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RSウイルスワクチン・アレックスビーなど5製品を審議へ 薬食審・第二部会で

公開日時 2023/08/14 22:00
厚生労働省は8月28日に薬食審・医薬品第二部会を開き、承認されると国内初のRSウイルスワクチンとなるグラクソ・スミスクラインのアレックスビー筋注用(一般名:乾燥組換えRSウイルスワクチン(チャイニーズハムスター卵巣細胞由来))など5製品の承認の可否を審議する。

審議品目の中には、ジェンマブの大細胞型B細胞リンパ腫や濾胞性リンパ腫を対象疾患とする抗CD3/CD20二重特異性抗体エプキンリ皮下注(エプコリタマブ(遺伝子組換え))や、サノフィのデュピクセント皮下注のアトピー性皮膚炎に関する小児用量の追加も含まれる。報告品目は3製品。審議品目、報告品目とも、承認が了承されれば、9月に正式承認されるとみられる。

【審議予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
オルツビーオ静注用250、同静注用500、同静注用1000、同静注用2000、同静注用3000、同静注用4000(エフアネソクトコグ アルファ(遺伝子組換え)、サノフィ):「血液凝固第VIII因子欠乏患者における出血傾向の抑制」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

新たな遺伝子組換え型第VIII因子製剤。現行の第VIII因子製剤の半減期は、フォン・ヴィルブランド因子の半減期に依存するが、本剤はこの制限を受けない。血友病A患者に対して週1回の定期補充療法により、従来より長期間持続する出血抑制効果を得ることを目的として開発された。

キュービトル20%皮下注1g/5mL、同20%皮下注2g/10mL、同20%皮下注4g/20mL、同20%皮下注8g/40mL、同20%皮下注10g/50mL(pH4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注射)、武田薬品):「無又は低ガンマグロブリン血症」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

ヒトIgGを20%含有する皮下注用ヒト免疫グロブリン(Ig)製剤。対象疾患とする無又は低ガンマグロブリン血症は、さまざまな要因により体内の免疫グロブリンが不足する状態。不足する免疫グロブリンを免疫グロブリン製剤の投与により補充することで、さまざまな感染症にかかることを防ぐ効果が期待できる。

アレックスビー筋注用(乾燥組換えRSウイルスワクチン(チャイニーズハムスター卵巣細胞由来)、グラクソ・スミスクライン):「RSウイルスによる感染症の予防」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

呼吸器合胞体ウイルス(RSウイルス)ワクチン。膜融合前型の遺伝子組換えRSウイルスF糖タンパク質(RSVPreF3)抗原と、GSK独自のAS01Eアジュバントを組み合わせたもの(=アジュバント添加RSVPreF3候補ワクチン)。承認されると、国内初のRSウイルスワクチンとなる。

RSウイルスは、肺および呼吸器に影響を及ぼす一般的な感染性ウイルスで、成人において、日本では約5万7000例の入院と4000例の死亡原因になっているという。承認申請は、60歳以上の成人を対象とした国際共同第3相AReSVi-006試験の結果等に基づき行われた。

エプキンリ皮下注4mg、同皮下注48mg(エプコリタマブ(遺伝子組換え)、ジェンマブ):「以下の再発又は難治性の大細胞型B細胞リンパ腫。▽びまん性大細胞型B細胞リンパ腫▽高悪性度B細胞リンパ腫▽原発性縦隔大細胞型B細胞リンパ腫―。再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。

デンマークに本社を置くジェンマブ社の独自技術プラットフォーム「DuoBody」を用いて作製された皮下投与の二重特異性抗体。T細胞上のCD3とB細胞上のCD20に同時に結合するように設計されており、T細胞によるCD20陽性細胞傷害を誘導する。選択的なサイレンシング変異を導入しているため、全身に対する非特異的な活性は限られていると考えられている。

▽①デュピクセント皮下注200mgシリンジ②同皮下注300mgシリンジ③同皮下注300mgペン(デュピルマブ(遺伝子組換え)、サノフィ):「①既存治療で効果不十分な下記皮膚疾患:アトピー性皮膚炎 ②③既存治療で効果不十分な下記皮膚疾患:アトピー性皮膚炎、結節性痒疹、気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない重症又は難治の患者に限る)、鼻茸を伴う慢性副鼻腔炎(既存治療で効果不十分な患者に限る)―。(小児用量の追加)」を対象疾患とする①新用量・剤形追加に係る医薬品②③新用量医薬品。

ヒト型抗ヒトIL-4/13受容体モノクローナル抗体。厚労省によると、アトピー性皮膚炎患者に関する小児用量の追加が審議される。承認申請は、国内第3相試験に基づき行われ、中等症から重症のアトピー性皮膚炎と診断され既存治療で効果不十分な、生後6ヵ月以上18 歳未満の日本人小児患者62人が組み入れられた。

【報告予定品目】(カッコ内は一般名、申請企業名)
報告品目は、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査段階で承認して差し支えないとされ、部会では審議せず、報告のみでよいと判断されたもの。

▽①アダリムマブBS皮下注20mgシリンジ0.2mL「CTNK」②同皮下注40mgシリンジ 0.4mL「CTNK」③同皮下注80mgシリンジ0.8mL「CTNK」④同皮下注40mgペン0.4mL 「CTNK」⑤同皮下注80mgペン0.8mL「CTNK」(アダリムマブ(遺伝子組換え)[アダリムマブ後続4]、日本化薬):「①②④既存治療で効果不十分な下記疾患:多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎 ②③④⑤関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)、既存治療で効果不十分な下記疾患:▽尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬▽強直性脊椎炎▽腸管型ベーチェット病▽非感染性の中間部、後部又は汎ぶどう膜炎―。中等症又は重症の活動期にあるクローン病の寛解導入及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)、中等症又は重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)」を対象疾患とするバイオ後続品。

承認されれば、ヒュミラのバイオ後続品は国内で4番目。

▽①ティーエスワン配合カプセルT20②同配合カプセルT25③ティーエスワン配合顆粒T20④同配合顆粒T25⑤ティーエスワン配合OD錠T20⑥同配合OD錠T25⑦エスワンタイホウ配合OD錠T20⑧同配合OD錠T25(テガフール/ギメラシル/オテラシルカリウム、①~⑥大鵬薬品⑦~⑧岡山大鵬薬品):「胃がん、結腸・直腸がん、頭頸部がん、非小細胞肺がん、手術不能又は再発乳がん、膵がん、胆道がん、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳がんにおける術後薬物療法」を対象疾患とする新用量医薬品。公知申請。

アクテムラ点滴静注用80mg、同点滴静注用200mg、同点滴静注用400mg(トシリズマブ(遺伝子組換え)、中外製薬):「悪性腫瘍治療に伴うサイトカイン放出症候群」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。

ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体。サイトカイン放出症候群(CRS)は、CAR-T細胞療法や一部の抗体医薬品等を用いた悪性腫瘍治療で見られる副作用の一つ。既にCAR-T細胞療法に伴うCRSの効能を取得しており、承認申請は、抗悪性腫瘍薬の臨床試験成績に基づき行われた。

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