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認知症薬市場 20年には2500億円に拡大へ 在宅ケアの推進、後発品登場による処方増加で

公開日時 2012/09/10 04:01

 

富士経済はこのほど、2020年の国内の認知症治療薬市場が11年の倍近くに拡大し、2471億円になるとの報告をまとめ、公表した。11年の市場規模は1274億円のため、今後10年間に約1200億円拡大することになる。市場拡大の背景には、厚労省が在宅ケアを推進による早期診断や早期治療の進展や、ジェネリック医薬品の登場による処方の拡大、新製品発売による市場の成長なども一因としている。リポートでは、認知症以外を含め、慢性疼痛、多発性硬化症、中枢神経領域、婦人科・産婦人科の5薬効領域を取り上げ、国内市場の将来動向をまとめ、報告している。

 

アルツハイマー型認知症治療薬を対象としており、同市場は99年のアリセプト(エーザイ)の発売を契機に、本格的に市場が形成されて以降、高齢化の進行により市場拡大が続いている。11年11月には、同剤のジェネリックが発売されたことから、市場縮小が懸念されたが、複数の新薬が相次いで登場したことなどで、前年比25.6%増の1274億円となった。
 

今後は、厚労省が在宅ケアを推進し、非専門医向けガイドラインの策定を目指していることから、それにより「早期診断や早期治療が進むとみられる」としている。また、ジェネリックの登場により、従来薬価の高さから処方が進まなかった介護施設などでも処方が進むとみられ、高齢化の進行以上に治療患者数の増加が予想されるという。後期開発段階のものも幾つかあることから、新製品に牽引される形で市場拡大は続くと予想。20年には11年比94.0%増の2471億円が予想される。

 

◎抗うつ剤市場 38.6%増の1714億円に伸長 薬剤の使い分けも進む

 

中枢神経領域では、抗うつ剤市場がうつ病患者の増加により、11年の市場規模は前年比7.2%増の1237億円。第一選択薬のSSRI、SNRIが市場の中心を形成しており、全体の7割以上を占める。三環系・四環系とNaSSAはそれぞれ1割程度。
20年の市場は11年比38.6%増の1714億円を予想。NaSSAは患者の症状によってSSRI、SNRIと使い分けが進み、市場は徐々に拡大するとみている。また、SSRI、SNRIは比率低下が見込まれるものの引き続きが市場は拡大し、一方で三環系・四環系は市場縮小が続くと予測している。

 

統合失調症も同様に、景気低迷による社会情勢の厳しさと、疾患啓発の高まりにより、精神疾患で医療機関にかかる人口は増加しており、抗うつ剤同様、市場が拡大するとみている。

また、パーキンソン病やてんかん、睡眠障害などは高齢者の罹患率が高いため、高齢化に伴い患者数増加が想定され、20年には11年比29.8%増の6678億円(11年は5143億円)とみている。

 

◎慢性疼痛薬市場 69.1%増の766億円に 新薬による成長牽引で

 

神経因性疼痛や難治性の腰痛などの慢性疼痛は、NSAIDSや解熱鎮痛剤、外用消炎鎮痛剤などでコントロールできないケースに対し有効な治療薬が限られていたが、99年のノイロトロピン(日本臓器製薬)の帯状疱疹後疼痛の適応拡大により市場が拡大。そして、10年6月には帯状疱疹後疼痛の適応で発売されたリリカ(ファイザー/エーザイ)が、同年10月の末梢性神経障害性疼痛の適応拡大を契機に大きく拡大し、続いて11年に上市されたノルスパン、トラムセット(ヤンセンファーマ)の非麻薬性疼痛治療薬が新たな市場を形成し、同年の市場は前年比2倍の453億円となった。
 

帯状疱疹後疼痛は高齢者が罹患するケースが多く、高齢化に伴う拡大が見込まれるとみている。慢性疼痛治療薬は適応拡大によって需要獲得が見込まれ、20年には11年比69.1%増の766億円に拡大すると予想している。

 

 

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