた医療機関にとって、今回の引き下げは大きな痛手だ。この診療報酬を評価し採用してきた医師は、高血圧や糖尿病関連の学会や医会で生活習慣病治療の標準化が期待できる、看護師、薬剤師、管理栄養士などを含めたチーム医療の充実を図れることを懸命にアピールし、点数の維持に腐心してきた。　それでも、採用医療機関数は増えなかった。出来高とのいわば二重構造を残したことで、生活習慣病の治療・指導に自信がない医療機関でも患者の引き受けができたことがその最大の要因だ。高点数でも生活習慣病療養の治療・指導に真摯に向き合うことを選択する医療機関は少なかったのである。　意地の悪い見方をすれば、質の高い医療機能を正当に評価しないことで、生活習慣病治療コストを抑制してきたのだ。診療報酬でもこの状況であるのに、特定健診・特定保健指導に医療機関が手を出すだろうか。専門家が手を出さないものに、何かあれば批判の矢面に立たされる「自由市場の非専門家」である企業サイドは手を出しづらい。生活習慣病管理料の経緯からみえるものは、何かをメニュー化した場合には、そちらに圧倒的なインセンティブをつけねばならないということなのである。　生活習慣病患者は自然に増えている。パラパラと患者が現れ、それで診療報酬が支払われるなら医療機関は別に困らない。このため特定健診・特定保健指導に乗り出す民間事業者が現れるとすれば、腰の重い一般医療機関との連携はハードルが高すぎる。何から何まで自己完結でやるしかない。そのために、結局は大きな保険者とその類縁である民間事業者しかビジネスチャンスはない。批判免れない“飴とムチ”の制度運用特定健診制度が標的としているのは、メタボリックシンドロームといっているが、前回も指摘したように、要は生活習慣病予備軍である。厚労省が示している特定健診・特定保健指導プログラムでは、この制度が効果を持つのは65歳以下の人々だ。そのため、保険者は現にその保険の枠組みの中にいる被保険者の「予備軍」を早期に抽出し、高齢になってからの生活習慣病発症の抑制に取り組む必要があるというのが、この制度の根幹である。つまり特定健診・特定保健指導は高齢者医療制度と連動している。　その「飴とムチ」の役割が明記されているのが、保険者の高齢者医療制度への拠出金の加減算制度だ。民間事業者の市場参入のインセンティブになるのは、実はこの制度であるということの理解が必要であり、さらにそれはスケールメリットと健康な勤労者集団を被保険者に持つ保険者により有利に働き、メリットを生み出しやすいポジションに民間事業者を集中させるという予測を生む根拠となっている。　加減算を単純に説明すると、仮に拠出金が100億円とした場合、特定健診制度の実績が高かった保険者は翌年から10億円を下げる、低かった保険者には10億円を加算するという制度である。この説明だけで、保険者の体力勝負ということがわかるだろうが、健診の実績作りを予想すると、話はさらにリアリティを生む。　厚労省がこれまでに検討会や説明会などで提出した資料を総合すると、保険者側が想定する特定健診が約6000円、特定保健指導が動機付け支援で6000円、積極的支援が１万8000円程度。しかし、受託する側の民間事業者の想定額は、健診8000円、動機付け支援7000円〜１万2000円、積極的支援１万8000円〜６万6000円という相場となっている。特に積極的支援の乖離は非常に大きい。　政管健保はこれまでに、健診6000円、動機付け支援6000円、積極的支援１万8000円という保険者負担を示しており、事業者提示との差額は被保険者の自己負担となる。職域保険の政管健保でもこの状態であれば、地域保険が主体となる広域連合ではこの額が上限と考えてよい。自己負担が多ければ国民の受診意欲は下がる。しかし、健康な被保険者が多く、標準報酬も高い、財政的に豊かな単一健保組合などでは一括した事業者委託によって、健診コストも自己負担も下げることで受診意欲を高めることは可能だ。こうして、富裕な保険者が実績を上げることで飴をしゃぶり、そうでない保険者は鞭打たれることになる。　ただ、加減算が行われるのは2013年度からだ。その前に必ず制度の見直しは行われるとみていたほうがいい。後期高齢者医療制度も、今になって政府の説明責任が問われている。国民の健康への思いは隔てがない。特定健診・特定保健指導が所属する保険者の力量で落差が出るという問題も、説明責任を問われるに違いない。特に加減算といった「飴とムチ」のような制度が、国民の健康を守るための手段に使われることには厳しい批判が起こる可能性が高い。「医療費抑制のため」の政策展開には民意が尖り始めている。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Sat, 31 May 2008 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[混乱を予感させる特定保健指導]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=12578</link>
