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【速報】薬価本調査 平均乖離率約8.4% 2年前の前回調査と同水準

公開日時 2011/12/02 08:20

厚生労働省は12月2日午前の中医協総会に薬価本調査(2011年9月取引分、速報値)の結果を報告、薬価と市場での取り引き価格との開きを示す平均乖離率は約8.4%だった。調整幅2%を差し引くと、2012年4月の薬価改定では、この市場実勢価に基づく通常改定分だけで平均6.4%の引き下げとなる。厚労省によると、2012年度の薬剤費は約8.4兆円との見込みのため、通常改定分で約5400億円の薬剤費が圧縮される。


なお、事業仕分けで求められた長期収載品の一律引下げや、この2年間に初めて後発品の参入があった先発品の引下げ、市場拡大再算定などの取り扱いで薬価の下げ幅はより拡大する可能性がある一方、新薬創出加算や医療上必要性の高い医薬品、不採算品などの取り扱いによって薬価の下げ幅は緩和される。このため最終的な薬価改定率は不透明な状況。


投与形態別の乖離率は、内用薬8.9%(前回調査結果=8.7%)、注射薬7.4%(7.9%)、外用薬7.6%(7.5%)。


主要薬効群別では、内用薬のうち、▽血圧降下剤9.6%(9.4%)▽消化性潰瘍用剤10.8%(9.9%)▽高脂血症用剤10.1%(9.8%)▽精神神経用剤8.2%(8.2%)▽その他の血液・体液用薬9.0%(8.6%)▽その他のアレルギー用薬10.5%(9.7%)▽糖尿病用剤9.1%(8.6%)▽他に分類されない代謝性医薬品8.3%(8.3%)▽血管拡張剤11.6%(10.8%)▽その他の中枢神経系用薬6.3%(-)――。


注射薬では、▽他に分類されない代謝性医薬品9.7%(11.2%)▽その他のホルモン剤(抗ホルモン剤含む)7.4%(7.5%)▽血液製剤類3.3%(3.4%)▽その他の抗腫瘍薬5.7%(7.0%)▽主としてグラム陽性・陰性菌に作用するもの9.2%(8.8%)――。


外用薬では、▽鎮痛・鎮痒、収斂、消炎剤8.0%(7.4%)▽眼科用剤7.5%(7.1%)▽その他の呼吸器官用薬7.6%(7.9%)――。


◎新薬創出加算 加算品目とそれ以外で取引価格にメリハリ


2年前の前回調査(09年9月取引分)の平均乖離率も約8.4%だった。今回の結果は前回と全く同水準となる。ただ、市場環境は10年4月に試行導入された新薬創出加算によって前回調査時点と大きく様変わりしている。新薬創出加算は、その仕組み上、加算品目の取引価格水準が高止まりする一方、医療機関が加算品目とは認められないと判断した品目(いわゆるゾロ新など)や、そもそも加算品ではない品目(特許切れ成分を含む内用配合剤、長期収載品、後発品)でより大きく値引きが求められる。この結果が今回の調査結果に反映している一方、平均乖離率は前回調査と同水準だった。これらから、加算品目とそれ以外の品目で取引価格のメリハリ付けが一層強まったことを裏付けたといえそうだ。

 

 

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