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アステラス製薬 関節リウマチの生物製剤に参入へ UCBと提携

公開日時 2012/02/03 04:01

アステラス製薬とベルギーのUCBは2月1日、関節リウマチの抗体医薬品セルトリズマブペゴル(欧米製品名:シムジア)の共同開発・商業化契約を締結したと発表した。発売されればアステラスにとっては初の抗体医薬品。フランチャイズ領域の免疫・炎症領域の免疫抑制剤プログラフ、消炎鎮痛剤セレコックスに、生物学的製剤が加わることで、カバーする治療範囲も広がり、同領域を強化する狙いがある。同剤については今年1月に「既存治療で効果不十分な関節リウマチ」の適応症で承認申請を完了。製造はUCB、流通はアステラス製薬、発売後は両者がコ・プロモーションを実施する。

セルトリズマブペゴルをめぐっては08年6月にUCBと大塚製薬が日本国内での共同開発・販売の契約を締結したが、大塚が重点領域の中枢、がん領域に資源を集中させるため、今年1月に共同開発契約終了が発表されたばかり。UCBが単独開発を進める方針を公表していたが、その後の動向が注目されていた。
 
同じ生物学的製剤は関節リウマチ治療薬市場で年率2ケタ成長を遂げ、急成長している。国内でトップシェアのレミケード(田辺三菱、10年度の売上604億円)を筆頭に、エンブレル(ファイザー/武田薬品、同384億円)、ヒュミラ(アボット/エーザイ、同133億円)、アクテムラ(中外製薬、同141億円)、オレンシア(BMS、売上は非開示)のほか、昨年には4週に1回の長期投与型製剤シンポニー(ヤンセン/田辺三菱)が参入し、激しいシェア争いが繰り広げられている。

なかでも、セルトリズマブペゴルと同じTNFα阻害剤は、レミケード、ヒュミラ、シンポニーと最も多く製品化されているため、上市後に「唯一のPEG化したTNF抗体(皮下注製剤)」(投与間隔はフェーズ2、3試験では2週間に1回投与)という特徴を武器に先行薬剤をどこまで追い上げを図れるか気になるところだ。

この領域は開発競争が激しく、国内ではアバタセプト(BMS/小野薬品、フェーズ3)、「AIN457」(ノバルティス、フェーズ3)といった抗体医薬品が臨床後期の段階にあり、JAK阻害剤トファシチニブ(ファイザー、武田薬品とのコ・プロ、国内フェーズ2/3)といったこれまでとは全く作用機序の異なる新規製剤の開発も進むなど、今後はますます競合品との差別化が求められる時代に突入しそうだ。
 

  

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