【ASCO-GI】JASPAC-01 膵がんに対する術後補助療法でS-1がゲムシタビンに対する非劣性示す

公開日時 2013/01/25 04:01
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膵がん患者に対する術後補助療法として、S-1が標準療法であるゲムシタビンと比べ、全生存期間(OS)を有意に改善し、非劣性を示すことが明らかになった。S-1の臨床第3相試験JASPAC-01の中間解析から明らかになった。1月24~26日まで米国・サンフランシスコで開催中の2013 ASCO Gastrointestinal Cancers Syposiumに先駆けて、現地時間(EST時間)1月22日に開催されたPresscastで、静岡県立静岡がんセンターの上坂克彦氏が発表した。



S-1は、切除不能進行膵がん患者を対象として、日本と台湾との共同試験として行われたGEST試験で、ゲムシタビンに対する非劣性が示されている。国内では、すでに進行膵がんでの標準療法の選択肢とされている。一方、今回対照薬とされたゲムシタビンは、手術単独と比較して生存期間を有意に延長することがCONKO-001の結果から示されたことを受け、膵がんに対する術後補助療法の標準療法として位置づけられている。


試験は、治癒切除可能例に対する術後療法として、S-1のゲムシタビンに対する非劣性を検証する目的で実施された。登録期間は、2007年4月~10年1月までで、国内33施設で登録された。


登録されたステージⅠ,ⅡまたはⅢの治癒切除可能な膵がん患者385例を、術後10週以内にゲムシタビン群(1000mg/㎡を4週毎第1、8、15日目に投与×6コース、193例)またはS-1群(80-120mg/日4週投与2週休薬×4コース、192例)に無作為に割付け、治療効果を比較した。主要評価項目は、全生存期間(OS)。


今回報告されたのは、死亡例が180例に達した時点で行うことをあらかじめ設定されていた中間解析の結果で、解析対象はゲムシタビン群191例、S-1群187例の計378例。2012年7月9日にデータカットオフが行われ、独立データモニタリング委員会から、結果の早期公表を推奨されていた。


◎S-1投与でOSを44%有意に改善


その結果、2年生存率はゲムシタビン群53%に対し、S-1群では70%。非劣性のハザード比(HR)は0.56(95%信頼区間(95%CI):0.42-0.74、p<0.0001)で、事前に設定された非劣性のマージン(1.25)を満たし、非劣性が証明された。さらにS-1の優越性も示された(p<0.001)。


グレード3/4の有害事象(以下ゲムシタビン群対S-1群)は、血液毒性は、白血球減少31.9%/6.8%対3.7%/4.8%、ヘモグロビン減少が9.4%/7.9%対8.6%/4.8%など、ゲムシタビン群で多く認められた。一方、非血液毒性は、口内炎が0%/0%対2.7%/0%、下痢が0%/0%対4.3%/0.5%など、S-1群で多かったが、頻度はいずれも5%未満だった。



上坂氏は、これらの結果から「切除可能膵がん患者に対する術後補助化学療法として、S-1はゲムシタビンよりも優れていることが示された。少なくとも日本においては、これらの患者に対する標準療法として考慮すべきだと考えられる」と結論付けた。


ただ、S-1の有害事象には人種差があることが指摘されており、これまでの試験結果から、白人においては有害事象、特に下痢が多いことが知られている。そのため、欧州では胃がんに対する適応が認可されているが、米国では承認されていない。上坂氏はこの点についても触れ、今後用量を調整した上で、欧州や米国においても、膵がん患者を対象に同剤の臨床試験が実施されることに期待感を示した。


Presscastの司会を務めたUniversity Hospitals Case Medical Center Seidman Cancer Center/Case Comprehensive Cancer Center/Case Western Reserve UniversityのNeal J. Meropal氏も、「予後不良であることが知られている膵がん患者だが、1/3は治癒切除可能である。これらの患者に対する術後補助療法の標準療法はゲムシタビンであり、これまでゲムシタビンを上回る成績が得られた治療法はなかった。今回S-1で初めて、優位性が認められた」と、新たな治療選択肢になりうる可能性を評価した。

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