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厚労省 7新薬を承認 高脂血症薬で初のPCSK9阻害薬も

公開日時 2016/01/25 03:52

厚労省は1月22日、新薬7製品を承認した。この中には高コレステロール血症に用いる国内初のPCSK9阻害薬レパーサ皮下注も含まれる。同剤はアステラス製薬とアステラス・アムジェン・バイオファーマ(以下、AABP)が共同開発し、AABPが承認申請していた。

承認されたのは次のとおり(カッコ内は成分名※ワクチンは生物学的製剤基準名、会社名)。
ヴァクセムヒブ水性懸濁注(沈降ヘモフィルスb型ワクチン、武田薬品):「インフルエンザ菌b型による感染症の予防」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。

インフルエンザ菌は小児において、髄膜炎や菌血症などの侵襲性感染症を引き起こす。

ボンビバ錠100mg(イバンドロン酸ナトリウム水和物、中外製薬):「骨粗鬆症」を効能・効果とする新投与経路医薬品。再審査期間6年。

月1回投与の経口薬。同じ有効成分の月1回製剤として、静脈内投与のボンビバ静注1mgシリンジがある。この月1回経口薬の用法・用量は「起床時に十分量(約180mL)の水とともに投与する。服用後少なくとも60分は横にならず、飲食(水を除く)及び他の薬剤の経口摂取を避けること」となっている。

同剤はビスホスホネート系薬剤で、骨吸収抑制作用により骨密度を増加させ、骨折を抑制する。中外と大正富山医薬品が共同販売する。

日本で同じクラスの月1回投与の経口薬にはアクトネル錠/ベネット錠75mg(成分名:リセドロン酸ナトリウム水和物)があり、4週に1回経口投与ではリカルボン錠/ボノテオ錠50mg(同ミノドロン酸水和物)がある。

レパーサ皮下注140mgシリンジ、同皮下注140mgペン(エボロクマブ遺伝子組換え、アステラス・アムジェン・バイオファーマ):「家族性コレステロール血症、高コレステロール血症。ただし、心血管イベントの発現リスクが高く、HMG-CoA還元酵素阻害薬で効果不十分な場合に限る」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。「日本人における単独投与での有効性及び安全性は確立していない」として「HMG-CoA還元酵素阻害剤と併用すること」と添付文書に明記した。再審査期間8年。

国内初のPCSK9阻害薬。抗体医薬。標的のPCSK9は、血中のLDLコレステロール(LDL-C)に影響を与えるタンパク質で、血中の過剰なLDL-Cを取り込むLDL受容体の分解を促進する働きがある。同剤はこの働きを抑制して血中の過剰なLDL-Cを取り込みできるようにすることで、効果を発揮する。医療機関への情報提供は、アステラス・アムジェン・バイオファーマとアステラス製薬が行い、販売はアステラス製薬が行う。

家族性高コレステロール血症(以下、FH)は、LDL受容体の異常により、高LDLコレステロール血症を呈する常染色体優性遺伝性疾患。FHのうち、ヘテロ接合体は500人に1人以上(国内で25万人以上)、ホモ接合体は100万人に1人以上で認められている。

用法・用量は、「家族性高コレステロール血症へテロ接合体」「高コレステロール血症」:通常140mgを2週間に1回または420mgを4週間に1 回皮下投与する。
「家族性高コレステロール血症ホモ接合体」:通常、420mgを4週間に 1回皮下投与する。効果不十分な場合には420mgを2週間に1回皮下投与できる。

ルコナック爪外用液5%(ルリコナゾール、佐藤製薬):「爪白癬」を効能・効果とする新効能・新剤形医薬品。再審査期間4年。

高濃度で成分を配合し、爪への浸透性を高めた製剤だとしている。佐藤製薬とポーラファルマが情報活動、流通を行う。

1日1回罹患爪全体に塗布する。同様の効能・効果の外用薬にはクレナフィン爪外用液10%(エフィナコナゾール)がある。

タルグレチンカプセル75mg(ベキサロテン、ミノファーゲン製薬):「皮膚T細胞性リンパ腫」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間10年。希少疾病医薬品。

日本の皮膚T細胞性リンパ腫の患者数は推定約2000人。同剤は合成レチノイドで、レチノイドX受容体に結合してアポトーシス誘導及び細胞周期停止作用により、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。通常、1日1回300mg/m2(体表面積)を食後に投与。類薬にはゾリンザカプセル(ボリノスタット)などがある。

プロボコリン吸入粉末溶解用100mg(メタコリン塩化物、三和化学研究所)
ケンブラン吸入粉末溶解用100mg(同、参天製薬)
:「気道過敏性検査」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」の開発公募品目。

メタコリンはコリン作動薬。同薬を用いた気道過敏性検査は非典型的な臨床像を呈する気管支喘息の確定診断や、重症度判定、治療効果の判定に用いる。これまで同検査は承認されている薬剤はなく、研究用試薬を用いて行われ、日本アレルギー学会が開発を要望していた。両社で共同開発し、両剤とも成人、小児に用いることこができる。

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