中外 乳がんの抗体薬物複合体カドサイラ 薬価収載見送り
公開日時 2013/11/14 03:51
中外製薬は11月13日、HER2陽性の手術不能または再発乳がんの適応で承認を取得した抗HER2抗体チューブリン重合阻害剤複合体カドサイラ点滴静注用(一般名:トラスツズマブ エムタンシン)について、今月に予定していた薬価収載を見送ると発表した。薬価について同社と薬価算定組織との間で合意に至らなかったためで、同社は次回の薬価収載(来年の3月以降)を目指す。
これで発売が遅れるため、同社は発売までの間にカドサイラによる治療を患者が受けられるように、新たな臨床試験を実施する。対象は、カドサイラの適応症に該当し、定められた参加条件を満たした患者で、各都道府県から少なくとも1施設の医療機関が参加する見込み。開始予定は14年1月下旬で、試験の詳細は1月に発表する。
カドサイラは抗HER2モノクローナル抗体トラスツズマブと化学療法剤のDM1が結合した複合体で、標的のがん細胞のみに選択的に作用する特徴を有する。国際共同フェーズ3試験のEMILIAでは、既存治療と比べて無増悪生存期間や全生存期間の有意な延長が確認された。