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武田薬品 ドローンを用いた医薬品配送の実証実験に参画 長崎県五島市の離島間で3月22日から実施

公開日時 2021/03/11 04:52
武田薬品は3月10日、固定翼型垂直離着陸(VTOL)ドローンを用いた処方せん医薬品の患者宅への配送に関する実証実験に参画すると発表した。長崎県五島市の離島間で、通院困難な患者を対象に、オンライン診療・オンライン服薬指導の実施後に処方された医薬品を患者宅までドローンで空輸するというもの。実証実験の実施者には、武田薬品のほか、ANAホールディングス、長崎大学、五島市。実施協力者には、NTTドコモ、インテグリティ・ヘルスケア、藤村薬品、東七、SkyLink Japanが名を連ねている。実験期間は、2021年3月22日〜26日。長崎県五島市にある福江島港から久賀島までの片道約16kmを約10分で配送する。

◎離島に住む通院困難な患者を想定

オンライン診療やオンライン服薬指導を活用した医療プラットフォームへの期待の高まりとともに、全国各地で調剤後の医薬品を患者宅に配送する“ラストワンマイル”の実証実験が行われるようになってきた。今回、武田薬品が参画するドローンを用いた処方せん医薬品の配送は、長崎県の地域特性とも言うべき、離島に住む高齢患者が、通院困難になった状態を想定して行うものだ。同社は、全国各地でそれぞれ異なる地域的課題が存在することに着目し、離島で生活する患者の医薬品へのアクセスや、難病症状などで通院負担の大きい患者の課題解決に有効となり得るソリューションとしての可能性の検証などを視野に入れている。

◎実証実験は、オンライン診療モデル、緊急配送モデル-2つのシナリオを用意

実証実験は、①オンライン診療モデル、②緊急配送モデル-という2つのシナリオを用意した。オンライン診療モデルは、インテグリティ・ヘルスケアのオンライン診療システム「YaDocQuick」を用い、オンライン診療・オンライン服薬指導を実施する。その後、服薬指導に基づく処方せん医薬品をドローンが患者の自宅に配送する。一方、緊急配送モデルは、緊急時や災害時を想定し、医薬品卸から医療機関への緊急配送をドローンで行うというものだ。

◎片道16㎞を固定翼VTOL型ドローンが約10分で配送

実際に実証実験でドローンが医薬品を運ぶのは、長崎県五島市の福江島港から久賀島の内陸にある久賀診療所までの片道約16km(直線距離約12km)の区間。通常は定期船と陸路で45分程度かかる行程をWingcopter社製の固定翼VTOL型ドローンが約10分で医薬品を配送する。武田薬品はこの実証実験において、ドローンを活用した処方せん医薬品および医薬品流通シナリオの策定、医薬品卸の調整などを担当する。一方、ANAホールディングスがドローンの遠隔運航管理を、NTTドコモはドローンの上空飛行に係るLTEネットワークの提供を、SkyLink Japanはドローンの機体及びシステム提供・運航サポートなどの役割を担う。そのほか、藤村薬品と東七が医薬品および処方せん医薬品の運搬を担当する。

◎医療環境構築のサポート・醸成は、製薬企業が果たすべき責務の一つ


武田薬品は今回の実証実験について、「持続可能性のある医療環境構築のサポート・醸成は、製薬企業が果たすべき責務の一つと考えている」と指摘。「オンライン診療・オンライン服薬指導およびドローン配送を組み合わせることで、離島に住む患者の医薬品アクセスを向上し、地域医療課題の解決に貢献したい」とコメントした。また、同社は、全国の様々な地域が抱える医療の課題解決にも引き続き取り組んでいきたいと意欲を示した。



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