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英NICE最終ガイダンス  硝子体黄斑牽引治療薬ocriplasminを推奨

公開日時 2013/10/30 03:50

英国立医療技術評価機構(NICE)は10月22日、ThromboGenics(ベルギー)の眼の希少疾患である硝子体黄斑牽引症候群(VMT)治療薬Jetrea(ocriplasmin)注射剤について、8月30日に公表した最終ガイダンス案通り、英国(イングランドおよびウェールズ)NHS(国民保健サービス)における使用を推奨する内容の最終ガイダンスを発表した。


硝子体黄斑牽引症候群は、加齢により、硝子体が網膜を異常に引っ張ることで、網膜を傷害、視覚障害などを引き起こし、場合によっては、網膜部分に円孔を生じるなど眼に重大な損傷を与える。最終ガイダンスでは、網膜上膜を伴わないVMTおよび黄斑円孔がステージII(直径400マイクロメーター以下)のVMT、および/あるいは、症状が重篤なVMT治療薬のオプションとして、ocriplasminを推奨した。ocriplasminは、遺伝子組み換えヒトプラスミン(タンパク分解酵素)。


NICE医療技術評価センター(HTEC)のCarole Longson教授(センター長)は、「硝子体黄斑牽引症候群は、長期的には失明に至るなど重大な眼の障害である。ocriplasmin注射剤は、『様子をみるか』、あるいは、『手術か』の選択肢を提供することになるので、同疾患治患者および眼科医にとって新規の歓迎すべきオプションだ。NICEとしては、最終ガイダンスでocriplasminを喜んで推奨する」と話している。


同剤(0.5mg/0.2 ml注射液)の薬価は、2500ポンド(付加価値税含む)。反復注射は推奨されていないため、これがフルコース治療の薬価となる。

 

NICEの独立評価委員会は、NICEのエビデンス審査グループ(ERG)から提出されたエビデンスでは、ocriplasminの増分費用対効果(ICER)は、1QALY(質調整生存年)あたり20900ポンド以下と推定され、網膜上膜を伴わないVMT患者の治療薬としてはNHSのリソースを使用するには費用対効果があると結論付けた。
また、網膜上膜を伴わず、黄斑円孔がステージIIのVMT患者については、ICERは、1QALYあたり30500ポンド以下と推測され、同症状の患者に対してもNHSでの使用は費用対効果を持つと判断した。


英国でのVMTの罹患率は不明という。スコットランドのNICEに相当する審査機関であるScottish Medicines Consortiumは、同剤についてまだ勧告を出していない。


 

 

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