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中医協 日医・中川前委員の日本調剤名指し発言 議事録からは削除

公開日時 2017/07/25 03:50

厚生労働省がこのほどホームページ上に公開した、中医協総会の議事録(3月29日開催)によると、診療側の中川俊男前委員(日本医師会副会長)が日本調剤を名指しでかかりつけ薬剤師指導料の算定について問題提起した時の議論について、当日発言した大手調剤チェーンの名称が議事録から削除され、発言内容のトーンが弱められていることが明らかになった。
 

この日の中医協を報じた本誌記事によると、中川前委員は、日本調剤を名指しして、かかりつけ薬剤師指導料の算定件数を具体的に示し、「これが営利企業である大手調剤チェーンの経営態度かなと皮肉を込めて申し上げたいと思う」と発言していた。これに対し、日本調剤側は中医協総会後、「事実ではないことを強く申し上げる」と抗議し、異例の文書公開にまで踏み切っていた。議事録では、「大手調剤チェーンの中には、かかりつけ薬剤師指導料を積極的に算定している会社もあるようだが、これが営利企業である大手調剤チェーンの経営体力かなと申し上げたい」とするにとどまっている。


本誌が報じたこの日の中医協記事(記事はこちら)では、中川委員は総会で、日本調剤と名指しした上で、同社の2017年3月期第三四半期の決算資料を引き合いに、かかりつけ薬剤師について患者の同意件数が5万8000件(第一四半期)、6万1000件(第二四半期)、6万7000件(第三四半期)と伸びたと説明。一方、算定件数は4万8000件、15万6000件、28万件と伸びたとのデータを説明していた。その上で、「理解できない。同意件数が1.3倍しか増えていないのに、指導料算定件数が5.8倍も増えているのか。これが営利企業である大手調剤チェーンの経営態度かなと皮肉を込めて申し上げたいと思う。我々前回改定で零細の地域の薬局を守っていく、内部留保を増やしすぎているところは是正しようという想いで改定したがそれが裏目に出ている」と述べていた。この発言は、議事録には掲載されていない。


厚労省の公開する議事録は、あくまで議事要旨の要素も兼ねており、この日の診療側委員の発言のニュアンスを伝えるものとなっている。ただ、この件は名指しされた日本調剤が個別企業名を中医協の場であげたうえで、不正請求を指摘されるなど、個別企業に向けた発言として、抗議する事態にまで発展していた。


◎今秋以降の中医協に注目 財源配分をめぐる議論は診療側内で白熱の様相も



2018年度診療報酬改定の議論は、今秋から本格化する。3月開催の中医協とは言え、診療側内での前哨戦は今秋以降の議論にも何らかの影響を与えることになりそうだ。財務省は社会保障費の自然増の伸びを5000億円に抑える方針を早くも打ち出しており、薬価・診療報酬改定を含む制度改正分で1300億円を圧縮する方針だ。18年度改定をめぐる議論は、まだこれからだが、限られた財源の中で、医科、歯科、調剤への財源の配分論議の火ぶたが早くも切られようとしている。

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