            <description><![CDATA[予測できない「受診勧奨患者」の動向　４月から、一連の医療制度改革のうち後期高齢者医療制度、特定健診・特定保健指導などが実施時期に入った。後期高齢者医療制度は、制度のスタートを迎えてメディアの厳しい批判にさらされている。「姥捨て山保険」といわれて、福田首相が制度名称の変更を指示するなどのドタバタから始まって、新保険証が届かない問題、旧保険証での受診の可否など、ある程度予想されていた混乱が噴出し、「年寄りイジメ」として大手メディアの格好の的となった。制度創設の確定時に、こうした混乱予想を大きく取り上げればよいようにも思えるが、政府が混乱の主役にならなければニュースの価値はないということだろうか。　特定健診・特定保健指導については、まだ大きな問題意識が一般的にはなっていないが、健診が実施され、実際に特定保健指導対象者が出てき始める７月頃には各種の課題が浮上するものとみられている。拭えないシミュレーション不足　これまで、特定健診・特定保健指導に関しては、保険者の健診実施施設との集合契約問題、健診価格、特定保健指導の実施施設とシステム、保健指導価格問題などが取り上げられてきた。本質的にこれらは、制度導入と関係施設、制度執行体制の構築の問題であって、実施上の課題を予測したものは少ない。　それだけに一連の流れが具体化すると、どのような問題が起きてくるかというシミュレーションを目にすることが少ない。つまり受診者、患者、対応施設の具体的な動線が関係者に想起されていないという現実がある。潜在患者を含めて1700万人という糖尿病の疾病構造スケールだけ考えても、あまりにも無防備に制度が走り出そうとしている印象を拭うことができない。　特定健診の結果、特定保健指導および受診勧奨が必要な受診者・患者がどの程度出てくるかは、あまりシミュレーションした数字が示されていない。特に受診勧奨となる「患者」がどの程度現れ、それをいったいどこが診療するのかという明確な指針も示されていない。　このような状況はなぜ生まれているのか。多少うるさいかもしれないが、特定健診・特定保健指導の意義は、生活習慣病の患者、予備軍を早期に発見し、重症となる前にその人たちの治療、行動変容を促すことにある。しかし、そうした人たちが大量に出現したときに受け皿をどうするのか、ということがどうにも判然としない。　制度執行者側には、重症患者の摘み取りによる将来的な医療費への効果が第一の制度創設目的であり、制度を運用する側である保険者は、自らの財源支出抑制効果のみに意識が奪われている側面がある。半面で患者や受診者、そして何より予防も含めて医療提供の主体者でなければならない医療側の熱が低い。医療費適正化の側面が前面に出るあまり、医療側には「医療費抑制」への警戒が表面化し、患者、受診者側には新たな費用負担の警戒が色濃く反映されているのが現状だ。制度への無理解でツケ払わされる医療施設　特に医療側には、境界型の高血圧、糖尿病の「患者」を患者と認定できるかどうかで、長く行政サイドと争ってきた歴史がある。両疾病ともに、関係学会が国際的な標準化も念頭に置いたガイドラインを決め、「未病」と「疾病」を分けてきた。内科系の学会、医会などからは長く、「未病」部分についても診療報酬上で、「成人病予備指導料」のような形で点数化をすべきではないかという意見が出たことはあるが、医療保険が疾病を対象とするという不文律がある以上、この議論が大きくなることはなかった。　その意味でいうと、今回の特定保健指導は「予備指導料」が具体化したと考えられないこともない。誤解のないようにいえば、特定健診・特定保健指導は診療報酬によって、「療養の給付」と位置づけられたわけではない。しかし、保険者が主体となって、地域の枠組みとして健康保険医療財源の中で運用されるという点では、医療保険の「事業」であることに変わりはない。正常分娩は疾病ではないため「療養の給付」ではないが、その費用は現金給付の形で医療保険財源の中から支払われる。考え方としてはこれと同一線上にあるという理解がいる。　しかし、分娩と決定的に違うのは、分娩は「産科医療」の中で位置づけられることによって、分娩の主体は産科、助産といった「医療施設」が実施の主体となる。ところが特定保健指導は、営利事業者の参入が認められ、医師の関与は「最初の５分程度」とされている。「５分」に対応する医師を確保すれば、あとは保健師や管理栄養士によってシステマティックに指導体制を組めばよい。医療施設ではなくてもまったく構わないのである。　医療保険の枠組みの中で、医師がほとんど主体的に関与しないものが「支払い」の対象になるのはあまり例がない。