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国内申請数は82 がん領域で23品目 重症喘息 2型糖尿病 乾癬に新機序薬 本誌開発品リスト22年8月版

公開日時 2022/08/02 04:52
ミクス編集部が製薬企業68社の国内開発品を集計したところ、フェーズ2(P2)以降の国内開発品は774品目(=プロジェクト数)に上った。P3以降の後期開発品(P2/3含む)は501品目、うち申請中は82品目だった。申請品を疾患別にみると、最多はがん領域の23品目で、肝細胞がんの1次治療に対する初の免疫療法薬同士の併用療法などが注目されそう。がん以外では、既承認薬が少なくない重症喘息、2型糖尿病、乾癬で新規作用機序の医薬品の登場が見込まれ、どのような患者の治療選択肢となるか関心を集めそうだ。

ミクス編集部は年2回、製薬各社の公表資料やアンケート調査、厚労省資料をもとに国内P2以降の開発品を整理・集計し、「ミクス パイプラインリスト」としてまとめている。今回の22年8月版は内資系47社、外資系21社の計68社について、原則6月末までの情報(申請品目は7月10日まで集計)をもとにまとめた。なお、国内未承認成分で、複数プロジェクトで開発されている場合はいずれも新有効成分として集計。共同開発品は、疾患別リストは1品目として、企業別リストは企業ごとにカウントしている。

◎新有効成分30品目 効能追加等52品目

申請品の内訳は、新有効成分含有医薬品が30品目、効能追加等が52品目だった。申請品で最多のがん領域では、血液がんで申請品が9品目あり、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫といった主要な疾患に対して既収載品の適応拡大、併用療法の追加、使用ラインの追加などの開発が進んでいることが確認できた。

固形がんでは、免疫療法薬の適応追加や併用療法が多くみられ、例えば抗PD-1抗体・ニボルマブの非小細胞肺がん(NSCLC)術前補助療法の追加は、承認されれば免疫療法薬として初の適応取得となる。肝細胞がん(HCC)の1次治療に対する抗PD-L1抗体・デュルバルマブと国内未承認の抗CTLA-4抗体・トレメリムマブとの併用療法も、承認されればHCCで初の免疫療法薬同士の併用療法となる。また、抗PD-1抗体・ペムブロリズマブは子宮頸がんの効能追加を申請中で、子宮頸がんに対する初の免疫療法として注目されそうだ。

◎重症喘息に抗TSLP抗体 2型糖尿病にGIP/GLP-1受容体作動薬 乾癬に経口TYK2阻害薬

がん以外の申請品をみると、既承認薬が少なくない重症喘息、2型糖尿病、乾癬に対する新規機序の開発品が目を引く。

このうち重症喘息では、上皮細胞由来のサイトカインである胸腺間質性リンパ球新生因子(TSLP)を阻害する抗TSLP抗体・テゼペルマブが申請中。重症喘息の治療はバイオマーカーのレベルにあわせて複数の抗体製剤などから薬剤選択されるが、同剤はバイオマーカーのレベルによらず喘息の増悪抑制が期待できる試験結果が出ている。申請企業のアストラゼネカは「広範な重症喘息患者集団に対する治療を変革する可能性がある」としている。

2型糖尿病では、GLP-1とGIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド)の両方に作用するGIP/GLP-1受容体作動薬・チルゼパチドが申請されている。GIPは食事摂取量を減少させ、エネルギー消費を増加させる働きがあるホルモンで、GLP-1受容体作動薬の効果を補完するとされる。

乾癬領域では、経口TYK2阻害薬・デュークラバシチニブが尋常性乾癬などを対象疾患に申請中。乾癬の治療は病型、病変の部位や重症度、患者の選考などをもとに外用剤、経口剤、バイオ製剤が使い分けられ、経口剤ではいま、アプレミラストが「外用剤では効果不十分だが、バイオ製剤までには至らない」とのニーズに応える立ち位置で支持を集めている。デュークラバシチニブはアプレミラストよりも有効性に優れる試験結果が出ており、バイオ製剤導入前の治療選択肢として存在感を示すとみられる。

◎後期開発品数 1位はAZ 2位は中外製薬 3位はファイザー

P3以降の後期開発品の品目数を企業別にみると、トップはアストラゼネカ(AZ、53品目)、2位は中外製薬(35品目)、3位はファイザー(31品目)、4位はサノフィ(27品目)、5位はノバルティス ファーマ(25品目)――の順となった。1位と2位は前回22年1月調査と変わらず、3位と4位は入れ替わった。

ノバルティスは今回トップ5入りし、前回5位のMSDが6位となった。ノバルティスは新規の慢性骨髄性白血病治療薬・アシミニブ塩酸塩など2品目の承認取得などがあったものの、特発性の慢性蕁麻疹を対象疾患とするBTK阻害薬「LOU064」や、C3腎症などを対象疾患とする経口B因子阻害剤・Iptacopanなど8プロジェクトが新たに後期開発品に加わり、前回から一つ順位を上げた。一方で、前回5位だったMSDは今回6位で、ペムブロリズマブの子宮体がんなどの適応追加や、慢性咳嗽治療薬・ゲーファピキサントクエン酸塩など6プロジェクトの承認を取得した。結果、現在の後期開発品は23となった。

後期開発品数のランキング上位を外資系企業が占めるなか、内資系企業のトップは武田薬品(20品目、全体7位)で、小野薬品と第一三共(各18品目、8位)が続いた。

ぜひ、以下のパイプラインリストで各社の開発品を確認いただきたい「ミクス パイプラインリスト」は会員限定コンテンツです。無料トライアルはこちら)。


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