GSK 抗うつ剤パキシルCR錠の承認取得 大日本住友とコ・プロ
公開日時 2012/01/20 04:01
グラクソ・スミスクライン(GSK)は1月19日、18日付で国内承認を取得した抗うつ剤(SSRI)パキシルCR錠について、大日本住友製薬とコ・プロモーションを4月1日から始めることで基本合意したと発表した。GSKはCNS領域に取り組むリーディングカンパニーの1社、大日本住友はCNS専任MR約230人を配置するなどCNS領域を営業重点領域のひとつに掲げている。両社は今回の提携で、「日本の精神疾患対策に今まで以上に貢献するべく、情報提供活動を通じてパキシルCR錠の適正使用と普及活動を行う」としている。
パキシルCR錠は、薬物放出を持続的に緩徐に制御する新しい製剤技術を用いて血中薬物動態を緩やかにしたコントロールドリリース(Controlled Release、放出制御)製剤。抗うつ薬では国内初となる。パキシル錠(速放錠)と比べて、▽単回投与時の血中濃度の上昇が緩やか▽反復投与時の血中濃度の変動が小さくなる――ことから、有害事象発現リスクの低下が期待されるという。
すでにCR錠が上市されている海外の報告では、有害事象による治療脱落がプラセボと大きく異ならないことが示されており、「治療導入がしやすく長期の治療継続率向上に寄与することが期待される」(GSK)。また、「海外では新しい製剤技術を取り入れた抗うつ薬が盛んに開発されており、パキシルCR錠の承認で、日本でも抗うつ薬における放出制御製剤の時代を迎える」ともコメントしている。
GSKは大うつ病性障害、双極性障害、片頭痛、パーキンソン病、てんかんなどの治療薬を提供、一方で大日本住友は、統合失調症、パーキンソン病、てんかんなどの治療薬を手掛けている。