逆説的に付け加えれば、医療保険財源を使う事業であるにもかかわらず、医療施設は特定保健指導に応じる義務もない（疾病患者の診療は義務である）。また、受診者から一部負担金を徴収する義務もない（患者からは一部負担を徴収するべきだと療養担当規則に定めてある）。医療保険で営々と常識化してきたこうした慣行を覆す制度設計に、医療施設サイドがさして大きな反論を示さないことも妙ではある。　実は、多くの医療施設が特定健診・特定保健指導のことを知らないのではないかという推論が、ここで有力になる。この制度全体を貫く思想は、アウトカム（成果）としての医療費の適正化（抑制）である。そのため、国民の健康を守るという大前提の理念が薄い。故に制度の設計そのものもご都合主義的で、矛盾を多くはらみ、運用が本格化した場合の混乱は免れないという予想の根拠になっている。医療費抑制が透けてみえるから、医療施設に参加意欲が低いという見方もできるが、混乱が生まれた場合、医療施設はその渦中に投げ込まれる。「受診勧奨患者」が 地域に溢れ出す　現在、一部の循環器内科専門医、糖尿病専門医の間に不安が広がっているのが、「受診勧奨患者」の動向だ。境界型を含めて糖尿病を例にとると、現在の糖尿病診療の実態はかなり千差万別だ。職域保険の被保険者が現行の職域健診で境界型糖尿病（例：HbA1cが6.0程度）と判定された場合、多くが医師の診療を勧められるが、医療施設でまだ「未病」と判断すれば、簡単な問診で済ませ生活習慣上の指導を与えて薬物治療には踏み込まないのが原則的だ。薬物治療の必要ない患者の再受診率は低い。　このため指導的治療を中断したまま、結果的に未病患者の多くが知らぬ間に発症し、いつの間にか「糖尿病患者」になってしまう。さらに、患者になっても行動変容を促すのは難しく、患者であっても治療中断に入ってしまうことが多い。患者に対する情報の一元化と集約化がされていないために、こうした実態的な患者管理が行われていないという指摘につながる。　新制度は、いわば「国民皆受診」の制度で、目的のひとつは受診率の引き上げと健診情報・療養情報の一元化にあるとされる。しかし、前述したように、保健指導に対する医療施設の知悉（ちしつ）度や熱意は現状ではきわめて低い。そうなると、特定健診から指導への流れは、保険者が作った仕組みの中で、大手事業者が設営する健診・指導機関が一体的に担うことになるのは自明だ。医療保険財源のパイを、「株式会社が食ってしまう」という批判はここにあるが、ここでは一度この問題をおいておく。　問題なのは、腹囲が85cm以上で、HbA1c6.5とされるような「受診勧奨患者」をどこに持ち込むかだ。当然、大手事業者はそうした人を受診させる医療施設と提携することになりそうだが、現状で予測できないのがこの「受診勧奨患者」の数である。企業提携型の施設でまかないきれるのか、それとも地域のプライマリーケア医療施設に流れ出るのか。　一部の専門医の間で問題視されているのが、地域医療施設に野放図に受診勧奨者が流出した場合だ。新制度下での指導のあり方、境界型患者の療養指導について、すべての開業医にノウハウが構築されているわけではない。保険医療との整合（レセプトが通るのかどうか）も課題になる。　次号では、特定保健指導の実践時期を前に、こうした具体的な問題について、いくつかの例題を示してみたい。また新制度が持つ、高齢者医療制度拠出金への加減算の影響も考えてみる。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Wed, 30 Apr 2008 00:00:00 +0900</pubDate>
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        <item>
            <title><![CDATA[外来管理加算「5分」のインパクト]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=12599</link>
            <description><![CDATA[医師「技術料」の認識を明確化４月から実施される診療報酬改定は結局、再診料の引き下げは見送られた。しかし、診療所では外来管理加算（52点）の算定要件が厳しくなり、診療所外来には一定の患者数規制がかかったとみる向きが多い。例の「５分診察ルール」の導入だ。　１人の患者の診察時間に５分という時間の目安を設定した、この外来管理加算ルール。地域医療機関の外来機能を再評価するという声もあれば、実質的には「再診料プラス外来管理加算」という運用からみれば、実際には診療所点数の引き下げだとの厳しい評価も強い。　前者は特に診療所の外来機能に関して、「コミュニケーション重視の技術料としての明確化」とみる考え方、後者は点数引き下げという手法をとらず、実際には１時間あたり患者数を12人に制限し、外来管理加算での収入を約6000円（52点×12人）に線引きしたとみる考え方だ。　