帝人・大八木社長 TMX-67で国際化加速 売上1000億円を目指す
公開日時 2009/04/27 23:00
帝人の大八木成男社長・CEOは4月27日、中長期の経営基本方針を発表し、医薬
医療事業についてグローバル戦略品の痛風・高尿酸血症治療剤(国内開発コー
ド:TMX-67)は「将来1000億円をターゲットに育成していきたい」と強調した。
さらに成長事業と位置づける医薬医療、在宅医療ではM&Aを視野に入れ、20年に
は帝人の主要売上高に占める割合を08年の1.3倍にあたる20%に拡大を目指すと
表明した。
大八木社長は会見で、08年度を最終年度とした中期経営計画が、昨今の厳しい
経営環境から業績が急激に悪化しており、目標達成に大きく及ばない見込みで
あると説明。今後対応すべき経営課題として、ポリエステル事業をはじめとす
る課題事業の抜本的構造改革や財務構造の改善、成長が持続している医薬医療
のさらなる拡大などに取り組むことを示した。
医薬医療事業は、「グリーンケミストリー」(高機能素材領域、グリーン・エ
ネルギー領域)とともに同社の中長期経営戦略の2本柱。TMX-67の欧米での展
開(米国は発売、欧州は承認)を足がかりに「一気にグローバル化を加速した
い」との姿勢を示した。同剤は、将来は米国で500~600億円、日本は200億円、
欧州・その他で200億円の売上を目指す。
在宅医療ではスペインで合弁会社を設立し順調に展開が進んでいるが、今後は
「欧州各地で展開したい」と意気込みを示す一方、「在宅医療は世界の中で圧
縮方向にある。技術を中心にして新しい展開が必要」と解説。次のステップと
して、「リハビリテーション領域でひとつの事業領域を全世界で確保したい」
と話した。