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ノバルティス JAK阻害薬ジャカビ、新型コロナ重症患者のフェーズ3を準備中

公開日時 2020/04/08 04:50
ノバルティスは4月7日、日本法人を通じて、サイトカインストームを伴う新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者におけるJAK阻害薬ジャカビ(一般名:ルキソリチニブ)の有用性を評価するためのフェーズ3の準備を進めていると発表した。同社広報部によると、「試験デザインが確定していない」とした上で、同試験は現時点では北米と欧州を中心に実施し、日本の参加は予定されていないと説明した。試験デザインが未確定のためスケジュールも固まっていないが、「P3試験はできるだけ早期に実施する」(広報部)としている。

同社は、試験デザインの最終化を進めつつ、適格患者を対象としたインターナショナルアクセスプログラムも立ち上げるとした。同プログラムは、欧米などで導入されている未承認薬や未承認適応の使用を認める制度「コンパッショネート・ユース」に相当するもの。同社は各国・地域の規制を順守しながら、治験参加国以外の緊急性の高い患者の同剤へのアクセスも確保するとしている。

また、各国・地域での骨髄線維症など既承認適応に対するジャカビの継続供給に支障を与えず、今後増加が予想される同剤へのCOVID-19関連の要請に応えるための施策も進めると表明した。

サイトカインストームはコロナウイルスの感染によって引き起こされる可能性があり、COVID-19患者の呼吸障害の一因になり得る重篤な免疫過剰反応の一種のこと。今回準備を進めているP3試験は、COVID-19の原因ウイルスである「SARS-CoV-2」の感染によって重篤なCOVID-19肺炎を発症した患者において、標準治療と、ジャカビと 標準治療との併用療法を比較・評価するもの。同試験はジャカビ創製元の米インサイト社と共同で実施する。

ノバルティスのグローバル医薬品開発責任者でチーフ・メディカル・オフィサーも務めるジョン ツァイ(John Tsai)氏は、非臨床エビデンスや予備的臨床エビデンスなどから、「ジャカビが集中治療や人工呼吸器が必要な患者さんを減らし、COVID-19患者さんの回復期間を速められるかもしれないという可能性は大いに勇気づけられるもの」だとし、「私たちは現在、試験デザインの最終化に向けて取り組んでおり、その後は適格患者さんを登録できるように進める。同時に、治験に参加できない患者さんへのアクセスを確保するためのプロセスの構築を進めている」とコメントしている。
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