小野薬品 英国Turbine社と研究提携 AI駆動型細胞シミュレーション技術でがん領域の治療標的拡大へ
公開日時 2023/10/25 04:50
小野薬品は10月24日、英国Turbine社とがん領域における治療標的の同定および検証に関する研究提携契約を締結したと発表した。Turbine社は、AI駆動型細胞シミュレーション技術の「Simulated Cell」によりがん領域で新たな治療標的を見出し、その作用機序の解明および動物モデルでの検証試験を実施する。小野薬品はTurbine社に契約一時金、研究費、標的同定および検証の進捗に応じたマイルストン、医薬品開発の進捗および売上高に応じたマイルストンを支払う。
Turbine社の「Simulated Cell」技術とは、遺伝子とタンパク質のオミクス情報を基盤としたネットワークに機械学習を活用して構築された仮想細胞を使ったシミュレーションプラットフォーム。仮想細胞を活用することで、実験モデルより患者の生物学的な特性をより良好に捉えることができ、遺伝学的な実験手法よりも薬物に類似した作用の検証が可能となる。このプラットフォームを活用することで新薬の成功確率が高まると期待されている。
小野薬品の滝野十一研究本部長は、「従来のアプローチでは見出すことのできない新規治療標的の同定を可能とするTurbine社のAI駆動型細胞シミュレーションプラットフォームを高く評価している。今回の提携により、がん領域の開発パイプラインを拡大し、患者さんの治療ニーズを満たし得る新たな治療選択肢をお届けできるよう取り組みたい」と強調した。