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日本含む国際多施設共同登録調査 TIA registry.orgスタート

公開日時 2010/05/17 04:01

日本を含む世界20カ国で、一過性脳虚血発作(TIA)や軽症脳梗塞患者を追跡する国際多施設共同登録調査「TIA registry.org」がスタートした。短期的・長期的な脳・心血管イベントの発症リスクを検討する。東京女子医科大学神経内科教授の内山真一郎氏が4月17日、合同シンポジウム「一過性脳虚血発作の新展開と治療」の中で報告した。


試験は、ウエブ登録に基づく医師主導型の前向き観察研究。発症後7日以内のTIAまたは軽症虚血性脳卒中(modified Rankin Scaleで0[全く症状なし]または1[何らかの症状はあるが障害はない])患者を対象に、アテローム血栓性事象の発症率を短期的・長期的に評価する。看護師や医師が電話などで、365日24時間体制でTIAを発症した患者に対応し、早期診断・早期治療を行うシステム、いわゆる“TIAクリニック”で症例を集積するのが特徴だ。


対象患者は、①年齢が18歳以上(日本では20歳以上)②登録前に承諾書に署名③年2回の受診が可能――なTIAまたは軽症虚血性脳卒中患者である。主要評価項目は、心血管死、非致死的脳卒中、非致死的心筋梗塞の発症。


追跡期間は5年間で、試験開始時、1カ月、3カ月、1年、2年、3年、4年、5年でデータを回収する。試験開始から2年時点で中間解析を実施する予定。すでに2009年第1四半期に試験はスタートしており、10カ国以上で5000症例を蓄積することを目標としている。


◎日本独自のデータ収集と解析も予定


同研究の一環として、日本では「急性脳血管症候群登録観察研究(ACVS Registry Study)」を4月からスタートさせた。


上記と同一のプロトコルだが、①アテローム血栓性事象を引き起こす予測因子の評価(登録時、追跡期間中)②追跡期間中のアテローム血栓性事象に対する治療内容の記載③追跡期間中の危険因子の管理目標達成度の評価④TIA治療の費用対効果――を調査し、日本人のデータとして独自の解析も行う予定である。登録期間は、2010年4月~2011年9月までの18カ月間。中村記念病院、秋田県立脳血管研究センター、東京女子医科大、国立循環器病研究センター、神戸市立医療センター、九州医療センターの6施設で、300症例の集積を目指す。


内山氏は、「本研究により、TIA患者の脳卒中や心血管イベントの発症リスクと、各国の診療実態が明らかにされ、我が国でのTIA救急診療体制の整備に寄与することが期待される」と述べた。

 

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