中医協総会は12月４日、万有製薬／小野薬品の「ジャヌビア錠／グラクティブ錠」（一般名：シダグリプチン塩酸塩）やアストラゼネカの「シムビコートタービュヘイラー」（ブデソニド・ホルモテロールフマル酸塩水和物）など12成分23品目の薬価収載（12月11日予定）を了承した。

ジャヌビア／グラクティブはDPP-4阻害剤と呼ぶ新しい作用機序の２型糖尿病治療薬。適応は２型糖尿病で▽食事療法・運動療法のみ▽食事療法・運動療法に加えてスルホニルウレア剤を使用▽食事療法・運動療法に加えチアゾリジン系薬剤を使用▽食事療法・運動療法ビグアナイド系薬剤を使用――で十分な効果が得られない場合に限って使用する。１日薬価は216.90円で、初年度5.3億円（予測投与患者数：4.2万人）、10年後のピーク時431億円（82万人）を見込む。

ジャヌビア／グラクティブの比較薬は武田薬品のアクトス。当初は補正加算が適用されなかったが、企業側は▽体重増加の抑制▽浮腫、心不全リスクの低減および高い安全性▽肝機能障害患者への投与▽腎機能障害者への投与▽骨折リスクの低減――を理由に有用性加算２（15％）の適用を希望した。これに対し、薬価算定組織は英国NICEの治療ガイドラインで評価を受けており、糖尿病の増悪因子であることを理由に、体重増加の抑制のみについて臨床上有用な新規の作用機序と認め、有用性加算２（10％）がついた。

シムビコートタービュヘイラーは気管支喘息治療薬で、吸入ステロイドと長時間作動型吸入β2刺激剤の配合剤。１日薬価は200.50円。初年度5.6億円（4.9万人）、９年後のピーク時に291.6億円（99.5万人）を予測する。

小野薬品の「イメンドカプセル」（アプレピタント）は、抗悪性腫瘍剤（シスプラチンなど）投与に伴う悪心、嘔吐を改善する薬剤。１日目は125mg、２～３日目は80mg（いずれも１日１回）と３日間服用する。そのため125mg製剤と80mg製剤を１シートにしたセット製剤も揃えた。比較薬は杏林製薬のシンセロン錠で、新規の作用機序を持ち既存薬では効果不十分な遅発期の悪心、嘔吐に対する有用性が認められたとして有用性加算２（25％）を適用。125mg製剤は4946円、80mg製剤は3380.90円、１セットは１万1707.80円。初年度1.5億円（1.3万人）、８年後のピーク時に15.0億円（12.8万人）を見込む。

そのほか薬価収載が了承されたのは、日本イーライリリーの「アドシルカ錠」（タダラフィル）、ゼリア新薬の「アサコール錠」（メサラジン）、富山化学の「オゼックス細粒小児用」（トスフロキサシントシル酸塩水和物）、サノフィ・アベンティスの「ラスリテック点滴静注用」（ラスブリカーゼ（遺伝子組換え））、大日本住友製薬の「ミリプラ動注用」（ミリプラチン水和物）「ミリプラ用懸濁用液」（ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステル）、ワイスの「ベネフィクス静注用」（ノナコグアルファ（遺伝子組換え））、日本新薬の「エリザベスカプセル」（デキサメタゾンシペシル酸エステル）、東亜薬品の「バンコマイシン眼軟膏」（バンコマイシン塩酸塩）。