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血中マイクロRNAに着目で食道がんを早期から検出可能に 国がんなど診断モデル作成

公開日時 2019/07/12 03:50
国立がん研究センターなどで構成される研究チームは7月11日、血液から高い精度で食道がんを検出できる診断モデルの作成に成功したと発表した。研究グループは、国立がん研究センターバイオバンクなどにより集積された血液検体を活用し、過去最多となる約5500例の血清中のマイクロRNAを網羅的に解析。食道がんで有意に変化する複数のマイクロRNAを同定に成功した。このうち、6種類を組み合わせて作成した診断モデルを活用すると、食道がんが早期から高い精度で検出することが確認できたとしている。

◎バイオバンク蓄積の血液マイクロRNAを解析 過去最多


研究では、バイオバンクに蓄積された食道がん566例と、がんを有さない4965例の計5531例全例の血液(血清)中マイクロRNAを網羅的に解析し、食道がん患者で有意に変化する多くのマイクロRNAを同定。統計的解析により、食道がん患者を特異的に判断できるモデル(診断モデル)を作成した。

解析対象例を探索群と検証群に分け、精度を検証した結果、感度は96%、特異度は98%だった。陽性と判断できた感度をステージ別にみたところ、ステージ0は89%、Ⅰは95%、Ⅱは98%、Ⅲは97%、Ⅳは100%—だった。

食道がんは、予後不良ながんとされているが、早期診断されれば内視鏡を用いた負担の少ない治療で治癒を目指すことができる。一方、早期には自覚症状がないことがほとんどのため、簡便な診断マーカーの確立が課題となっていた。研究チームは、「過去に類を見ない極めて高い診断制度を、血液からのみの情報で実現できたことは大変意義が大きい」とコメント。今後、さらに臨床研究や最適化を重ねることで、食道がんスクリーニング検査確立の実現を目指す考えだ。

研究チームは、国立がん研究センター、国立長寿医療研究センター、東レ、ダイナコムで構成。13種類のがんについて、血液による診断システム開発を目指す「体液中マイクロRNA測定技術基盤開発プロジェクト」の一環で行われた。なお、研究成果は米国科学誌「JAMA Network Open」に5月24日掲載されている。

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