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薬食審・第二部会 新薬など5製品を審議 全て承認了承 LABA/LAMA配合COPD治療薬など

公開日時 2015/08/04 03:51

厚労省の薬食審医薬品第二部会は8月3日、新薬など5製品の承認の可否について審議し、全て承認することを了承した。この中には、日本ベーリンガーインゲルハイムが申請した長時間作用性抗コリン薬(LAMA)チオトロピウム(製品名:スピリーバ)と、長時間作用性β2刺激薬(LABA)で新規成分のオロダテロールを含有する慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療用配合薬がある。

 
【審議品目】(カッコ内は成分名と申請社名)
ブイフェンド錠50mg、同錠200mg、同200mg静注用、同ドライシロップ2800mg(ボリコナゾール、ファイザー):「造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間4年。トリアゾール系抗真菌薬。
 
造血幹細胞移植患者は移植前治療や移植片対宿主病予防のための免疫抑制剤の使用などにより易感染状態にある。深在性真菌症が発症した場合の死亡率は高いため、国内外の診療ガイドラインで抗真菌薬の予防的投与が推奨されている。同剤の投与対象患者数は推定約3500例。日本で同様の効能・効果を持つ薬剤はイトラコナゾール、フルコナゾール、ミカファンギンがあり、同剤は選択肢のひとつとなる。
 
なお、同剤は2015年4月現在、海外116の国・地域で販売されており、このうち豪州・欧州など18の国・地域で「造血幹細胞移植患者の深在性真菌症の予防」の効能・効果が承認されている。
 
ゼビアックスローション2%(オゼノキサシン、マルホ):「表在性皮膚感染症、ざ瘡(化膿性炎症を伴うもの)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。適応菌種はオゼノキサシンに感性のブドウ球菌属、アクネ菌。再審査期間8年。
 
キノロン系抗菌薬。15年5月現在、この適応で承認されている国・地域はない。日本で同剤と同様の効能・効果を持つ外用薬には▽アクアチムローション1%等(一般名:ナジフロキサシン)▽ダラシンTゲル1%等(クリンダマイシンリン酸エステル)▽ベピオゲル2.5%(過酸化ベンゾイル)▽デュアック配合ゲル(1%クリンダマイシンリン酸エステル/3%過酸化ベンゾイル配合剤)▽ディフェリンゲル0.1%(アダパレン)――が承認されており、ゼビアックスが承認されれば、治療選択肢の1つとなる。同剤の対象患者数は推定約250万人。
 
スピオルトレスピマット28吸入、同レスピマット60吸入(チオトロピウム臭化物水和物/オロダテロール塩酸塩、日本ベーリンガーインゲルハイム):「慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン薬及び長時間作用性吸入β2刺激薬の併用が必要な場合)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品・新医療用配合剤。再審査期間8年。
 
チオトロピウムは長時間作用性抗コリン薬(LAMA)、オロダテロールは長時間作用性β2刺激薬(LABA)。日本でLAMA/LABA配合剤は、▽ウルティブロ吸入カプセル▽アノーロエリプタ7吸入用等――があり、同剤が承認されれば国内3製品目となる。チオトロピウムは製品名スピリーバとして同社から販売中で、オロダテロールが新有効成分となる。用法・用量は通常、成人には1回2吸入を1日1回吸入投与する。海外では15年5月現在、米国で承認され、欧州等で審査中。
 
レミケード点滴静注用100(インフリキシマブ遺伝子組換え、田辺三菱製薬):「既存治療で効果不十分な腸管型ベーチェット病、神経型ベーチェット病、血管型ベーチェット病」の効能・効果を追加する新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間10年。
 
この適応症については厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の検討を踏まえ、同省から開発要請を受けていた。
 
ベーチェット病(以下、BD)は、急性炎症を繰り返しながら慢性的な経過をたどる原因不明の全身性の炎症性疾患。症状が重篤化し、予後不良な特殊病型として腸管型、神経型、血管型がある。国内患者数はそれぞれ1592例、832例、425例とされる。腸管型などを含め、BDの病態に共通してTNFαが関与していることが示唆されている。
 
同剤はキメラ型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体で、TNFαが関与する種々の炎症性疾患に対してTNFαの中和及び膜結合型TNFαの発現細胞の障害により効果を発揮する。類薬として、腸管型BDに対する適用でヒュミラ皮下注が承認されているが、臨床上の位置付けとしては既存治療で効果不十分な際の新たな治療の選択肢を提供するものとなる。海外では今回の効能・効果では開発されていない。
 
カプレルサ錠100mg(バンデタニブ、アストラゼネカ):「根治切除不能な甲状腺髄様がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。再審査期間は10年。
 
同剤はVEGFR2、EGFR、RETなどの複数のキナーゼを阻害することで、腫瘍血管新生や腫瘍細胞の増殖を阻害し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。甲状腺がん患者は推定2万9000人で、このうち髄様がんは1.3%と報告されている。同剤の現時点での用法・用量は通常、1回300mgを1日1回。
 
甲状腺がんに関する効能・効果を持つ薬剤としてレンビマカプセル、ネクサバール錠、ピシバニール注射用、ブレオ注射用、ヨウ化ナトリウムカプセルがある。同剤が承認されれば、根治切除不能な局所進行または転移を伴う甲状腺髄様がん(MTC)患者に対する治療選択肢の1つとなる。海外でMTCの効能・効果で承認されているのは、15年5月時点で、41の国・地域がある。
 
【報告品目】(カッコ内は成分名と申請社名)
報告品目は、PMDAの審査の段階で承認が了承され、部会での審議が必要ないと判断された製品。
 
クラビット錠250mg、同錠500mg、同細粒10%(レボフロキサシン水和物、第一三共)、レボフロキサシン錠250mg「DESP」、同錠500mg「DESP」、同細粒10%「DESP」(同、第一三共エスファ):「肺結核及びその他の結核症」を効能・効果に追加する新効能・新用量医薬品。再審査期間なし。
 
承認されれば、薬剤耐性結核症や副作用により一次抗結核薬が使用できない場合の二次抗結核薬の1つとして位置付けられ、他の抗結核薬と併用して用いる。この適応については、国内外の診療ガイドラインでは同剤が二次抗結核薬の1つとされていることから、関係学会からの開発が要望され、厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の検討を踏まえ、同省から開発要請されていた。 
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