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MSD オムニチャネルアプローチを本格展開 CXスキルのMRへの浸透に専門スタッフ配置

公開日時 2021/04/21 04:52
MSD日本法人のカイル・タトル社長は4月20日に開いた年次会見で、2021年から医療従事者のニーズに合わせてオフラインとオンラインを最適に用いる「オムニチャネルアプローチ」の本格運用を開始したと発表した。全MRで取り組む。オンコロジー、スペシャリティ、プライマリーケア/ワクチン――の3疾患領域でオムニチャネル戦略を立案。現場に配置した「CXイネイブラー」と呼称する専門スタッフが、戦略に基づくオフラインとオンライン両方の顧客体験(CX:Customer  Experience)スキルをMRに浸透させるとともに、現場の反応やニーズに基づく戦略改善を本社にフィードバックする役割を担う。タトル社長は、「最高の顧客価値の提供」に取り組むとし、「MRが日々の活動の中で、顧客に合う経験を、様々なツールを活かしながら提供できると思う」と述べた。

タトル氏は21年1月に日本法人の社長に就任した。MRについて、「実際にフロントラインにいるMRの働きは非常に大きなインパクトがある」とした上で、「イノベーティブな情報ツール、テクノロジー、テクニックを使って情報を医療従事者にお届けすることで、より大きなインパクトを持つ」と話した。CXイネイブラーに関しては、「顧客を理解し、テクノロジーを理解し、戦略を現場に落とし込みたい。そして医療従事者のニーズに応えていきたい」と述べ、オムニチャネルアプローチ成功のキーパーソンと位置付けた。

同社が提供するオムニチャネルアプローチは、こうだ。本社はCX向上のためのデジタルソリューションの開発や、各疾患領域に合わせたオムニチャネル戦略を立案する。本社に「CXイネイブラー・リード」を配置する。現場に配置したCXイネイブラーは、戦略に基づいたオフラインとオンライン両方のCXスキルのMRへの浸透を図る。現場MRは戦略に基づくオフラインとオンラインの活動を行い、顧客ニーズに合わせたオフラインとオンラインの最適化を追求する。MRは顧客の反応やニーズ、戦略改善内容をCXイネイブラーにフィードバックし、CXイネイブラーが現場の反応などを本社に上げる。これを繰り返して、顧客ごとに、最高のCXを提供することを目指す。なお、CXイネイブラー・リードや、CXイネイブラーの人員数は開示していない。

◎20年国内業績 売上7%減、数量は11%増 キイトルーダの2度の再算定で

20年の国内業績は売上高3481億円(薬価ベース)だった。数量ベースでは前年から11%伸びたが、売上は7.1%減だった。これは、がん免疫療法薬キイトルーダが非小細胞肺がん(NSCLC)1次治療を中心に処方数量が伸びたものの、20年2月に特例拡大再算定を受けて薬価が17.5%下がり、2月の薬価を基準に、さらに同年4月の薬価改定で再算定により20.9%引き下げられたことが主因となる。このキイトルーダの2度の再算定が国内業績全体に影響した。

タトル社長は、「革新的な医薬品に多くの研究開発投資をしているが、このような再算定が再三行われると、非常に難しくなる」と強調し、日本市場での革新的新薬の創製や効能追加などに継続的に投資し、患者貢献することが困難になるとの認識を示した。イノベーションとサイエンスが公正に評価される環境を整備して、日本市場に継続的に投資できるよう、業界団体と協力して日本政府と対話していく考えも示した。
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