国内大手トップ年頭所感 いまこそ変革を恐れず、前へ
公開日時 2012/01/06 04:02
国内大手製薬企業のトップの年頭所感は、世界経済の混迷が深まり、日本経済もまた低迷にあえぎ、厳しい状況にあることを伝えながら、こういう時こそ率先して事業変革に恐れず取り組むことを社員に求める内容が目立った。
武田薬品の長谷川閑史社長は、新興国の成長に取り組む必要性を強調。新興国に強いナイコメッドの買収を通じ、「新たなタケダへの変革」を加速するとし、社員に対し「変革の主役としてそれぞれの使命を果たし、未来へ切り拓いていくと確信している」と呼びかけた。
アステラス製薬の畑中好彦社長は、新しい市場環境でも勝ち残れるビジネスモデルである、重点領域において価値ある医薬品を提供し、リーダーになる「グローバル・カテゴリー・プレイヤー」に向けた取り組みを求めた。
第一三共の中山讓治社長は、「過去の大恐慌の時代には大きなイノベーションが生まれた」とし、発想を転換することが革新・イノベーションにつながり、そこへ「気迫と意志」を持って取り組むことを促した。その中では「医師とより強い信頼を構築し、ディテールのインパクトを高め、処方の拡大を実現することなど売上を拡大につながる」ことも革新の一つだとした。
エーザイの内藤晴夫社長は、主力品の特許切れを受けた中期経営戦略で掲げた「『転換』を実現すべく、真のグローバル製薬企業に向け、登竜門をくぐりぬけ、新たな段階へジャンプアップさせる年」だと位置付けだ。
準大手メーカーでも、いまの市場変化を変革へのチャンスだとし、その変化に対応するだけでなく先取りしていく姿勢を求める内容がみられた。