実際に、この改定方針が公表されると、診療所を中心とする地域医師会からは、驚きと不満の声があがった。再診料の引き下げはなくなったが、外来管理加算の要件見直しは「どうやって５分の時間を測定するのか」といった素朴な疑問も含めて、実質は引き下げ以外の何物でもないという声が現状では圧倒している。評価は妥当も性格あいまいに　今回の外来管理加算要件見直しのポイントは、「丁寧な診察」という表現を加えたことである。ここで、再診料およびこの外来管理加算に関する厚生労働省の基本的な考え方を整理してみる。　再診料については、96年の改定で病診格差が拡大したが、このときに当時の厚生省は、病院は入院、診療所は外来という「価値観」を明確化した。そもそも外来は、検査などが必要ないケースが多く、外来診療を軸とする診療所に再診料で高めの点数を設定するのは合理的ともいえる。日医などは、診療所の初診料、再診料、外来管理加算は「無形の技術評価」という主張を繰り返してきたが、「無形か有形か」の議論は別として、診療所がこうした点数評価を受けることは自然である。ただ、96年改定時には診療所の初診料も同時に引き上げた。これが話をややこしくし、最近の再診料引き下げ圧力の強まりの背景になっている。　当時の厚生省の基本的な考え方は、外来診療の評価として「初診料プラス再診料」というものだったと推定できる。96年改定は診療所初診料を引き上げ、再診料の病診格差を拡大することで、外来は診療所、入院は病院という基本的な医療提供体制のあり方を誘導する目論見があった。　ちなみにこのとき、病院初診料は特定療養費化され、病院外来を求める患者には自己負担が生まれた。病診の機能分化と連携を誘導する診療報酬政策は、このとき実行に移されたことになる。　しかし、再診料は逆に患者を特定の医療機関に縛り付け、診療所の安定収入を担保する装置の役目も果たした。再診料が診療所の技術評価ではなく、実際には施設フィーとして機能したことが、日医の「無形の技術評価」という主張との矛盾を突くことになり、引き下げ要求の高まりとなった背景は無視できない。　ただ、厚生省も日医の主張する「無形の技術評価」を肯定していたわけではない。その後の再診料に関する当局の見解は、施設フィーも含めた点数上の評価とみていたことを裏付けており、2200億円削減というシーリング下での「引き下げ候補」として、性格があいまいな再診料が浮上したことは当然の流れだった。「技術評価」強調しにくい側面　そうした再診料のテーマを前提にすると、今回の外来管理加算の要件「丁寧な説明」は、再診料と外来管理加算の「一体的な点数」の意味合いから、診療所のあるべき性格を評価する基本的な診察料は施設フィーを含めた「再診料」とし、外来管理加算は「技術料」の側面を明確化させた意義が大きいとみるべきである。再診料と外来管理加算はそうした性格付けをすることで、「再診料」の引き下げは行わないで病診格差をつけたままにし、外来管理加算は「技術料」なので、病診格差はなく、老人診療料と一般診療料でも格差はなくても構わないという理屈が成り立つことになる。　しかし、外来管理加算の「技術評価」が明確化されたという前提で考えると、処置を行ったケースでも、「丁寧な診察、説明」が実行されていれば点数をつけることができるという理屈にもつながる。今回は処置を行えば外来管理加算は算定できないという原則は継続されており、厚労省が表立ってこの「技術評価」の考え方を強調しづらい側面も否定できない。次回（2010年）の改定で、この点がどう整理されるかが注目されるし、日医などの主張もこの部分が焦点となるのは間違いない。不明確な「5分」の根拠　外来管理加算が「丁寧な診察」を要件化することで「技術評価」したという論理的な背景は、この点数がかつての「内科再診料」から発生していることだ。内科は、検査や処置などの目に見えやすい技術で評価できる部分が少ない。基本的には、患者に対する丁寧な指導であり、アドバイスが基本となることから、「そのことそのものが内科の技術」として評価され、診療報酬化された経緯がある。その意味では、外来管理加算で「丁寧な診察」を求めるのは「先祖がえり」のようにもみえるが、５分と規定したことが点数の硬直性のイメージを増幅してしまった。　「５分」の根拠は明確ではない。これが地域医師会などの反発を生んでいる大きな要素だが、厚労省が医療費財政ベースで数字を割り戻して算定し、５分を導き出したのは間違いない。いわゆる「３分診療」からの脱却を志向したという説もあるが、根拠は見えない。純粋な医師の拘束時間　さてこの５分はどのようにして消化するのか。３月５日に日医が開いた都道府県医師会社会保険担当理事連絡協議会で、日医執行部が行った説明では、算定できる場合は以下の通りだ。　