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サブグループ解析 ラテンアメリカのラクナ梗塞患者 文化的、環境的要素が患者特性に影響か?

公開日時 2012/10/05 04:00

ラテンアメリカの脳卒中患者は、北米のヒスパニック系やスペインの患者と比べて、年齢や性別、血管リスク因子に有意な違いがあることが、ラクナ梗塞患者の脳卒中再発予防を検討するSPS3試験の解析の結果、わかった。人種間での差だけではなく、文化的、環境的要素も関与している可能性が示唆された。また、先住のラテンアメリカ人は、北米のヒスパニック系人種よりも、死亡リスクが高いことも明らかになった。Oscar H. Del Brutto氏が5月24日発表した。

 

 

 

ラクナ梗塞は、虚血性脳卒中の20~25%を占め、特にヒスパニック系アメリカ人に頻繁に発生するとされる。そこで研究グループはSPS3試験のデータから、ヒスパニック系患者での患者特性や転帰において、人種や居住地域で差がみられるか検討した。


SPS3試験の対象は、発作から180日以内にMRIでラクナ梗塞を確認した3,020例。北米、スペインとラテンアメリカ(LA)諸国の患者が主に登録されており、白人が半数以上、ヒスパニック系が30%を占めている。


北米(1,960例)とLA(694例)、スペイン(366例)の3つの居住地域別に解析した場合、LAの居住患者は残り2地域の患者と比べ、非喫煙率が有意に高く、アルコール摂取率と高脂血症合併率、親が脳卒中患者の比率が有意に低いことが分かった。


LA住民の72%(501例)を占める先住民およびメスティーゾ(先住人とスペイン人との混血)と、北米居住者の12%(226例)に当たるヒスパニック系米国人の、2つのグループだけに注目して解析すると、LAの先住民およびメスティーゾは、北米ヒスパニック系と比べ、年齢(p<0.01)、非喫煙率(p<0.01)が有意に高く、アルコール摂取率(p<0.01)と高脂血症率(p<0.01)、糖尿病率(p<0.01)、虚血性心疾患率(p<0.01)、親が脳卒中患者の比率(p=0.03)は、有意に低いことも明らかになった。


MRI所見は、北米ヒスパニック系の60%が軽度だったのに対し、LAの先住民およびメスティーゾで軽度だったのは47%に留まり、中等度(29%)と重度(24%)が有意に多かった(p=0.006)。


一方、主要評価項目(脳卒中再発)と大出血のリスクにおいては、両患者間で差はなかったものの(主要評価項目ハザード比(HR):LA先住民・メスティーゾ:2.28、北米ヒスパニック系:2.26、大出血HR:1.80、1.44)、死亡リスクは、LAの先住民およびメスティーゾが高い傾向が示された(HR:2.08、1.18)。


Del Brutto氏は、北米とスペインの患者と比べてラテンアメリカの患者特性の差について、「単なる人種や民族の差ではなく、文化的、環境的因子が関連している」可能性を示唆した。また、人種と地域差は脳卒中再発における転帰に影響していないものの、死亡リスクはラテンアメリカ先住民が、北米ヒスパニック系を含めた他のエスニックグループよりも高いことも指摘した。

 

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