米・モデルナは５月１日、OpenAIの生成ＡＩツール「ChatGPT Enterprise」を導入し、ビジネス変革と生産性向上に取り組むと発表した。同社は23年から内製ChatGPTの「mChat」を導入し、法務、研究、製造、マーケティング、営業に至るビジネスにおいて社員の8割以上が活用している。今回。ChatGPT Enterpriseを導入したことで、後期臨床試験開始前のワクチン用量プロファイルを最適化するための検討などへの応用が期待されている。

同社は23年初めからOpenAIとの協業を開始。同社のAPIをベースに、モデルナの内製ChatGPTの「mChat」を導入した。今回導入したChatGPT Enterpriseは、高度な分析画像生成とGPTの拡張機能を備えたことを踏まえ、社員個々のビジネスニーズに合わせたサポーツールとしての活用を想定している。なお、ChatGPT EnterpriseはOpenAIが法人向けプランとして提供するもの。

モデルナのステファン・バンセル最高経営責任者は、「1980年代にパソコンが私たちの仕事や生活のあり方を変えたように、ＡＩは私たちの日常生活を根本的に変える可能性を秘めている。モデルナは、今後数年間に複数の製品を上市するという計画があり、OpenAIとの協力は、私たちの事業拡大と患者さんへの貢献を最大化するために必要不可欠だ」とコメントした。

一方、OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者は、「「モデルナは全ての従業員がＡＩを活用し、複雑な問題に取り組めるようリーダーシップを発揮している。OpenAIはモデルナと協力し、共に次世代医薬品を患者さんに提供できることを楽しみにしている」と強調した。