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MSD・タトル社長 新型コロナ治療薬・ラゲブリオ一般流通で「迅速な治療でコロナの影響が最小限に」

公開日時 2022/10/20 04:50
MSDのカイル・タトル代表取締役社長は10月9日、9月から一般流通を開始した経口新型コロナ治療薬・ラゲブリオのメディアセミナーで、「世界が徐々にニューノーマルに移行し、コロナとの共存方法を学んでいくなかで、一般流通を開始できて大変喜ばしく思う。医療従事者の皆さまが本剤の投与が必要と判断される患者さんへの治療に迅速に着手できることから、将来のコロナによる影響を最小限に抑えることができるようになる」と強調した。また、MRの情報提供体制について「大きな体制変更は、いま現在考えていないが、今後も引き続き検討していきたい」とした他、「(コ・プロ相手の)杏林製薬と非常に緊密な関係を持っている」などと語った。

ラゲブリオは2021年12月24日の特例承認取得から、国による購入・医療機関へ無償提供というスキームを通じた使用を経て、22年9月16日から一般流通による使用開始に至った。この間、60万人以上に投与されたという。同社の白沢博満代表取締役上級副社長兼グローバル研究開発本部長は、特例承認取得直後に開始し、22年6月に終了した「市販直後調査」結果(約20万例)からは、新たな安全性事象による緊急の添付文書改訂等はなかったことや、22年8月に公開した「特定使用成績調査」の中間集計結果(約1000例)からも、安全性・有効性において現時点で懸念となる事項はなかったことを説明。安全性に関して「完ぺきとは言えないが、おおむね安心している」と述べた。

また、有効性に関しては「高齢の方や基礎疾患がある方は、いくらオミクロン株、いくらワクチンを打ったといっても、やはり非常に注意が必要。そういう方にとってリアルワールドのデータも含め、ほぼラゲブリオが効くということは確立したと思う」と述べた。また、英国における大規模PANORAMIC試験の査読前論文の内容に触れ、通常治療にラゲブリオを追加することにより、回復までの期間短縮が示唆されているとした他、長期フォローアップによりコロナ後遺症の抑制に関して良い結果が出てくることを期待していると述べた。

◎昭和大病院・相良病院長 軽症者から早期投与で期待


昭和大病院の相良博典病院長(医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科学部門主任教授)は、昭和大病院における軽症患者(重症化予防)へのラゲブリオの使用経験から「人工呼吸器使用症例は全くいなかった。我々のなかでは効果のある薬剤の位置付けだと思っている」と述べた。また、一般流通開始への期待について、▽悪化する前の発症からできるだけ早期(発症5日以内など)に使用できるようになるため、重症化防止が促進する▽一度高齢者が入院すると非常に医療費がかさんでくるため、早期の治療でそのリスクを低減させる▽まれではあるが、若年者でもサイトカインストームで重症肺炎は死亡率が高くなることを考え、抗インフル薬のように軽症者から早期に使える薬剤としても期待できる―などと述べた。

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