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GLP-1受容体作動薬エキセナチドの日本人P3 SU薬など併用下で良好な血糖コントロール

公開日時 2010/06/29 04:00

GLP-1受容体作動薬のエキセナチドがSU薬をはじめとした他の経口薬との併用下で良好な血糖コントロールを示すことが、同剤のフェーズ3(P3)の結果から分かった。東京大大学院の門脇孝氏らが6月28日、第70回米国糖尿病学会議(ADA)のポスターセッションで発表した。(6月28日 米国・オーランド発 望月 英梨)


試験は、エキセナチド1日2回投与の有効性と安全性を検討する目的で実施された。対象は、SU薬単独、またはSU薬+ビグアナイド系薬剤(BG)、SU薬+チアゾリジン系誘導体(TZD)を投与されている患者で、血糖コントロールが不十分な(HbA1cが7.0~10%)の2型糖尿病患者179人。▽エキセナチド5μg1日2回投与群72人▽エキセナチド10μg1日2回投与群72人▽プラセボ群35人――の3群に分け、治療効果を比較した。なお、エキセナチド10μg投与群は、投与開始から4週間は5μgを投与し、残りの20週間で10μgに増量した。


その結果、投与開始24週後のHbA1cの変化率は、プラセボ群の-0.28%に対し、エキセナチド5μg投与群で-1.34%、10μg投与群で-1.62%だった。


HbA1c<6.5%に達した症例は、プラセボ群で8.6%、エキセナチド5μg投与群で36.6%、10μg投与群では47.2%で、有意にエキセナチド群で良好な結果となった(P値<0.001)。空腹時血糖値も同様に、エキセナチド群で有意に低下する結果となった(P値≦0.009)。


GLP-1受容体作動薬では体重減少効果も報告されているが、プラセボ群では-0.47kgだったのに対し、エキセナチド5μg群では-0.39kg、10μgでは-1.54kgで、10μgではプラセボに比べ、有意に体重を低下させた(P値=0.026)。


安全性については、低血糖がプラセボ群で22.9%(8例)だったのに対し、エキセナチド5μg群で51.4%(37例)、10μg群で58.3%(42例)報告されているが、重篤なものはなかった。そのほか、吐き気はプラセボ群で8.6%(3例)、エキセナチド5μgで25.0%(18例)、10μg群で36.1%(26例)でエキセナチド群で多く報告され、1例は重篤な症状だった。


門脇氏らはこれらの結果から、「エキセナチドが、これまで報告されてきた白人や他のアジア各国の患者と似通ったベネフィットをもたらすことを示した」としている。

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