AZ PPIオメプラール注用20を自主回収 製造区域の清浄度の一部データに不備
公開日時 2020/06/18 04:51
アストラゼネカ(AZ)は6月17日、経口投与不可能な出血を伴う胃潰瘍などに用いるプロトンポンプ阻害薬・オメプラール注用20の自主回収(クラス2)を始めたと発表した。製造を委託している東洋紡大津医薬工場の製造工程で、同剤の製造区域に要求されている清浄度を確認するための環境モニタリングデータの一部に不備があることが判明。品質に与える影響は「極めて低い」と考えられるものの、「適切な記録をもって十分に保証できない」と判断し、市場に流通している全ロットを自主回収することにした。
回収対象品は2018年4月23日から20年6月4日に出荷した全ロットとなる。
環境モニタリングは、無菌医薬品を製造する製造区域に要求されている清浄度が日常的に保たれていることを検証するため、製造環境中の微生物や空中微粒子をモニタリングし、その結果を適切に記録すること。
これまでに出荷したロットは無菌試験など全ての承認規格に適合しており、無菌性保証の適切性を検証するために定期的に実施している培地充填試験(プロセスシミュレーション)にも適合している。このためAZは、「本製品の品質に与える影響は極めて低いと考えれるため、本件に起因する重篤な健康被害のおそれは想定しにくいと推察する」としている。これまでに健康被害の報告もない。