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経口中絶薬・メフィーゴ 薬食審薬事分科会で再度審議、パブコメ実施後の3月にも 医薬品部会は通過

公開日時 2023/01/30 04:51
厚生労働省の薬食審・医薬品第一部会は1月27日、国内初の経口投与の人工妊娠中絶薬・メフィーゴパック(一般名:ミフェプリストン/ミソプロストール、申請者:ラインファーマ)を承認することを了承した。ただ、厚労省は、メフィーゴは社会的関心が高く、より慎重な審議を行う必要があると判断し、パブリックコメント手続きを実施した後、パブコメの結果も参考に薬食審・薬事分科会で再度審議することにした。

パブコメでの意見募集期間は2月1日~28日を予定。メフィーゴの薬事分科会での審議は早ければ3月に行い、承認して差し支えないと判断された場合、今春にも正式承認される見通し。

メフィーゴは、妊娠の維持を阻害する抗プロゲステロン作用をもつプロゲステロン受容体拮抗薬・ミフェプリストン(1剤目)と、子宮収縮作用をもつプロスタグランジンE1誘導体・ミソプロストール(2剤目)を、妊娠成立後一定の時期に適切な間隔で投与することで、妊娠の継続を中断し、人工妊娠中絶に至らせるもの。ミフェプリストンは新有効成分含有医薬品、ミソプロストールは新投与経路医薬品、再審査期間は8年。

この日の部会に示された効能・効果は、「子宮内妊娠が確認された妊娠63日(妊娠9週0日)以下の者に対する人工妊娠中絶」。用法・用量は、「ミフェプリストン錠1錠(ミフェプリストンとして200mg)を経口投与し、その36~48 時間後の状態に応じて、ミソプロストールバッカル錠4錠(ミソプロストールとして計800μg)を左右の臼歯の歯茎と頬の間に2錠ずつ30分間静置する。30分間静置した後、口腔内にミソプロストールの錠剤が残った場合には飲み込む」となっている。

厚労省の吉田易範・医薬品審査管理課長は部会後の記者説明会で、患者は入院または2回受診して2剤とも院内で服用し、2剤目服用後は入院または院内待機することになると説明した。

妊娠63日(9週0日)以下の18歳から45歳の女性120例を対象にした国内第3相試験では、主要評価項目とされたミソプロストール投与後24時間までに人工妊娠中絶が成功した割合は93.3%だった。主な副作用は、下腹部痛 (30.0%)、嘔吐(20.8%)だった。

◎当面は有床施設の外来や入院で使用 十分な使用経験が蓄積され適切な使用体制整うまで

人工妊娠中絶は母体保護法に基づき行われる。メフィーゴも母体保護法指定医師のもとで使用し、本人や配偶者の同意を得て用いることになる(配偶者が知れないときなどは本人の同意だけで足りる)。 

厚労省はこの日の部会後の記者説明会で、メフィーゴの製造販売後の管理方法として現時点では次の4点を予定していることを明らかにした。それは、(1)本剤の流通は、「妊娠中期における治療的流産」に適応を持つプレグランディン腟坐剤と同等の厳格さをもって管理する、(2)本剤の投与は、母体保護法指定医師による確認の下で行う、(3)本剤の使用状況は、プレグランディン腟坐剤と同等の厳格さをもって記録・管理する、(4)本剤による人工妊娠中絶は、緊急時に適切な対応が取れる体制を構築している医療機関で行う。なお、日本産婦人科医会との協議において、本剤販売当初は国内での経口中絶薬の使用経験が乏しいことを考慮し、十分な使用経験が蓄積され適切な使用体制が整うまでの間、有床施設において外来や入院で本剤が使用する――ということ。これらの管理方法についてもパブコメで意見を募る考え。

なお、プレグランディンの管理は現在、医療機関への納入数やロット番号、投与患者及びカルテ番号などが記録され、この記録は都道府県産婦人科医会にフィードバックする形で管理されている。
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