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ノボ 次世代スマートインスリンペンを発売 患者と医師との「対話」の質向上で個別化医療を推進

公開日時 2022/02/02 04:52
ノボ ノルディスクファーマは2月1日、次世代スマートインスリンペン「ノボペン6」、「ノボペン エコープラス」を発売した。インスリン投与情報を自動的に記録し、スマートフォンと連携できるインスリンペン型注入器だ。糖尿病管理アプリとの連携で、正確な情報を蓄積することも可能になる。同社の杉井寛代表取締役副社長・開発本部長は同日開かれた記者発表会で、「患者さんが医師と治療方針について対話する動機付けをする、対話内容の質を向上させる、そういうことに役立つようなツールではないか」と述べ、患者と医師が情報を共有することで、個別化医療が推進されることに期待感を示した。

◎打ち忘れ軽減やアドヒアランス向上に期待

「患者さんは、診察に自己管理ノートを持参されましたか?」、「患者さんはインスリン投与の詳細を覚えていましたか?」、「患者さんは医師の指示通りにインスリンを投与していますか?」-。記者発表会の冒頭で、杉井副会長はこう投げかけた。糖尿病治療のカギを握る血糖コントロールには、患者のライフサイクルに合わせたインスリンの投与など、個別化医療の推進が不可欠だ。一方で、患者自身は日常生活のなかでインスリンを注入した時間を正確に記録することが難しいことも指摘されている。スマートインスリンペンの活用により、こうした課題を克服し、打ち忘れ軽減やアドヒアランス向上につながることが期待される。

同日発売されたスマートインスリンペン「ノボペン6」、「ノボペン エコー プラス」は、直近800回の注入ボタンを押した履歴を本体内部に自動記録する。バッテリー交換や、充電の必要はなく、耐用年数5年。最後に注入ボタンを押した単位および経過時間の表示も可能だ。ノボラピッドやトレシーバ、レベミルなど5種類のインスリンアナログ製剤で使用できる。

さらに、NFC(近距離通信システム)対応のスマー トフォンアプリにインスリンの投与量と投与した時間を無線で転送することが可能だ。アークレイ(スマートe-SMBG)、アボット(FreeStyleリブレLink (FreeStyleリブレ(持続グルコースモニタリングシステム)をスキャンするためのスマーフォンアプリ)、H2(シンクヘルス)、テルモ(メディセーフデータシェア)、ロシュDCジャパン(マイシュガーアプリ)の糖尿病管理アプリと連携する。

これにより、日常生活における患者情報を蓄積し、医師と患者の間で正確な情報を共有することが可能になる。「情報が多い方が先生と患者さんの対話を促進するという意味で、メリットがあるのではないか」との考えを杉井副社長は示した。

◎個別化医療推進へ 幅広い製剤でデジタルヘルスを活用 

杉井副社長は、「今後も、新薬やデバイス開発に加え、デジタルヘルスの活動を通じて、糖尿病患者さんの治療に貢献できるよう、全社をあげて活動を進める」と表明した。特に、「個別化医療の推進は、会社としても大きな目標だ」と述べた。

そのうえで、今後デジタルヘルスを活用してさらなるデバイスの開発などに取り組む姿勢を強調。「医師と患者さんの対話の質向上、動機付けにつながることや、打ち忘れの防止、アドヒアランスの向上を幅広い製剤で考えていきたい」と意欲をみせた。

患者データも集積されることになるが、利活用については「医師が患者の治療のために使うのが原則」と述べた。そのうえで、「個人情報保護法などの枠をクリアし、それぞれのデータをクラウドやビッグデータとして集積し、大きな形でのリアルワールドデータ(RWD)のデータベースにつなげていく時代、それは模索している。将来的には、クラウド、ビッグデータ、RWDは製薬業界にとって大きなキーワードになると思っている」と述べた。



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