「外来管理加算は、医師が実際におおむね５分を超えて直接診察を行っている場合に算定できる。なお、診察を行っている時間とは、患者が診察室に入室した時点を診察開始時間、退室した時点を診察終了時間とし、その間、一貫して医師が患者に対して問診、身体診察、療養上の指導を行っている場合に限る」　基本的に、「５分間を超えて」いることが大事で、医師がその間、患者から離れることは想定されていない。また、看護師が事前に患者に問診した時間も含まれないわけで、純粋に医師の「拘束時間」と考えることが妥当だ。医療費を支払う患者サイドからいえば、今後、最低５分間は医師を独占できる時間の保証が得られたということでもある。　看護を行っている家族を通じて療養上の指導を行っているケースでは、特定疾患療養管理料などは算定できるが、外来管理加算は「患者に対し直接、診察を行っている場合に算定できる」としており、算定はできない。家族が薬を取りにきて、その時間帯に療養上の指導を行うケースは多いと考えられるが、「患者自身が外来すること」も要件化されたと解釈することもできる。算定しない選択も　外来管理加算に、こうした要件が加わったことに対する診療所の反発は現状では大きなものがあるが、日医は今回、後期高齢者でも病診でこの点数が統一されたことに対し、勤務医の過重労働負担の軽減という状況を背景にして、地域医療を支えるためにぎりぎりで受け入れた「苦渋の選択」だったとして理解を求めている。３月５日の協議会では、幹部から「５分の導入はたいへん申し訳ない結果」との率直な見解も示されたようだが、今後、診療所の収益をどのように確保するのか、「時間」という枠組みを導入された課題は小さくはない。　むろん、診療所によっては、この52点を算定しない選択もありえる。処置などのウエートを高めることでやりくりし、外来患者数の減少を食い止めることは可能だ。あるいは、実質的に外来管理加算分をなくすことで、患者の負担減に寄与し信頼を得るなどといった、「丁寧な診察」の趣旨を生かすことも地域では求められるだろう。　また、「５分」とはいえ、時間の概念が外来医療に本格的に導入されたことは、ひとりの医師の基本的な「診察能力」を規定していく考え方に発展していく可能性は大きい。医師不足でかつ高齢者の多い地域の開業医が、52点を算定できない場面に遭遇することも予想される。「5分」がどのような具体的な影響と効果を表すのか、関心は強い。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Mon, 31 Mar 2008 00:00:00 +0900</pubDate>
        </item>
        <item>
            <title><![CDATA[「再診料引き下げ」見送りの裏に潜むもの]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=12623</link>
            <description><![CDATA[保険外政策医療導入のトリガーか　2008年度診療報酬改定の目玉とみられていた、診療所再診料の引き下げが見送りとなった。財務省、厚生労働省は否定するものの、昨年夏頃からリークするような形で「診療所再診料の引き下げ」をアピールしてきたが、最終的には２月１日の中医協総会で、正式な見送りが決まった。再診料分の振り替え分約200億円は、外来管理加算の要件厳格化などで対応することになる。いずれにしても、診療所を中心とする日本医師会は、0.38％の医療費本体のプラス改定を確保したほか、最大のテーマであった「再診料引き下げ」も一応回避することに成功した。パブコメに示された開業医の危機感　厚労省は1月25日を限度として、次期診療報酬改定案に対するパブリックコメントを募集した。再診料に関する論議の内容を整理するには、このパブコメを紹介するとわかりやすい。コメントは緊急課題２「診療所と病院の役割分担について」のうち、「診療所の再診料引き下げについて」のテーマに寄せられたもの。コメント数は引き下げに賛成する意見21件、反対意見は273件だった。数の差は、それだけ再診料引き下げに危機感を持つ開業医の多さを反映する、としたら言い過ぎだろうか。　ここに示したパブコメの内容で、再診料に関する論議のポイントは明確になるが、要は改定財源そのものが300億円程度しかない中で、いかに現在の医療の実情にあった点数の入れ替え、付け替えを行うかが焦点。喫緊の課題は病院経営の悪化と、勤務医の不足、いわゆる医師不足とそれに起因する「医療崩壊」の芽を摘み取るか、それに向けた「政策的課題」への対処である。　単純に言って、勤務医不足が露呈し、「立ち去り型サボタージュ」と揶揄される開業志向ともあいまって、診療所医師と勤務医の労働量に落差がある中では、格差がある再診料の再配分に目が行くのは当然の成り行きである。