日本製薬団体連合会保険薬価研究委員会の禰宜寛治委員長は６月９日、同委員会総会終了後に記者会見し、次期薬価制度改革論議に向けた取り組み方針を示した。重点課題の１つとして「保険医療上必要性の高い医薬品の薬価改定方式」に取り組む。長年にわたり臨床で親しまれた医薬品（いわゆるエッセンシャルドラッグなど）が数度の薬価引き下げで採算が合わなくなり安定供給に支障が出る事態を防ぐのが狙い。禰宜委員長は、中医協の議論の俎上に載せ「実現を図りたい」との姿勢を見せた。

中医協の薬価専門部会専門委員でもある禰宜委員長は、今月下旬に開かれる同部会に、「保険医療上必要性の高い医薬品の薬価改定方式」について「資料提出し、提案する」と明かした。その趣旨について「循環的な薬価下落により、長年、医療で使用されている必要性の高い医薬品の安定供給が危うくならないようにする未然の措置」と説明。その観点から「制度設計、理論構築し、実現を図りたい」と述べた。今後の議論では「保険医療上必要性の高い医薬品」をどう定義し、合意を得ていくかが課題になりそうだ。

試行されている新薬創出加算の恒久化の実現も重点課題。薬価専門部会では、まずこの試行による影響などを検証する予定であり、薬価研としても試行による効果、影響、検証を進め、恒久化の実現を支援していく。禰宜委員長は「本格導入に向けての意義、メリットなどを中医協、患者団体などステークホルダーの方に理解を得るため最大限の努力をしていきたい」と語った。