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ノバルティス 国内申請中の慢性心不全薬・LCZ696 大塚とコ・プロ契約締結

公開日時 2020/03/03 04:51
ノバルティスファーマは3月2日、新規の慢性心不全治療薬LCZ696(開発コード、一般名:サクビトリルバルサルタンナトリウム水和物)について、大塚製薬と日本における共同プロモーション契約を締結したと発表した。契約締結日は2月29日付け。契約に基づき、販売・流通はノバルティスが担い、両社共同して情報提供・収集活動を行う。ノバルティスは同剤を2019年7月に承認申請しており、20年中の承認取得が見込まれる。

ノバルティスは契約一時金として100億円を受領するほか、「目標達成」に応じたマイルストーンを受け取る。ノバルティスは大塚に売上に応じたプロモーションフィーを支払う。契約一時金以外の経済条件や、「目標」の詳細は非開示。

LCZ696はアンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI)と呼称するクラスの新薬。ネプリライシン阻害薬サクビトリルと、ARBバルサルタンを含有し、1日2回投与で、機能不全に陥った心臓の負荷を軽減する。心臓に対する防御的な神経ホルモン機構(ナトリウム利尿ペプチド系)を促進すると同時に、過剰に活性化したレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)による有害な影響を抑制することで作用を発揮する。既存のACE阻害薬やARBなどの心不全治療薬は過剰に活性化したRAASによる有害な影響を抑制するにとどまる。

■心不全領域は市場規模大きい

循環器領域にも強みを持つノバルティスは今回、パートナー企業を求めた。この点について同社広報部は本誌取材に、国内の心不全患者数は120万人いるとした上で、「市場規模は大きく、1社で展開するよりも、心不全領域に強みを持つ企業と組む方が、より多くの患者さんにLCZ696が届けられると判断した」と説明した。また、「心不全そのものの情報もしっかり届けられると考えた」とも語った。

大塚をパートナー企業とした理由については、心不全患者などにおける体液貯留を改善する水利尿薬サムスカ(一般名:トルバプタン)で存在感をみせていることを挙げた。サムスカは19年に薬価ベースで売上777億円(前年比25.8%増)、全医療用医薬品の売上ランキングで9位となっている。

ノバルティスの綱場一成社長は同契約の締結にあたり、「心不全領域に深い知見を有する大塚製薬と今回の契約を締結できたことを大変嬉しく思っている」とし、「このパートナーシップにより、慢性心不全に苦しむ患者さんの医療ニーズを、より一層満たすことができるものと期待している」とコメント。

大塚の樋口達夫社長は、「当社の最重点領域である腎・循環器領域における取り組みとポートフォリオを世界のリーディングカンパニーであるノバルティスに評価していただいたことを光栄に思う。両社が協力して、慢性心不全の患者さんに新たな治療選択肢をお届けできることを楽しみにしている」とした。
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