【賛成側意見】【反対側意見】●診療所再診料引き下げは断行すべき。地方の病院の状態は危機的な状況にある。実態調査によれば、診療所経営には少なくとも余裕があるとの結果が出ている。●財源がないなら診療所に協力してもらいたい。引き下げ分については病院の再診料の財源にするのではなく、救急医療を提供する病院に配分してほしい。具体的には、病院の時間外・深夜加算等を手厚くしてほしい。●病院と診療所に機能的な差が認められない以上、再診料も同一であるべきだ。●普段の診療において、実際に診療を要するのは月１〜２回程度。あとは経過をみながら病状維持・改善目的の定期的な注射、処置、リハなどを行っているのが実情である。再診料は月２回までとし、３回目以降は再診料の算定は行わず、他の外来管理料・処置料などでの算定が妥当ではないか。●診療所の再診料引き下げは経営に直接響くものであり、影響が大きい。病院の再診料引き上げにとどめるべきだ。●初診料・再診料は医師の技術料の基本である。病院と診療所の再診料の点数格差については、今までの頻回の診療報酬引き下げでともに経営は厳しい中、もし同額を目指すというなら病院の再診料を診療所と同額に引き上げるのが妥当。●診療所の再診料は地域のかかりつけ医として慢性疾患患者等を継続的かつ包括的に評価し診療を行うための無形の技術料と考えられる。この点からも診療所の再診料に関しては引き上げるのが妥当だ。●後期高齢者の再診料や一般患者に対する再診料の引き下げの検討は行うべきではなく、むしろ初診料・再診料を基礎的技術料として評価し、引き上げるべきだ。●これ以上の診療報酬引き下げは、地域医療の崩壊をさらに加速させるものであり、認められない。特に診療所は地域医療における最後の砦。再診料の引き下げには断固反対する。最後まで抵抗した公益側　日医は、この再診料の引き下げ阻止を最大のテーマに予算編成前から活発にロビー活動を行ってきたフシがある。逆に予算編成時から財務省、与党サイドは診療報酬改定の最大の目玉として診療所再診料引き下げを狙ってきた。昨夏からの一連の日刊紙によるキャンペーン的な報道もその例として推定されるが、医療全体の基盤が崩れかけている中で、年末以降、国民世論にも微妙な変化が見え始めてきた。日刊紙の投稿欄では無視されがちだった開業医の投稿採用が目につくようになったし、政府側の微妙なトーンダウンには病院医療の立て直しとはいえプライマリーケア現場の基盤まで弱めるような政策を強行するのはまずいという判断もあったようだ。　象徴的なのは中医協での論議で、本来なら再診料引き下げを盾にしてもよさそうな支払い側が、共同して強硬姿勢を見せるということがなかったことだ。健保連委員などは、ポーズとして不満を表明することはあったが、再診料引き下げありきで中医協論議が進んだというイメージはない。関係者の話を総合すると、再診料引き下げにもっとも熱心だったのは公益側、特に土田武史会長だったとも伝えられる。　土田会長は日医関係者にも「２〜４点の範囲で下げることに同意しないか」と持ちかけた経緯もあるといわれ、この考え方は政府関係者にも伝わっていたようにもみえる。２月１日に、中医協が診療所再診料引き下げの見送りを正式に決めたあと、額賀福志郎財務相は「そんな話は聞いていない」と憮然としてコメントしたことが日刊紙に報じられたが、中医協公益側サイドからは財務省に対し、小規模でも何らかの形で診療所再診料に切り込むとの手形が切られていたとみるのが妥当だろう。開業医は１日外来患者70人の誘導　一方、開業医側にも、再診料がそのままでも外来管理加算の要件が厳格化されれば、引き下げを行われたのも同然だという声がある。しかし、これに抵抗するほどの論理的根拠は薄い。現状では、医師が患者に対し５分ほどの療養上の注意を行い、それを診療録に残す方向となりそうだが、例えば投薬だけしてもらって「診察」はスルーしてしまう患者は結構多い。こうした患者の外来管理加算は行えなくなる。この問題、運用しだいでは新たな問題の火種となる。原徳壽医療課長も中医協で説明しているが、１日６時間の診療時間として計算すると、「５分」は患者約70人分。仮に１日外来患者数が150人の診療所では、１日13時間近くの診療時間を要することになる。　問題はそれが可能かどうかではなく、開業医の診る患者数に一定の尺度ができてしまうことである。「患者数」という枠組みは、「総合医」の人頭数につながってくるリスクが出てくる。特定健診・特定保健指導の行方とこの動向を推定していくと、患者の疾病管理が特定化され、総合医は限りなく英国型家庭医（GP）に近くなり、またもや人頭払い方式か、それに近い初期外来の管理医療の提案が浮上してくる可能性がある。新財源を目標に新たな医療供給方式も浮上へ　改定財源300億円、外来管理加算の厳格化で生まれる200億円では、現在の医療崩壊前夜を回避する財源になりえないことは自明だ。