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製薬協・長谷川会長 新薬創出加算本格実施へ「長期収載品の引き下げやむを得ず」

公開日時 2010/05/24 04:02

日本製薬工業協会の長谷川閑史新会長(武田薬品社長)は5月21日、東京都内で開いた就任会見で、4月から試行導入された新薬創出・適応外薬解消等促進加算の12年度本格実施に向けて大きな課題のひとつとなる同加算の財源について、後発品の使用促進に加え、長期収載品の薬価引き下げで対応することも「ある程度はやむを得ない」と表明した。

新薬創出加算は特許期間中の新薬で一定条件を満たした場合に、薬価改定を特許切れまで先送りする新ルール。新薬の薬価を実質的に維持して研究開発費の回収を早め、次の新薬の開発促進やドラッグ・ラグの解消につなげるのがねらいだ。ただ、同加算には一定の財源が必要となるため、政府の後発品の使用目標(12年度に数量ベースで30%)を達成することで、必要財源を賄う制度設計となっている。ただ、後発品の使用状況は08年度で17.6%(日本ジェネリック製薬協会調べ)にとどまり、12年度目標の達成は困難との見方がある。

長谷川会長は、新薬創出加算は新薬の開発促進に寄与し、国民の保健医療水準の向上にも資するなどとして、12年度の本格実施に強い意欲を示した。その上で、「(新薬創出加算で)医療費は増加していく。どうバランスをとるかについては、長期収載品でも段階的に、ある程度の引き下げを(加盟各社に)のんでいただく必要がある」と述べ、結果的に長期収載品の薬価引き下げとなっても同加算の本格実施につなげるべきとの姿勢を見せた。ただ、長期収載品比率の高い企業に対する激変緩和の観点から長期収載品の薬価引下げは「段階的」であるべきと強調するとともに、加盟各社に新薬価制度への早急な対応も求めた。新薬創出加算の本格実施に向けて業界に課されている未承認・適応外薬解消への積極的な取り組みや、流通改善の必要性も指摘した。

●後発品市場に言及

一方で、長谷川会長は、後発品市場の考え方で疑問を呈した。「私としては、特許切れ製品の中の先発品と後発品を分ける意味がどこにあるのか、疑問に思っている」とした上で、「長期収載品や後発品は特許切れ製品として、ブランドジェネリックやジェネリックと分けた方が実態を正確に表している。今後、行政と対話して、『後発品の使用促進』とは何をどうしたいのか、一度しっかり整理したい」と述べ、新薬創出加算の財源として、また医療費適正化の観点からも、長期収載品のあり方を検討したい意向を示した。

そのほか、長谷川会長は、日本、韓国、中国、インドといったアジアの製薬関連団体との連携を推進していく方針を表明。「現在のアジアの発展をみると、いずれアジアとしてのVoiceをまとめる必要が出てくると思う。会長の間に何らかの組織作りのきっかけでも作りたい」と述べた。

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