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東邦HD・10年度決算 医薬品卸業で大幅営業減益 松谷会長「提示価格認められなかった」

公開日時 2011/05/12 04:00

東邦ホールディングスの松谷高顕会長は5月11日、2011年3月期(10年度)の決算説明会で、下方修正を2度繰り返した業績について、「われわれの提示した価格が認められなかった。こんなにひどい決算になると思わなかった」と総括した。医薬品卸として、新薬創出加算と流通改善を表裏一体のものとして営業活動に専念したが、「医療機関、薬局に理解してもらえる啓蒙ができなかった」と反省の弁を述べた。

新薬創出加算については、「昨年6月の中医協で、加算と価格交渉は別物ということになり、メーカーが説明を自粛することになった。つらい体験だった」と振り返った。その中医協の席や7月の流改懇の席で、「『品目ごとに価格交渉をしたいという医薬品卸の気持ちはわかる』と、厚生労働省の担当官が発言しても、業界メディアは取り上げてくれなかった」と苦言を呈した。その上で、「変な商慣習を作ったわれわれに責任はあるが、それを直そうと努力している」と話し、流通改善の機運を醸成するためにも、業界メディアに協力を求めた。

11年3月期連結業績のうち、医薬品卸売業の状況をみると、売上高1兆240億9500万円(5.3%増)、営業利益28億5400万円(67.2%減)。営業利益率は0.28%。価格交渉の難航と、卸間競争の激化を裏付けるように、3月末の妥結率は、金額ベースで91.6%、軒数ベースで98.6%に低迷した。

通期業績予想は、卸売事業を含めた全体で、売上高1兆750億円(1.5%増)、営業利益69億円(18.2%増)、経常利益95億円(0.2%増)、純利益49億円(32.7%減)を見込む。松谷会長は、過去に経験したことのない原発問題などで、今後の医薬品市場の見通しを立てづらいとし、「不安定要素が多く、確信の持てない中での計画」と述べた。
 

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