厚労省ではこうした状況から、医療費を診療報酬を軸とする医療保険の枠組みからはずした「政策的経費」として生み出すプランが浮上しかけている。最近のいくつかの学会では、消費税引き上げの一部目的税化で医療的経費をまかなうべきという提言が目立ちはじめているほか、すでにそれを前提にした論議も生まれている。　09年度が始まれば、「政策的医療」を何らかの形でプログラムするチームが厚労省内に立ち上がる可能性が強い。85年の国民医療総合対策本部並みの新政策対応を生み出す原動力になる可能性はあるが、その前提は新たな税体系による財源確保だ。　医療保険は既存の疾病に対応した治療保険に限定し、ハコモノ、人を含めた地域の医療資源の構築を別財源体系でまかなうとの考え方がその基軸となることは間違いない。その際、地方交付税的な現状の予算分配方式がとられるかどうかは不透明だが、お手本となるのは国交省が持つ道路特定財源だ。　道路特定財源は、配分をめぐって国会論議の真っ最中だが、その財源も厚労省の視野には入っている。消費税引き上げか、その他は別として、医療保険制度の枠組みから離れた「政策的医療」設計の時代は具体化を始めたとみておいた方がいい。その反対側にある問題として、医療保険外からの財源で支えられる医療が「保険」の枠組みで提供されるかどうか。「聖域なき財政改革」で発想された「混合診療」は、またもうひとつの論理をまとって、リアリティが生まれてくるのである。　再診料の問題は、こうした様々な中期的展望も裏側に潜ませながら決着した。わずかでもいいから再診料引き下げをのんだほうが良かったという結果が、開業医集団に生まれる瞬間が来ることを予感させる。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Fri, 29 Feb 2008 00:00:00 +0900</pubDate>
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            <title><![CDATA[診療報酬「0.38％上げ」の攻防]]></title>
            <link>/tabid55.html?artid=12645</link>
            <description><![CDATA[カギは患者負担への影響か、研修医の報酬も論議へ　昨年末に決着した2008年４月診療報酬改定は、診療報酬本体0.38％の引き上げとなり、８年ぶりに「引き上げ」の文字が報道記事に踊った。ただし薬価、医療材料の引き下げ分1.2％を単純に引き算すれば、実際は0.82％の引き下げ。小泉改革以後の財政削減プログラムに従えば、社会保障費2200億円の圧縮シーリングに改定分財源を上乗せしなければならないという、財政設計の枠組みからすると、薬価の引き下げ分はシーリング部分に包含されるため、現在の診療報酬改定論議は「本体」が重視される。　プラス改定かマイナス改定かという論議の中で、一昔前なら医療費ベースでの「薬価引き下げ分」を差し引いて「実質引き上げ幅」が重視されたが、薬価は「改定財源」の性格をさらに明確にしたことになる。医療機関が薬剤は金融機能を果たす時代ではなくなったと断言するには早計のような気もするし、実際、医師会関係者などに聞くと「すでに10年以上も実質マイナス改定が続いている（注・2000年改定は実質0.4％プラス）。医師会の求心力維持のためにも、マイナスという表現は使いたくない」という本音ももれてくる。　しかし、こうした改定に対する医療側のスタンスの変化は、今後の薬価制度改革に短期的には微妙に、長期的には大きな影響を与えることになりそうだ。このテーマは今回は置くとしても、診療報酬改定財源確保のためには、後発医薬品の使用促進策がよりリアリティを持つほか、薬剤給付額制度、参照価格制度といった制度構築にジャンプアップする可能性が高まったということは指摘できる。日医には重なる難局　今回の2200億円プラス診療報酬改定分約300億円の財源構成はすでに詳細に報道されているが、ここで簡単におさらいしておくと、政管健保の国庫負担分の肩代わり策として、健保組合750億円、共済組合250億円、国保組合38億円という負担で振り替え、薬価等で960億円、後発品使用促進で220億円、生活保護母子加算見直し50億円、退職者医療制度から237億円とされている。足し算すると2505億円。このうち304億円が改定財源ということになる。　また、医科本体の引き上げ幅は0.42％（医療費ベース約1200億円）、歯科は0.42％、調剤は0.17％。この三者の改定比率は１：１：0.4が基本で、今回はプラス改定ということもあってこの改定幅が踏襲された。ただ、全体に薬価が引き下がる中で、調剤報酬の引き上げ幅の小ささは保険薬局の経営には影響が強いのではないかとささやかれている。　