製薬業界においてなぜ今間接財コスト削減なのか
公開日時 2014/11/01 00:00
ベイン・アンド・カンパニー長谷部智也/鈴木祐太製薬企業を取り巻く環境は、年々厳しさを増している。パテントクリフによる売上減が現実化し、訪問回数をベースとする営業体制が行き詰まりを迎え、研究開発の生産性は継続的に低下している。そのような状況の中、特に日系製薬企業は思い切った組織再編・合理化に踏み切れずにおり、コスト高体質になりやすい構造が存在している。一方、経常コストの中でも間接財コストには大きな改善余地が残っている。高い利益率を誇った製薬業界においては、他業種に比して「よく作り、よく売る」ための費用を厭わない文化が存在し、また事業部単位で総経費予算内に収まっていればよい(課単位、費用細目単位ではなく)といった緩やかな管理が行われてきた例も多い。経営層としても原価以外のコストを管理しようとする...