小野薬品 米・ハーバード大と新規治療標的の検証で提携 がん領域などでオープンイノベーション推進
公開日時 2024/03/12 04:49
小野薬品は3月11日、米・ハーバード大と新規治療標的の検証を目指した5年間の包括的研究提携契約を締結したと発表した。同社の重点領域であるがん、免疫、神経およびスペシャリティ領域で、両者の専門技術、創薬ノウハウや知見を活用しながら、共同研究を推進する方針。今回の提携は、同社のオープンイノベーション推進の一環。
今回の提携では、ハーバード大の技術開発部門である Office of Technology Development(OTD)と協働し、同社が創薬の重点領域に据えるがん、免疫、神経およびスペシャリティ領域のアンメットメディカルニーズの高い疾患を中心に、研究ラボから新規創薬標的分子の検証に至る研究テーマを募集する。採択された研究テーマについては、研究費を同社が負担し、両者の専門技術、創薬ノウハウや知見を活用しながら、共同研究を推進するとしている。
同社の滝野十一取締役専務執行役員研究本部長は、「今回の提携により、お互いの強みを補完し、革新的 な医薬品の創製に繋がる新規治療標的の検証を加速していく。私たちはアンメットニーズを抱える患者さんに革新的な医薬品をお届けできるよう、今後も取り組む」とコメント。
ハーバード大のIsaac Kohlberg上級副学長兼最高技術開発責任者は、「企業との戦略的な提携は、産業界の力を利用して学術界にイノベーションをもたらすものと考えている。今回のような提携は、単に画期的な発見を具体的な製品に変えるスピードを加速させるだけでなく、実社会への応用により、ハーバード大学の研究をさらに強化する」とコメントを寄せている。