本号が出るときにはある程度の方向が固まっているかもしれないが、１月の半ばから、中医協で引き上げを前提にした診療報酬配分の検討に入った。今回は１月中にパブリックコメントを得て、２月半ば過ぎには新診療報酬が決まる予定。２月上旬が改定作業の攻防のピークになることが予想されている。　医科については初診・再診料の引き下げを中心に、診療所（開業医）と病院（勤務医）のパイの奪い合いが焦点だ。特に診療所の再診料に最大の関心が集まる。昨年夏前から、初診・再診料をめぐっては大手一般紙が「診療所再診料引き下げへ」という報道を何度か流した。当時は財務省、厚労省の「リーク説」が流れ、厚労省は強く否定する会見まで行ったほどだが、現在では初診・再診料に手をつけないとみる人はまずいない。　配分はこの問題を最大の論点にして、小児科、産科、救急など、ここ数年で噴出した医療課題に対応することで重点配分される方向は当然だが、開業医と勤務医の労働量をめぐる論点がどのテーマにもついてまわる。実質的に開業医を背景にしている日本医師会にとっては、プラス改定を得たとはいえ、開業医はマイナス改定という事態も想定できる。日医にとっては２月の中医協での攻防が大きなヤマ場だ。　４月には日医会長選挙が行われる。反日医を争点としている大阪府医師会会長選挙にもこの攻防は微妙な影響を与える。小脳出血で倒れた唐澤祥人会長が表舞台で活躍できない事態がこれに加わった。日医にとって再診料問題は、今後の日医の求心力を含めた複雑で困難な局面を迎えているのである。データでも労働量格差は明らか　こうした局面を受けて日医は年が明けた１月８日、08年度改定に対する日医基本方針を明らかにした。要点は、①医科本体プラス0.42％は、産科・小児科・救急医療、病院勤務医師の過重労働緩和に充当し、地域医療の崩壊を食い止める②診療所は病院と同様、経営状態が「危険水域」にあるが、病院勤務医の負担軽減を優先する。ただし、診療所点数の引き下げによる財源振り替えは認めない③初診料、再診料（外来管理加算を含む）は、医師の無形の技術を評価する基本的かつ重要な項目であり、地域医療を維持するために、これを死守する④後期高齢者について、患者１人に主治医１人を基本とする厚労省案は、将来のフリーアクセス阻害につながるおそれがあり、日医は認めない─の４点。　①、②で勤務医の過重労働対策への配慮は示しながらも、診療所点数の引き下げ分の振り替えは認めないと釘を刺し、その財源として有力視される初診料、再診料の引き下げには応じないとし、「死守する」ことを明言した。　中医協で論点となりそうなのは、③の前提である②の勤務医の過重労働の実態と、開業医の勤務実態の落差をどうみるかである。１月８日の基本方針を説明する際に、日医はデータ（図）をつけて、開業医もそれなりに地域医療活動時間に拘束されていることをアピールした。しかし、率直にいって地域医療活動時間が週単位で最大でも５時間を超えないことが説得材料となるのかどうか疑問だ。勤務医を週５日勤務（実態ではないが）とすると、50歳代の勤務医でも１日11時間を超える。開業医は全国平均でみても７〜８時間が実質診療時間で、これに１日平均１時間の地域医療活動を加えても10時間を超えることはない。指導医として開業医が病院に戻る体制も　勤務医が過重労働に耐えかねて開業することを、「立ち去りサボタージュ」とネーミングした人がいるが、これほど現状の医療現場の労働実態を的確に示した言葉はない。日医が示したデータをどのように評価するかは判断が分かれるところだが、一方ではある程度の初診・再診料の引き下げはやむを得ないという見方も、少数意見だが開業医サイドにはある。開業ラッシュでプライマリー現場の競争が激しくなっていること、地域によっては患者負担増がその競争に輪をかけていることも見逃せない。診療所受診の地盤を強化する意味でも、患者の受診抑制に歯止めをかける必要も出始めているのである。３割の自己負担を放置して国民皆保険の堅持に意味があるのかという議論も出始めた。　いずれにしても今回の改定では、診療所に多少の出血は避けられない可能性が強い。いったん矛を収めて、医療崩壊の諸課題解決の方向性をつけ、研修医の収入を安定させることで、「医師不足」の解消を図る議論の端緒を作れという考えは開業医サイドからも起こる可能性が強い。総合医の需要が高まる中で、開業医が「指導医」として病院に戻り、勤務医を兼務する体制作りなども浮上する。今回の中医協論議は、そうした展望に向かうスタートラインとしての期待もある。]]></description>
            <category>MedicalStream</category>
            <pubDate>Thu, 31 Jan 2008 00:00:00 +0900</pubDate>
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