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厚労省 新薬34品目を承認

公開日時 2011/07/04 04:02

厚生労働省は7月1日、新薬34品目を承認した。この中には、アステラス製薬の新規作用の過活動膀胱治療薬ベタニス錠、生物学的製剤の新規関節リウマチ薬シンポニー(ヤンセンファーマ)、2型糖尿病の治療薬でDPP-4阻害薬アログリプチン(製品名:ネシーナ)とチアゾリジン系薬ピオグリタゾン(同アクトス)を配合したリオベル配合錠(武田薬品)などがある。

承認品目は次のとおり。
▽リオベル配合錠LD、同HD(一般名:アログリプチン安息香酸塩/ピオグリタゾン塩酸塩、武田薬品):「2型糖尿病」を効能効果とする新医療用配合剤。海外承認なし。

▽タルセバ錠25mg、同100mg(一般名:エルロチニブ塩酸塩、中外製薬):「治癒切除不能な膵がん」の効能・効果を追加とする新効能・新用量医薬品。ゲムシタビンと併用する。膵がん適応では海外76カ国・地域で承認済み。この適応は、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」(未承認薬検討会議)で開発要請されていた。

▽ロタリックス内用液(経口弱毒生ヒトロタウイルスワクチン、グラクソ・スミスクライン):「ロタウイルスによる胃腸炎の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。海外115カ国で承認(凍結乾燥製剤含む)。国内初のロタウイルスワクチン。

▽ベタニス錠25mg、同50mg(一般名:ミラベグロン、アステラス製薬)「過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁」を効能・効果とする新規有効成分含有医薬品。選択的β3アドレナリン受容体作動薬という新規作用により、膀胱平滑筋を弛緩させ、症状を改善する。海外承認はなし。

▽ホストイン静注750mg(ホスフェニトインナトリウム水和物、ノーベルファーマ):「てんかん重積状態、脳外科手術または意識障害(頭部外傷等)時のてんかん発作の発現抑制、フェニトインを経口投与しているてんかん患者における一時的な代替療法」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。海外24カ国・地域で承認済み。この適応は、厚労省の未承認薬検討会議で開発要請されていた。

▽アレロック顆粒0.5%(オロパタジン塩酸塩、協和発酵キリン):アレルギー鼻炎などの小児用量(2~6歳)の追加。顆粒剤の追加。海外で小児用量の承認なし。

▽シンポニー皮下注50mgシリンジ(一般名:ゴリムマブ遺伝子組換え、ヤンセンファーマ):「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」を効能効果とする新有効成分含有医薬品。海外40カ国で承認。抗TNFαヒトモノクローナル抗体。臨床試験ではMTX併用と単剤で試験を実施し、いずれの用法・用量も承認を取得し、月1回投与する。田辺三菱製薬と同一販売名で共同販売する。

▽ゾリンザカプセル100mg(ボリノスタット、MSD):「皮膚T細胞性リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。オーファン指定。海外20カ国・地域で承認済み。未承認薬検討会議で開発要請されていた。

▽ネキシウムカプセル10mg、同20mg(エソメプラゾールマグネシウム水和物、アストラゼネカ):「胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍、逆流性食道炎、非びらん性胃食道逆流性食道症、Zollinger-Ellison症候群、非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制、ヘリコバクター・ピロリ除菌の補助」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。海外120カ国以上で承認。オメプラゾールの光学異性体でS体のみを取り出した薬剤。オメプラゾールにない「非ステロイド性抗炎症薬投与時における胃潰瘍または十二指腸潰瘍の再発抑制」の効能を持つ。

▽ガーダシル水性懸濁筋注、同シリンジ(組換え沈降4価ヒトパピローマウイルス様粒ワクチン酵母由来、MSD):ヒトパピローマウイルス(HPV)6、11、16、18型の感染に起因する子宮頸癌、尖圭コンジローマなどの予防を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。海外130カ国以上で承認済み。子宮頸がんワクチンとして既に承認されているグラクソ・スミスクラインのサーバリックスはHPV16と18型によるものが適応。同省によると、HPVに起因する子宮頸がんのうち16と18型によるものが約7割という。

