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中医協総会 不妊治療薬6成分16品目の薬価収載を了承 男性不妊でバイアグラも

公開日時 2022/02/03 04:50
厚生労働省の中医協総会は2月2日、バイアグラなど6成分16品目の不妊治療薬について薬価収載を了承した。収載予定日は4月1日。不妊治療が4月から保険適用となることを踏まえたもの。バイアグラとシアリスは、「勃起不全による男性不妊」のみを保険適用とする。昨年末の中医協では日本生殖医学会のガイドラインで推奨度「A」、「B」で、薬事承認を得たものが対象とすることが了承されており(関連記事)、今回の収載はこれを踏まえた対応となる。不妊治療をめぐってはこれまで、多くが自費での診療で行われており、患者負担の大きさが指摘されていた。

◎バイアグラとシアリスは男性不妊のみ保険適用に レコベルは14日処方制限も

勃起不全治療薬のバイアグラとシアリスは、保険適用の対象とするのは「勃起不全による男性不妊のみ」となる。今後、施設要件や処方数量なども踏まえて、留意事項通知などを通じて要件が示される方針。

また、2021年3月に承認されて再審査期間中のレコベル皮下注12μgペン、同皮下注36μgペン、同皮下注72μgペン(一般名:ホリトロピン デルタ(遺伝子組換え)、製造販売元:フェリング・ファーマ)は、14日間の投薬日数制限がある。一方で、バイアグラなど5成分13品目は、再審査期間が満了していることを理由に「自由診療下で1年以上の臨床使用経験があることは明らか」と判断し、14日間の投薬日数制限から例外的に除外することも了承された。

収載が予定される製品は以下のとおり(カッコ内は成分名と薬価収載希望会社)

バイアグラ錠25mg、同錠50mg、同ODフィルム25mg、同ODフィルム50mg(シルデナフィルクエン酸塩、ヴィアトリス製薬)
薬効分類:259 その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬(内用薬)
効能・効果:勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持ができない患者)
薬価:
25mg1錠 959.60円
50mg1錠 1380.00円
25mg1枚 991.60円
50mg1枚 1424.10円
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数1.1千人、販売金額0.2億円

加算:有用性加算(II)(A=5%):日本生殖医学会作成の「生殖医療ガイドライン」(2021年版)で、本剤を含むPDE5阻害薬について「勃起障害を伴う男性不妊症に対して有効である」として推奨されていることを踏まえ、標準的治療に位置づけられると考えられることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
新薬創出等加算:該当しない
費用対効果評価:該当しない

効能・効果は「勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持ができない患者)」だが、保険適用の対象として想定されるのは勃起不全による男性不妊のみ。

シアリス錠5mg、同錠10mg、同錠20mg(タダラフィル、日本新薬)
薬効分類:259 その他の泌尿生殖器官及び肛門用薬(内用薬)
効能・効果:勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持ができない患者)
薬価:
5mg1錠 1343.80円
10mg1錠 1454.60円
20mg1錠 1529.90円
市場予測(ピーク時 初年度):投与患者数1.3千人、販売金額0.3億円

加算:有用性加算(II)(A=5%):日本生殖医学会作成の「生殖医療ガイドライン」(2021年版)で、本剤を含むPDE5阻害薬について「勃起障害を伴う男性不妊症に対して有効である」として推奨されていることを踏まえ、標準的治療に位置づけられると考えられることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
新薬創出等加算:該当しない
費用対効果評価:該当しない

効能・効果は「勃起不全(満足な性行為を行うに十分な勃起とその維持ができない患者)」だが、保険適用の対象として想定されるのは勃起不全による男性不妊のみ。

レコベル皮下注12μgペン、同皮下注36μgペン、同皮下注72μgペン(ホリトロピン デルタ(遺伝子組換え)、フェリング・ファーマ)
薬効分類:241 脳下垂体ホルモン剤(注射薬)
効能・効果:生殖補助医療における調節卵巣刺激
薬価:
12μg0.36mL1筒 1万5103円
36μg1.08mL1筒 3万6394円
72μg2.16mL1筒 6万3390円(1日薬価:1万565円)
*現行薬価をもとに算定した薬価。薬価収載時には、令和4年度改定を受けた比較薬のゴナールエフ皮下注ペン900(900国際単位1.5mL1筒)の薬価を用いて算定される。
市場予測(ピーク時6年後):投与患者数2.4万人、販売金額31億円

加算:なし
新薬創出用加算:該当しない
費用対効果評価:該当しない

遺伝子組換えヒト卵胞刺激ホルモン(r-hFSH)製剤。卵胞刺激ホルモン(FSH)は卵巣で卵胞の発育や卵母細胞の成熟を促進する。

ガニレスト皮下注0.25mgシリンジ(ガニレリクス酢酸塩、オルガノン)
薬効分類:249 その他のホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)(注射薬)
効能・効果:調節卵巣刺激下における早発排卵の防止
薬価:0.25mg0.5mL1筒 9085円(1日薬価:957円)
*現行薬価をもとに算定した薬価。薬価収載時には、令和4年度改定を受けた比較薬のレルミナ錠40mg(40mg1錠)の薬価を用いて算定される。
市場予測(ピーク時 初年度):投与患者数1.8万人、販売金額8.0億円

加算:有用性加算(II)(A=5%):日本生殖医学会作成の「生殖医療ガイドライン」(2021年版)で、本剤を含むGnRHアンタゴニストを用いて調節卵巣刺激を行うことが推奨されていることを踏まえ、標準的治療に位置づけられると考えられることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
新薬創出等加算:該当する(主な理由:加算適用)
費用対効果評価:該当しない

