武田薬品 新ARBのEdarbiが米国で承認 降圧効果の強さ特徴に
公開日時 2011/03/09 04:00
武田薬品の新規ARBのEdarbi(一般名:アジルサルタン)が2月25日、米食品医薬品局(FDA)から承認取得を獲得した。同剤の特徴である“降圧効果の強さ”を前面に打ち出した戦略を打ち出すとみられている。同剤の販売は、第1四半期(4月1日開始会計年度)に開始する予定だ。
FDAの発表によると、同剤の臨床試験の結果、ノバルティスのDiovan(一般名:バルサルタン)や、第一三共のBenicar(一般名:オルメサルタン)と比べ、24時間平均血圧をより低下させたことが示されている。そのため、このFDAの“お墨付き”を背景に、同剤の優位性を、プライマリケア医、内科医、心臓専門医、腎臓専門医に訴求する考えだ。
米国でのARB市場規模は約84億ドル。2010年のデータによると、シェアトップをほこるのが、Diovanで21.6%、同剤と利尿剤・ヒドロクロロチアジドの合剤であるDiovan HCTは16.2%で、2009年からほぼ横ばいのシェアを保っている。一方、Benicarは8.8%で、09年の9.5%から微減している。そのほか、米メルクが販売するCozaar (一般名:ロサルタン)はすでにジェネリックが登場しており、現在ジェネリックも約30%のシェアがある。
Diovanも2012年に米国での特許が切れ、ジェネリックが登場することとなる。そのため、現在のDiovanのシェアをEdarbiが少しでも獲得すれば価値ある製品になるとの見方もある。
同社は、米国では7500万人の高血圧患者がおり、その半数以上の血圧管理が不十分と指摘。その上で、同剤が血圧管理薬の候補となることに期待感を示している。予想売上高については明らかにしていない。なお、同剤は、欧州、中米、カナダでも開発が進められている。
(The Pink Sheet 3月7日号より) FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから