英NICE フルベストラントとの併用下でのアベマシクリブ NHSでの通常使用を推奨
公開日時 2021/08/23 04:49
英国立医療技術評価機構(NICE)は8月12日、米イーライリリー社のCDK4/6阻害剤・Verzenios(一般名:アベマシクリブ)について、抗エストロゲン剤フルベストラントとの併用下で、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性の進行もしくは転移乳がんの適応でNHS(国民保健サービス)における通常使用を推奨するガイダンス案を発表した。従来のCDF(抗がん剤基金)で使用していた。
NICEは、NHSでの通常使用を非推奨とした初回ガイダンス発表以降、患者から同剤についての価値をさらに聴取。イーライリリー社が提出した、新規の医療経済モデルデータに基づき、検討の結果、推奨に転じた。
今回のガイダンス案により同剤は、アロマターゼ阻害剤エキセメスタンとmTOR阻害剤エベロリムスの投与が最適とされている患者の新規治療選択肢となる。同剤投与適格患者は、約2500人と推定される。
NICEのMeindert Boysen医療技術評価センター長は、エキセメスタンとエベロリムスの併用療法のQOL(生活の質)への影響が化学療法と同程度で、忍容性が低いと説明。「我々は、アベマシクリブとフルベストラントの併用をすでに内分泌療法を受療した進行乳がん患者に対して新規の治療選択肢として通常使用を喜んで推奨する」とコメントした。NICEは、最終ガイダンスを、今年9月に発行する予定。