大洋薬品工業は４月12日、承認規格外の医薬品を製造した高山工場に対する行政処分を受けて「当面の改善策」を発表した。その中で、業績の急成長による品目数の増加と、社内管理体制のバランスがとれていなかったことが不祥事の原因の１つとし、７月末を目処に「製造販売品目の見直しを実施する」と、自社販売品目（現在558品目＝経過措置・中止品の続）を削減する方針を打ち出した。どの程度減らすかは今後詰める。この方針を受け、10年５月に予定していた７成分12品目の薬価収載を見送ることになった。

規格外製品が製造・出荷されたのは、原料、添加剤の配合ミスに気づきながら、ミスを隠蔽していたため。その経緯について「社内処罰を恐れた秤量・混合工程責任者が、自らの意思で意図的に、別ロットの試験用サンプルを品質部門に提出するよう次の工程の責任者に指示をした」と説明。処罰を恐れた背景には「信賞必罰を厳格にする方針」が「遠因」としてあったと指摘し、今後、賞罰方針も見直すとした。

これら対策は再発防止委員会が検討し、今後は対策の進捗状況を検証する。５月に外部有識者による委員会も立ち上げ、意見を再発防止策に生かす。