抗うつ薬 日本とEU諸国の違い
公開日時 2011/08/30 00:00
セジデム・ストラテジックデータ株式会社代表取締役マーティ・ロバーツ抗うつ薬は、いまや大うつ病性障害や不安障害をはじめとする多くの病態に対する標準的治療法のひとつとなった。しかしながら、抗うつ薬による薬物療法の実態は国によって様々である。本稿では、そうした国ごとの違いを検証し、抗うつ薬をマーケティングしていく上で、EU市場には見られない日本市場に特有の課題について考察したい。うつ病の診察・診断EU諸国では総合一般医(GP)が患者の日常的な健康管理を行いながら、専門医療が必要とみなされる場合にのみ患者を専門医に紹介するゲートキーパー的な役割を果たすのが一般的である。例えばフランスでは、日常の抗うつ薬処方のうち、精神科医による処方は全体の28%を占めるが、それは治療の開始や治療計画の変更時が多く、...