卸連・宮田会長 薬価改定財源と政府の少子化対策予算は切り分けを
公開日時 2023/07/28 04:50
日本医薬品卸売業連合会の宮田浩美会長(スズケン会長)は7月27日の理事会後の会見で、毎年薬価改定による財源について、「少子化対策の財源として充当されるようなことはあってはならない」と述べ、少子化財源と切り分ける必要性があるとの考えを示した。少子化対策は「非常に重要な問題」との認識だが、医療費や薬剤費にも余裕はなく、医薬品卸としても厳しい経営状況にあると指摘した。そのうえで、「毎年改定によって出された財源は、まずは診療報酬や調剤報酬といった財源に振り向ける。まさに、そういうところに使われるべきものだ」と強調した。
◎「流通改善が実効性の高いものとなるように進めたい」
流通改善については、「医療機関、保険薬局、製薬メーカーの皆さまと、ある面で合意しつつ、流通改善が実効性の高いものとなるように進めたい」、「医薬品卸の機能や役割を丁寧に説明していきたい」と改めて語った。6月26日の厚労省の「医療用医薬品の流通の改善に関する懇談会」
(記事はこちら)や7月5日の中医協薬価専門部会
(記事はこちら)で卸連として意見陳述したとして、この日は詳細に所見は述べなかった。
また、宮田会長は、線状降水帯の発生による水害が全国各地で起こり、医療機関や保険薬局が冠水して医療が提供できず、調剤もできなくなった際に、地域の医薬品卸の社員が高圧洗浄機や大きなヘラで汚れをかき出すなどして医療の一刻も早い復旧に取り組んでいたことを紹介した。そして、「このような取り組みは卸の役割・機能ではないが、医療に対する高い意識、知見を持つ社員がたくさんいるということであり、卸連会長として誇りに思う」と述べた。