英国の市場分析会社データモニターは１月25日、新薬を扱う主要製薬企業43社の2010年～15年の年平均成長率（＝１年あたりの平均成長率）が1.3％にとどまるとの最新の市場分析レポートを発表した。03年～09年の年平均成長率は7.1％だったため、急速に悪化するとの予想になっている。この理由として、ブロックバスターの特許満了をカバーできるほどの次の新薬の開発・上市が困難な現状を指摘している。

同社の今回のレポートによると、15年までに厳しい経営に直面しそうな主要製薬企業だが、一方で、生物製剤や、ニッチ市場やアンメットニーズの高い市場で新薬を上市できた企業は「最終的に好調な業績をおさめると予想している」（同社主席アナリストのサイモン・キング氏）とも分析している。特に医療用医薬品売上高が100億ドル超の「ビッグファーマ」のうち、15年までの業界の年平均成長率1.3％を超えそうな企業はバイエル、ノバルティス、ロシュ、グラクソ・スミスクライン――で、それぞれの年平均成長率は3.9％、3.6％、2.6％、2.4％――と予想した。

また、主要製薬企業43社では、15年までの年平均成長率でプラス成長する企業は32社、マイナス成長は11社とも分析した。プラス成長の企業のうち03年～09年の業界の年平均成長率7.1％を超えそうな企業は６社。このなかには塩野義製薬が含まれ、年平均成長率は7.8％と予想した。ほかの５社はギリアド・サイエンシズ▽セルジーン▽アクテリオン▽ワーナーチルコット▽ジェンザイム――。