GnRHアンタゴニスト製剤。LH(黄体形成ホルモン)の分泌を抑制して排卵を抑制する。通常、調節卵巣刺激下における早発排卵の防止に用いられる。

セトロタイド注射用0.25mg(セトロレリクス酢酸塩、日本化薬)
薬効分類:249 その他のホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)(注射薬)
効能・効果:調節卵巣刺激下における早発排卵の防止
薬価:0.25mg1瓶 9241円(1日薬価:957円)
*現行薬価をもとに算定した薬価。薬価収載時には、令和4年度改定を受けた比較薬のレルミナ錠40mg(40mg1錠)の薬価を用いて算定される。
市場予測(ピーク時 初年度):投与患者数2.1万人、販売金額9.2億円

加算:有用性加算(II)(A=5%):日本生殖医学会作成の「生殖医療ガイドライン」(2021年版)で、本剤を含むGnRHアンタゴニストを用いて調節卵巣刺激を行うことが推奨されていることを踏まえ、標準的治療に位置づけられると考えられることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
新薬創出等加算:該当する(主な理由:加算適用)
費用対効果評価:該当しない

GnRHアンタゴニスト製剤。ゴナドトロピン放出ホルモンの働きを抑えることで、卵胞が十分に発育する前に排卵されることを防止する。

ルテウム膣用坐剤400mg(プロゲステロン、あすか製薬)
薬効分類:247 卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤(外用薬)
効能・効果:生殖補助医療における黄体補充
薬価:400mg1個 553.10円(1日薬価:1106.20円)
*現行薬価をもとに算定した薬価。薬価収載時には、令和4年度改定を受けた比較薬のプロゲホルモン筋注用25mg(25mg1管)の薬価を用いて算定される。
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数2.4万人、販売金額15億円

加算:有用性加算(II)(A=5%):日本生殖医学会作成の「生殖医療ガイドライン」(2021年版)で、プロゲステロン製剤を用いた黄体補充が不妊治療に有効であり、経腟剤の投与が推奨されていることを踏まえ、標準的治療に位置づけられると考えられることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
新薬創出等加算:該当する(主な理由:加算適用)
費用対効果評価:該当しない

黄体ホルモン製剤。黄体ホルモン(プロゲステロン)を補充することで、子宮内膜における受精卵の着床環境を整え、着床後は妊娠を維持する。

ウトロゲスタン膣用カプセル200mg(プロゲステロン、富士製薬)
薬効分類:247 卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤(外用薬)
効能・効果:生殖補助医療における黄体補充
薬価:200mg1カプセル 368.80円(1日薬価:1106.40円)
*現行薬価をもとに算定した薬価。薬価収載時には、令和4年度改定を受けた比較薬のプロゲホルモン筋注用25mg(25mg1管)の薬価を用いて算定される。
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数1.8万人、販売金額11億円

加算:有用性加算(II)(A=5%):日本生殖医学会作成の「生殖医療ガイドライン」(2021年版)で、プロゲステロン製剤を用いた黄体補充が不妊治療に有効であり、経腟剤の投与が推奨されていることを踏まえ、標準的治療に位置づけられると考えられることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
新薬創出等加算:該当する(主な理由:厚労省が開発を公募)
費用対効果評価:該当しない

天然型黄体ホルモン製剤。子宮内膜に作用して受精卵が着床しやすくし、妊娠を維持する。

ルティナス膣錠100mg(プロゲステロン、フェリング・ファーマ)
薬効分類:247 卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤(外用薬)
効能・効果:生殖補助医療における黄体補充
薬価:100mg1錠 368.80円(1日薬価:1106.40円)
*現行薬価をもとに算定した薬価。薬価収載時には、令和4年度改定を受けた比較薬のプロゲホルモン筋注用25mg(25mg1管)の薬価を用いて算定される。
市場予測(ピーク時10年後):投与患者数5.9万人、販売金額26億円

加算:有用性加算(II)(A=5%):日本生殖医学会作成の「生殖医療ガイドライン」(2021年版)で、プロゲステロン製剤を用いた黄体補充が不妊治療に有効であり、経腟剤の投与が推奨されていることを踏まえ、標準的治療に位置づけられると考えられることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
新薬創出等加算:該当する(主な理由:加算適用)
費用対効果評価:該当しない

黄体ホルモン製剤。黄体ホルモン(プロゲステロン)を補充することで、子宮内膜における受精卵の着床環境を整え、着床後は妊娠を維持する。

ワンクリノン膣用ゲル90mg(プロゲステロン、メルクバイオファーマ)
薬効分類:247 卵胞ホルモン及び黄体ホルモン剤(外用薬)
効能・効果:生殖補助医療における黄体補充
薬価:90mg1アプリケータ 1106.40円(1日薬価:1106.40円)
*現行薬価をもとに算定した薬価。薬価収載時には、令和4年度改定を受けた比較薬のプロゲホルモン筋注用25mg(25mg1管)の薬価を用いて算定される。
市場予測(ピーク時7年後):投与患者数1.7万人、販売金額8.0億円

加算:有用性加算(II)(A=5%):日本生殖医学会作成の「生殖医療ガイドライン」(2021年版)で、プロゲステロン製剤を用いた黄体補充が不妊治療に有効であり、経腟剤の投与が推奨されていることを踏まえ、標準的治療に位置づけられると考えられることから、有用性加算(II)(A=5%)を適用することが適当と判断した。
新薬創出等加算:該当する(主な理由:加算適用)
費用対効果評価:該当しない

黄体ホルモン製剤。黄体ホルモン(プロゲステロン)を補充することで、子宮内膜における受精卵の着床環境を整え、着床後は妊娠を維持する。
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