英NICE 武田薬品の肺がん治療薬モボセルチニブを推奨
公開日時 2022/11/28 04:49
英国立医療技術評価機構(NICE)は11月16日、武田薬品の分子標的抗がん剤Exkivity(モボセルチニブ)について、上皮成長因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異陽性の進行非小細胞肺がん(NSCLC)の適応でNHS(国民保健サービス)における通常使用を推奨する最終ガイダンス案を発表した。武田薬品は、NHS(国民保健サービス)に対して同剤を割引価格で供給することに合意している。
今回のガイダンス案では、プラチナ製剤をベースとした化学療法既治療のEGFRエクソン20挿入変異陽性の進行NSCLC患者が投与対象で、適格患者は約100人(推定)。現在、EGFRエクソン20挿入変異陽性の進行NSCLC患者に対する標準治療薬は確立されておらず、アンメットメディカルニーズとなっていた。同剤と、免疫療法やニンテダニブとドセタキセル併用、もしくはドセタキセルと非併用との比較では、モボセルチニブが患者を延命させることが示唆された。
NICEの独立委員会は、同剤が全生存期間(OS)を3か月以上延長する可能性があるとしている。NICEのHelen Knight医薬品評価暫定部長は、「この薬剤は、進行NSCLCの患者の特殊な遺伝子変異を標的としたNICE初の承認薬である。同剤のエビデンスは、患者の延命だけでなく、増悪までの期間を延長することを示している」とコメントしている。