アストラゼネカ 米営業部門 1/4相当の1150人削減を発表
公開日時 2011/12/09 04:01
アストラゼネカは12月7日、アメリカの営業部門で管理職、営業担当者を1150人削減すると発表した。今回の削減数は同社のアメリカでの営業部門人員の約24%に当たる。
◎主力品の特許切れに伴うコスト削減策
同社は昨年2月に2014年までに当時の同社の全世界での従業員6万3000人のうち16.5%に当たる営業部門2240人、管理部門4540人、研究開発部門3620人、合計1万400人を削減する方針を明らかにしている。これは2010年に主力品の1つである抗がん剤アリミデックス(一般名・アナストロゾール)の特許切れを迎え、同社の売上の柱となっている抗精神病薬セロクエル(一般名・クエチアピンフマル酸塩)の特許も12年に失効する見込みのため、コスト削減策を加速化に踏み切ったといわれている。
その一方で、アメリカでは今回の発表に先立ち、10月にデラウェア州ウィルミントンにあるアメリカ事業の本部で、ワクチン部門の70人を含む約400人を12月まで削減させると発表したばかり。今回の1150人の削減については2012年2月初めまでに終了する見込みとし、これにかかる費用として5000万ドル~1億ドルを2011年第4四半期に計上するとしている。
◎リピトールの特許切れがクレストールに影響及ぼすとの懸念も
このように同社がアメリカでの人員削減を加速させている背景には、ファイザー社のブロックバスターである脂質異常症治療薬・リピトール(一般名・アトルバスタチン)の特許が先月末に失効したことに伴う同薬のジェネリック品の上市が、アストラゼネカの売上トップ商品である脂質異常症治療薬・クレストール(一般名・ロスバスタチン)にも影響を及ぼすことへの懸念の表れとの指摘もある。