▽コアベータ静注用12.5mg(ランジオロール塩酸塩、小野薬品):「コンピュータ断層撮影による冠動脈造影における高心拍数時の冠動脈抽出能の改善」を効能・効果とする新効能、新用量、剤形追加に係る医薬品。心房細動などの緊急処置に用いるオノアクトと同じ成分で、心拍数の減少作用により造影時のブレを抑える。オノアクトは50mg製剤だが、コアベータは12.5mg製剤。海外承認なし。

▽オンブレス吸入用カプセル150μg(インダカテロールマレイン酸塩、ノバルティスファーマ):「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療薬としては海外50カ国で承認済み。長時間作用性β2刺激剤。1日1回吸入する。

▽ラミクタール錠25mg、同100mg(ラモトリギン、グラクソ・スミスクライン):「双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制」の効能・効果を追加する新効能、新用量医薬品。海外84カ国・地域で承認済み。同剤は日本では抗てんかん剤として使用されている。

▽キュビシン静注用350mg(ダプトマイシン、MSD):「ダプトマイシンに感性のMRSAによる敗血症、感染性心内膜炎、深在性皮膚感染症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。海外71カ国で承認済み。

▽ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.8mL、同20mgシリンジ0.4mL(アダリムマブ遺伝子組換え、アボット・ジャパン):「既存治療で効果不十分な多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎」の効能・効果を追加する新効能・新用量・新剤形追加にかかる医薬品。20mgを今回規格追加した。若年性特発性関節炎の治療薬としては海外50カ国で承認済み。

▽トラゼンタ錠5mg(リナグリプチン、日本ベーリンガーインゲルハイム):「2型糖尿病(ただし、食事療法・運動療法のみで十分な効果が得られない場合に限る)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。DPP-4阻害薬という新規作用の糖尿病薬で、日本で同系統の薬剤の承認は5社目。海外では米国で承認済み。

▽リカルボン錠50mg(ミノドロン酸水和物、小野薬品)、ボノテオ錠50mg(同、アステラス製薬):「骨粗鬆症」を効能・効果とする新用量、剤形追加に係る医薬品。現在は毎日投与の1mg製剤が販売されているが、これは4週に1回で効果を発揮する。同剤は服用後30分以内は横になってはいけないなどの制限があり、毎日服用ではコンプラインアンスに影響するとして、今回の改良製剤となった。海外承認なし。

▽ガバペンシロップ5% ガバペン錠200mg、同300mg、同400mg(ガバペンチン、ファイザー):てんかんの小児用量の追加。錠剤に小児適応を追加するとともに、シロップも追加。未承認薬検討会議で開発要請されていた。海外では61カ国・地域で承認済み。

▽ジスロマック点滴静注用500mg(アジスロマイシン水和物、ファイザー):「アジスロマイシンに感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、モラクセラ・カタラーシス、インフルエンザ菌、ペプトストレプトコッカス属、レジオネラ・ニューモフィラ、クラミジア増、マイコプラズマ属による肺炎」を効能・効果とする新投与経路医薬品。既存薬は経口剤。

▽ペガシス皮下注90μg (ペグインターフェロンα-2a、中外製薬)、コペガス錠200mg(リバビリン、中外製薬):「C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」の効能・効果を追加する新効能、新用量医薬品。他にも肝硬変の適応を持つ薬剤はあるが「セログループ1の血中HCVRNA量が高い場合を除く」といった制限があったのに対し、この薬剤は制限なく使える。海外では110カ国以上で承認済み。

▽ジトリペンタートカル静注1000mg(ペンテト酸カルシウム三ナトリウム、日本メジフィジックス)、アエントリペンタート静注1055mg(ペンテト酸亜鉛ナトリウム、同):「超ウラン元素(プルトニウム、アメリシウム、キュリウム)による体内汚染の軽減」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。原発事故などで浴びた放射性物質を尿中排泄する作用がある。海外では米独仏で承認済み。未承認薬検討会議で開発要請されていた。
 日本には、放射性セシウムの体内汚染の軽減を図るラディオガルダーゼカプセル(日本メジフィジックス)はあった。

訂正(4日14時40分)
ホストイン静注750mgの申請社名がノバルティスファーマとあったのは、正しくは「ノーベルファーマ」です。訂正いたしました。

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