患者の現実を一変させる“数字”の強力さ
医療人類学者 磯野 真穂 さん
公開日時 2022/07/01 00:00
情報をどう伝えるかを考えてほしい医療の世界では“正しい”とされている対応や考えが、患者にとっては必ずしもプラスに働かず、葛藤や医療のわかりにくさなどを生むことは往々にしてある。エビデンスに基づく説明もその一例だと、医療人類学者の磯野真穂さんは言う。「エビデンスという数字は、患者さんの現実を驚くほど変えてしまうことがあります」。医療職とは違った視点で現場に入り研究調査をすることで、磯野さんは医療の“当たり前”に疑問を投げかける。(利根川恵子)〔略歴〕1999年、早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒。オレゴン州立大学応用人類学修士課程修了後、早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。早稲田大学文化構想学部助教、国際医療福祉大学大学院准教授...