厚生労働省は11月28日、後発医薬品の薬価追補収載を官報告示した。後発品が初めて収載されたのは９成分22規格186品目。国内売上高（薬価ベース）が1000億円を超えるアルツハイマー型認知症治療薬「塩酸ドネペジル」（先発品名＝アリセプト錠）と高脂血症治療薬「アトルバスタチンカルシウム水和物」（リピトール錠）にも後発品が初参入し、ドネペジルについては30社101品目が収載された。この30社にものぼった後発品初収載時の収載社数は、08年に初収載されたCa拮抗薬アムロジピン（ノルバスク錠／アムロジン錠）の34社に次ぐ多さとなる。

ドネペジル後発品を手掛ける企業は沢井製薬などの後発品専業メーカーやサンドなど外資系後発品メーカーのほか、第一三共エスファ、田辺三菱製薬、大日本住友製薬、Meiji Seikaファルマ、キョーリンリメディオなどの先発品メーカーも名を連ねた（下に一覧表）。ほとんどの参入企業が通常錠とＯＤ錠の両方を持って参入したが、細粒も３社３品目あった。大日本住友、沢井、東和薬品などは28日に後発品を同日から新発売したと発表。第一三共エスファはホームページ上で添付文書などの公開を始めた。今回の参入企業の多くが同日から発売し、プロモーションを本格化したとみられる。

◎リピトール後発品にエルメッドエーザイ　クラリチン後発品にファイザー

一方、アトルバスタチンには５社10品目の後発品が初参入した。先発品メーカーではエルメッドエーザイのみ参入した。また、100億円以上の売上がある抗アレルギー薬ロラタジン（クラリチン錠）にも22社38品目の後発品が初参入した。ロラタジン後発品の申請会社名にはエルメッドエーザイやファイザーの名があり、両社とも先発品ビジネスで手掛けていない第２世代抗ヒスタミン薬市場に進出することになる。

なお、今回の追補収載で初めて後発品が参入した９成分はドネペジル、アトルバスタチン、ロラタジンのほかに▽抗精神病薬「塩酸ペロスピン水和物」（ルーラン錠）▽糖尿病用薬「ナテグリニド」（ファスティック錠／スターシス錠）▽閉経後乳がん用薬「エキセメスタン」（アロマシン錠）▽肺動脈性肺高血圧症用薬「エポプロステノールナトリウム」（静注用フローラン）▽エポプロステノールナトリウム専用溶解液（静注用フローラン専用溶解液）▽点眼用抗菌薬「レボフロキサシン水和物」（クラビット点眼液）――。

【ドネペジルの申請会社名】▽大原薬品工業▽救急薬品工業▽共和薬品工業▽キョーリンリメディオ▽寿製薬▽沢井製薬▽サンド▽シオノケミカル▽全星薬品工業▽第一三共エスファ▽大正薬品工業▽ダイト▽大日本住友製薬▽大洋薬品工業▽高田製薬▽辰巳化学▽田辺三菱製薬▽鶴原製薬▽東和薬品▽日医工▽日医工ファーマ▽日新製薬▽ニプロファーマ▽日本ケミファ▽日本ジェネリック▽ビオメディクス▽富士フイルムファーマ▽マイラン製薬▽Meiji Seikaファルマ▽陽進堂

【アトルバスタチンの申請会社名】▽エルメッドエーザイ▽小林化工▽沢井製薬▽サンド▽東和薬品

【ロラタジンの申請会社名】▽あすか製薬▽エルメッドエーザイ▽救急薬品工業▽共和薬品工業▽キョーリンリメディオ▽興和テバ▽小林化工▽沢井製薬▽大興製薬▽大正薬品工業▽ダイト▽辰巳化学▽長生堂製薬▽東和薬品▽日医工▽日新製薬▽ニプロファーマ▽日本ジェネリック▽ファイザー▽富士フイルムファーマ▽マイラン製薬▽陽進堂