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年間5品目以上の自主回収を7割の薬局が経験 在庫・コストとも負担大幅増 NPhA調査

公開日時 2021/09/10 04:52
NPhAは9月9日、後発医薬品の自主回収や出荷調整への影響についての調査結果を公表した。直近1年間で自主回収を5品目以上経験した薬局が全体の7割を占め、「30品目以上」の対応に追われた薬局も7.3%あった。調査結果からは、在庫確保に奔走した結果、複数の企業の在庫確保が必要になるなど、在庫負担が膨らむ様も見て取れた。また、代替品の郵送や、「後発品希望患者に先発品で提供」など、薬局の持ち出しで大幅なコスト増に至っていることも明らかになった。

調査は、NPhAの流通問題検討委員会と薬局機能創造委員会が、会員薬局管理薬剤師を対象にオンラインで実施した。期間は7月29日から8月16日までで、5232薬局から回答を得た。

◎代替品の選定や流通施策 9割の薬局が負担に

自主回収に伴う薬局で対応した業務負担は、「全ロット回収の場合の代替品の選定、流通施策」がトップで「大きな負担(67.0%)」、「負担(22.7%)」をあわせて、9割が負担を感じていた。在庫確保について、「製薬・企業納入業者と調整」を負担とする声が「大きな負担(60.2%)」、「負担(25.4%)」が9割を占めた。

「調整のたびに全卸へ在庫状況を電話で確認。1 日の業務の半分以上を薬の確保に時間を取られるようになった」-。調査結果からは、自主回収や出荷調整で業務の変更を余儀なくされている薬局の生の声も報告されている。

「日々入荷可能、不可能なメーカーが違うため、入荷しなかったらほかのメーカーを探し、かつ入らなかったメーカーの商品も発注を継続しなければいけない。その結果 2 重3重の在庫になっており、その処理にかなりの負担がかかっている」や、「在庫確保したメーカーがドミノ倒しのように次々出荷調整になるのではないか、という不安(的中する)のためいろんなメーカーの薬を在庫しているのが大変負担」など、在庫を抱えるコスト面への負担も聞かれた。また、「後発品希望患者に先発品で提供」など、薬局が持ち出しで補填しているとの声もあった。

◎首藤会長 製薬企業や医薬品卸に請求できず「持ち出しになっている」

日本保険薬局協会(NPhA)の首藤正一会長(アインホールディングス)は、薬局における流通コストの負担の大きさを強調。製薬企業や医薬品卸に請求はできないため、「持ち出しになっている」と説明。現在、見直し機運が高まっている後発医薬品調剤体制加算については、「こうした状況を踏まえて後ろ向きの議論にしてほしくない」と訴えた。

◎患者からの訴え 「安全性や有効性に対する不安」7割 「メーカーではなく薬局のクレームに」


調査結果からは、後発医薬品の供給不安に伴い、医師と患者の狭間で、悩む薬剤師の姿が垣間見える。後発品の自主回収や出荷調整に対する「患者」から訴えで、最多となったのが「安全性や有効性に対する不安の訴えあり」で69.6%。「供給不安に対する不満」が61.7%、「先発品への変更希望あり」が38.1%、「別成分の同効薬への変更希望あり」が11.1%で次いだ。

「メーカーではなく、薬局へのクレーム、批判につながっている、謝るしかできない」、「こちらから説明をしても、“自分の欲しい薬が手に入らないわけがない”、“薬局が悪い”と思っている」、「欠品は患者にとって薬局の責任であると考える方もいて説明しても理解されずクレームにつながる」との声があがった。

また、「薬局による不手際でないにもかかわらず、後発品の変更により、発生する負担金額の増額分を負担するよう求められることがある」、「完全に納得したわけではないのに、先発医薬品しかご準備がないためそちらで調剤となり、患者負担額が増える事態が発生している。薬局への信頼の低下や金額がかかわることのため強いクレームをいただくことも多々ある」など、コストや患者負担の増大を指摘する声もあった。「そういうのに対するメーカーからの補償や謝罪ってないの?という質問」も患者からあがっているという。

◎処方医から「先発品への変更希望がある」が3割に

一方で、処方医からの訴えでは、「供給不安に対する不満」が38.7%でトップ。「先発品への変更を希望する声がある」も26.5%を占めた。「自分はこのまま処方したいので、この薬局に持ってくるようにメーカーに言うようにと言われた」、「品薄状態で代替薬への変更提案をしても処方元の医療機関に拒否されてしまうケースもあり、在庫確保に苦労している」、「薬の問題は薬局の問題なのだからそちらで何とかしろ。処方は続ける、と言われた」との声も。「そもそも医師が認知していないことが多い」、「医師は今回の問題についてあまり興味がないように思われる」などの声もあがった。

◎GEメーカーに対する意見「今回のようなことがあると全て水の泡」

ジェネリックメーカーに対しては、「薬剤師がどれだけ医療費削減のためにと説明し、患者に啓発しても、今回のようなことがあると全て水の泡になってしまう。後発メーカーには自分たちが作っているものは患者の命に直結するということを改めて認識して欲しい」、「後発医薬品へのイメージ・信頼性が揺らぐ大きな問題だ。安全性・有効性は先発医薬品同等である旨を患者様に説明してきたが、今回の件で、それが保証できなくなった。患者が納得し安心して服用できるよう管理体制をしっかり整えていただきたい」などの声が上がった。

◎国に対する意見「品質の確認もきっちりと」、「先発薬価を下げて製造販売の継続を」

国に対しても、「厚生労働省が後発医薬品の促進を進めるだけでなく品質の確認もきっちりと行ってほしい」、「可能であれば今後は後発品の開発をやめて、今後特許が切れる先発医薬品の薬価を後発品並みに引き下げてそのまま製造販売を継続させることで、供給や品質を安定させてほしい」などの声があがった。




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